けんせつる
ガラス工事って何?どんな場面で使うの?
この記事の要点
ガラス工事とは、建物の窓・サッシ・カーテンウォール等の開口部にガラスを取り付ける仕上げ工事です。
複層ガラス(ペアガラス)は2枚以上のガラスの間に乾燥空気・アルゴンガスを封入した断熱性・防露性の高いガラスです。近年の建築物では省エネ性能の観点から複層ガラスが標準的に使われます。
建物の窓・ガラスファサードは採光・景観・省エネ性能に関わる重要な仕上げ要素です。
ガラスの種類選定と取り付け精度(グレイジング)が施工管理のポイントです。
| 種類 | 特徴 | 主な用途 |
|---|---|---|
| フロートガラス(単板) | 一般的な透明ガラス。安価。断熱性は低い。 | 内部間仕切り・一部の窓 |
| 複層ガラス(ペアガラス) | 2枚のガラス間に空気層。断熱性・防露性が高い。 | 外窓・省エネ建築 |
| 強化ガラス | 通常の3~5倍の強度。割れると粒状になり安全。 | 出入口扉・床ガラス・シャワー室 |
| 網入りガラス | 金属網を封入。割れても飛散しにくい。防火性能がある。 | 防火区画の開口部 |
| Low-Eガラス | 特殊コーティングで断熱・遮熱性能を高めた複層ガラス。 | 省エネ建築の外窓 |
ザックリ言えば、「防火区画の開口部には網入りガラス、省エネ目的には複層ガラス」が基本の選び方です。図面で指定されているガラス種別を必ず確認します。
複層ガラスとは、2枚(またはそれ以上)のガラスの間にスペーサーを挟み、乾燥空気やアルゴンガスを封入したガラスです。
中間の空気層が熱の移動を抑えるため、断熱性が高まります。
例えば、冬に窓ガラスが結露するのは、外気で冷やされたガラス表面に室内の湿気が触れるためです。複層ガラスは空気層が断熱材として働くため、室内側のガラス表面温度が下がりにくく、結露を防げます。
試験では「グレイジング(はめ込み)」に関する細かい施工ルールがよく問われます。
| 項目 | 正しい施工方法 | よくある誤り |
|---|---|---|
| セッティングブロックの数 | ガラス1枚につき2箇所設置(ガラス幅の1/4の位置に設置) | 1箇所だけ設置(×) |
| グレイジングチャンネルの継目位置 | ガラスの上辺中央部に設置する | 下辺中央部(×)→水が溜まりやすい下辺は避ける |
| 熱線反射ガラスの向き | 反射膜コーティング面を室内側とする | 室外側に向ける(×) |
簡単にいうと、「セッティングブロックは2か所、グレイジングチャンネルの継目は上辺中央」と覚えておきましょう。
防火区画開口部のガラス種別・認定番号が確認される完了検査の手続きの流れは、国土交通省の資料(下図)に示されています。
混同しやすい用語の整理
複層ガラス(ペアガラス)は断熱・防露性能を高めた2枚組みのガラス(省エネ目的)。強化ガラスは熱処理で強度を高めた安全ガラス(衝撃・安全目的)。
目的が異なります。複層ガラスの1枚を強化ガラスにした製品もあります。
網入りガラスは金属網入りで防火性能がある(防火区画の開口部に使用)。防犯ガラスは合わせガラスで破壊されにくくした安全ガラス(防犯目的)。
防火目的と防犯目的で使い分けます。
複層ガラス(ペアガラス)の特徴は?
2枚以上のガラスの間に乾燥空気・ガスを封入した構造で、断熱性が高く防露効果がある。省エネ建築の外窓に多く使われる。
防火区画の開口部に使われるガラスの種類は?
網入りガラス(金属網封入)。割れても飛散しにくく、防火性能(認定)がある。
グレイジングチャンネルの継目はガラスのどの位置に設けるか?
上辺中央部に設ける。下辺中央部は×(水が溜まりやすく劣化につながるため避ける)。
(出題例:2級令和2年後期 問29)
セッティングブロックはガラス1枚につき何箇所設置するのか?
2箇所設置する(ガラス幅の1/4の位置に設置)。
(出題例:2級平成30年前期 問29)
> 建具工事とは?扉・窓との関係を確認する
> 仕上げ工事とは?躯体工事との違いを確認する
仕上げ・内装工事の施工管理は仕上げ・内装にまとめています。
参考法令・規格
※ この記事の法令確認日:2026年5月
管理人からのコメント
ガラスは搬入時の養生不足による傷・端部欠けが現場で発生しやすい材料です。搬入後すぐに全数外観確認し、不良品は使用前に交換の指示を出しましょう。
防火区画の開口部では、使用したガラスの種別と認定番号を工事写真・台帳で記録することが基本ですね。セッティングブロックの位置(ガラス幅1/4)とグレイジングチャンネル継目位置(上辺中央)は後から確認できないため、施工中に写真を残しておきましょう。