けんせつる
だぼ孔って、石の端からどれくらい離して開けないとダメなんだろう?
この記事の要点
令和5年度 1級建築施工管理技士 第一次検定 No.32は、乾式工法による外壁の張り石工事に関する問題です。正解は選択肢1。だぼ孔の端あき寸法が小さすぎると、石材の縁が欠けるおそれがあります。
令和5年度 1級建築施工管理技士 第一次検定 No.32は、乾式工法による外壁の張り石工事に関する問題です。
問題文は建設業振興基金が公開している公式PDFで確認できます。
この問題では、4つの記述のうち、最も不適当なものを選びます。
| 選択肢 | 正誤 | 解説 |
|---|---|---|
| 1 | ×(誤り) | だぼ孔の端あき60mmは500mm角の石材には小さすぎ縁が欠ける恐れ |
| 2 | ○(正しい) | ロッキング方式の通しだぼは適切な径のものを使用 |
| 3 | ○(正しい) | 下地精度を考慮し調整範囲±10mmのファスナーを使用 |
| 4 | ○(正しい) | 石材間の目地は幅10mmとしシーリング材を充填 |
選択肢1は、だぼ孔の端あき寸法を60mmとした部分が誤りで、500mm角の石材では端あきが小さすぎて石材の縁が欠ける恐れがあります。
この問題のポイントは、乾式工法で石材を金物で安全に保持できているかということです。
乾式工法は、石材をモルタルで固めず、だぼやファスナーといった金物で受けて固定する工法です。
金物で支えるということは、孔の周りの石が荷重を受け止めるわけです。だから孔を石の端に寄せすぎると、その縁が割れてしまいます。
「金物が石の縁をきちんと保持できるか」という視点で読むと、選択肢1のあやしさに気づけるでしょう。
これが誤りを含む選択肢です。厚さ30mm、500mm角の石材のだぼ孔の端あき寸法を60mmとした記述ですね。
端あき寸法とは、だぼ孔の中心から石材の端までの距離のことです。
この距離が小さいと、孔の外側に残る石が薄くなり、地震時の力や自重で石材の角や縁が欠けやすくなります。
端あきは石材の大きさに応じて十分に取る必要があり、500mm角の石材で60mmでは小さすぎます。この記述が誤りということです。
例えば石材幅の1/4程度を目安にすれば、500mm角なら100mmを超える端あきが望ましいわけです。60mmではその半分強しかなく、縁の欠けが心配されます。
ロッキング方式のファスナーに使う通しだぼについての記述です。
ロッキング方式は、地震時に石材が回転するように動いて変形を逃がす方式です。
通しだぼに適切な径のものを使えば、石材を保持しつつ動きを許容できます。よってこの記述は妥当ということです。
下地のコンクリート面の精度を考慮したファスナーの調整範囲についての記述です。
下地には施工誤差があるため、ファスナー側で位置を調整できる必要があります。
調整範囲±10mmのファスナーを使うのは、下地精度を吸収するうえで妥当です。よってこの記述は正しいということです。
石材間の目地についての記述です。
乾式工法では石材どうしの目地にシーリング材を充填し、止水と動きの追従を確保します。
目地幅を10mmとしてシーリング材を充填するのは標準的です。よってこの記述は正しいということです。
だぼ孔は、「石の端に寄せると割れる」と覚えておきましょう。
端あきが小さいほど孔の外の石が薄くなり、縁が欠けやすくなる。だから石材が大きいほど端あきも広く取るわけです。
乾式工法は金物で保持=だぼ孔の縁が荷重を受ける=端あきが小さすぎると縁が欠けるという順番でつなぐと、本番で迷わなくなるでしょう。
だぼ孔の端あき寸法が小さすぎると、石材にどんな不具合が起きるか。
孔の外側の石が薄くなり、地震時の力や自重で石材の角・縁が欠けやすくなります。端あきは石材の大きさに応じて十分に確保します。
乾式工法のファスナーに調整範囲を持たせるのはなぜか。
下地のコンクリート面に施工誤差があるため、ファスナー側で石材の位置を調整して精度を確保するためです。
出典
※ この記事の確認日:2026年6月
正解:選択肢1
だぼ孔の端あき寸法が小さすぎると、石材を支える縁が薄くなり、地震や荷重で角が欠けてしまうんです。だから端あきは石材の大きさに応じて十分に確保します。選択肢1の60mmは500mm角の石材には小さすぎて不適当というわけです。