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鉄骨の加工(工作)とは?けがき・孔あけ・摩擦面処理の施工管理ポイント

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けんせつる

けんせつる

高力ボルトの孔って、ボルトの太さより大きく開けるの?

摩擦面ってツルツルに磨くの?それともザラザラ?

この記事の要点

鉄骨の加工(工作)は、工場でけがき・切断・開先加工・孔あけ・摩擦面処理を行い、組み立てる工程です。

  • 高力ボルトの孔径:呼び径27mm未満は2.0mm、27mm以上は+3.0mm。溶融亜鉛めっきでも孔径は同じ呼び径と同じ。
  • 摩擦面:すべり係数0.45以上を確保。ショットブラスト等で表面粗さ50μmRz以上にするか、ミルスケールを除去して赤錆を発生させる。
  • けがき・加熱:仕上げ代・収縮を見込んでけがく。加熱曲げ・加熱矯正は青熱脆性域を避ける

鉄骨の加工は、工場で決まった順に進みます。まず全体の流れを押さえます。

鉄骨加工の工程の流れ。けがきから切断、開先加工、孔あけ、摩擦面処理、組立てへと進む
工程の順序をイメージでつかむための模式図(実際は工場や部材で前後・並行することがあります)。本記事は、試験でよく問われる孔あけ・摩擦面処理・けがきの数値と注意点を整理します。

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鉄骨の加工(工作)とは?工場での製作の流れ

鉄骨の加工は、設計どおりの寸法・形状の部材を工場でつくり出す工程です。

現場で組み立てる前に品質を作り込む段階なので、寸法精度と接合部の処理がそのまま建物の精度・強度に影響します。

けがき(鋼材に基準線・孔位置を写す作業)では、加工中の収縮や変形、仕上げ代を見込んだ寸法でけがきます。基準とする鋼製巻尺は、一般用より許容差を厳しくしたものを使い、精度をそろえます。

けがきと加熱で気をつけること

けがきと加熱には、鋼材を傷めない・もろくしないための約束があります。

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孔あけと高力ボルトの孔径

孔あけでいちばん問われるのが、高力ボルトの孔径です。軸径にわずかな余裕しか取りません。

ボルトの呼び径孔径(公称軸径に加える値)
27mm未満(例 M24)2.0mm(M24なら26mm
27mm以上3.0mm以内

孔を大きく取りすぎると、ボルトのすべり耐力が落ちます。溶融亜鉛めっきの高力ボルトでも、めっきの厚み分だけ孔を大きくするのは誤りで、孔径は同じ呼び径の高力ボルトと同じにします(めっき分はボルト・ナット側で吸収する設計)。

なお、アンカーボルト孔などは板厚13mm以下ならせん断孔あけができますが、高力ボルトの孔はドリルであけます。

摩擦面の処理(すべり係数と表面粗さ)

高力ボルト摩擦接合は、ボルトで締めた板どうしの摩擦で力を伝えます。だから接合面は、つるつるに磨くのではなくすべりにくく仕上げます。

摩擦面は、すべり係数0.45以上を確保できるように処理します。方法は2つです。

表面粗さを30μmRzなどに下げると、必要なすべり係数が得られません。粗さの数値は引っかけの定番です。

過去問でどう問われたか

鉄骨の加工は、平成29年度から令和6年度まで、1級・2級でくり返し問われています。引っかけは大きく3パターンです。

年度・級・No. 問われ方/引っかけ
1級 令和6年 No.53 M24高力ボルトの孔径を27mmとした → 26mm(+2.0mm)←①孔径
2級 令和6年前期 No.21 溶融亜鉛めっき高力ボルトの孔を大きくした → 同じ呼び径の孔径と同じ ←①孔径
2級 令和4年後期 No.39 加熱曲げを青熱脆性域で行う/孔径+5mm → 赤熱で曲げる・孔径は+2mm程度 ←③加熱・①孔径
1級 平成29年 No.30 摩擦面の表面粗さを30μmRz以上とした → 50μmRz以上 ←②摩擦面

つまり高力ボルトの孔径は呼び径+2.0mm(27mm以上は+3.0mm)でめっきでも同じ、摩擦面はすべり係数0.45以上(ブラスト50μmRz以上か赤錆)、加熱曲げは青熱脆性域を避ける。孔径・摩擦面・加熱の取り違えが誤りです。各行は該当する過去問解説にリンクしています。

まちがえやすいポイント

鉄骨の加工は、数値を1つずらした誤りの肢が定番です。「孔径=呼び径+2.0mm(27以上+3.0mm)」「摩擦面=0.45・50μmRz」をセットで覚え、めっきでも孔径は変えない、と押さえます。

摩擦面は「つるつるに磨く」と逆に覚えがちです。摩擦で力を伝えるので、わざと錆や粗さを残してすべりにくくする、と理解すると取り違えません。

混同しやすい用語の整理

ドリル孔あけ と せん断孔あけ

高力ボルトの孔は、孔まわりを傷めないようドリルであけます。せん断孔あけ(板を刃で抜く)は孔まわりに割れ・硬化が出やすいため、板厚13mm以下のアンカーボルト孔など、限られた場合に用います。

青熱脆性 と 赤熱

鋼はおよそ200〜400℃で粘りが落ちてもろくなる青熱脆性を示します。加熱曲げや加熱矯正は、この温度域を避けて、より高温の赤熱状態で行います。温度域を取り違えると割れの原因になります。

理解度チェック

Q.

公称軸径24mm(M24)の高力ボルトの孔径はいくらか。

答えを見る

26mmです。呼び径27mm未満は+2.0mm、27mm以上は+3.0mm以内とします。

Q.

溶融亜鉛めっきの高力ボルトでは、孔径を大きくするか。

答えを見る

大きくしません。孔径は同じ呼び径の高力ボルトと同じです。めっきの厚み分はボルト・ナット側で吸収します。

Q.

高力ボルト摩擦面のすべり係数と、ブラスト処理の表面粗さの目安は。

答えを見る

すべり係数0.45以上。ショット・グリットブラストで表面粗さ50μmRz以上にすれば、赤錆を発生させなくてもよいです。

Q.

加熱曲げ・加熱矯正で避けるべき温度域は何か。

答えを見る

青熱脆性域(およそ200〜400℃)です。鋼がもろくなるため、これを避けて赤熱状態で行います。

まとめ

鉄骨工事の施工管理全体はRC・鉄骨にまとめています。

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参考資料

  • JASS 6(鉄骨工事)日本建築学会
  • 建築基準法施行令 第68条第2項(高力ボルトの孔径)
  • 公共建築工事標準仕様書(建築工事編)国土交通省/高力ボルト協会 技術資料

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けんせつる

この記事を書いた人

ハナダユキヒロミツメラボ

設計事務所に7年勤務し、建築構造設計に従事。設計者として施工図確認・工程会議・検査立会いなど施工管理と協働してきた経験と、公共建築工事標準仕様書・JASS等の一次資料をもとに執筆しています。

「建築学生が学ぶ構造力学」(kentiku-kouzou.jp)を2010年より運営。著書「わかる構造力学」(工学社)。

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