けんせつる
防火区画って何のこと?面積区画とか竪穴区画とか種類が多くて混乱する…
この記事の要点
防火区画は建物を一定の面積・部位・用途で区切り火災の拡大を防ぐ構造で、建築基準法施行令第112条に規定されています。
種類は面積区画・竪穴区画・異種用途区画・高層区画の4種類。開口部には防火戸、ダクト貫通部には防火ダンパーが必要です。
建物が火災になった際に、火・煙が建物全体に一気に広がるのを防ぐために設けるのが防火区画です。
建築基準法第36条・同施行令第112条に規定されており、区画の種類・面積・設置条件は建物の規模・用途・構造によって異なります。
防火区画とは、建物を一定の面積・部位・用途で区切り、火災が他の区画に広がるのを一定時間防ぐための構造(耐火構造の壁・床・防火設備の組み合わせ)のことです。
防火区画を形成するためには、区画する壁・床に耐火性能を持たせ、壁には強化石膏ボードが使われることが多く、開口部には防火戸・防火シャッター等の防火設備を設ける必要があります。
ザックリ言えば、「建物内で火災が広がらないよう床・壁・防火戸で区切った区域」ということです。
| 種類 | 概要 | 根拠条文 |
|---|---|---|
| 面積区画 | 床面積を一定以下に区切る。主要構造部が耐火構造の建物等が対象。 | 令第112条第1項? |
| 竪穴区画 | 吹き抜け・階段・エレベーター等の縦方向の開口部(竪穴)を他の部分と区画する。 | 令第112条第11項? |
| 異種用途区画 | 住宅・事務所・店舗・駐車場など用途が異なる部分の境界を区画する。 | 令第112条第18項? |
| 高層区画 | 高さ31mを超える建物の各階の床を区画する(高層部の面積区画)。 | 令第112条第7項? |
「面積区画は横方向の拡大を防ぐ」「竪穴区画は縦方向(吹き抜け・階段)の拡大を防ぐ」と押さえておきましょう。
面積区画は、主要構造部が耐火構造の建物等に設けるもので、1,500m2以内ごと(一般的な条件の場合)に区画します。
スプリンクラー設備が設置されている場合は面積を2倍まで緩和できます(最大3,000m2まで)。内装に不燃材料を使用する場合も緩和があります。
例えば、大型商業施設でスプリンクラーが設置されているビルは、1,500m2以上のフロアでも防火区画の面積を緩和できます。設計図を確認するときは、スプリンクラーの有無と緩和規定をセットで確認するのが実務上の基本です。
防火区画に設ける開口部(ドア・窓・シャッター等)には、防火設備または特定防火設備を設ける必要があります。
防火区画の設置状況が確認される完了検査の手続きの流れは、国土交通省の資料(下図)に示されています。
混同しやすい用語の整理
面積区画は「一定の床面積ごとに区切る」区画です。竪穴区画は「縦方向の空間(吹き抜け・階段・EV等)を区切る」区画です。
面積区画は平面方向の拡大防止、竪穴区画は縦方向の拡大防止が目的です。
防火区画は火と煙の拡大を防ぐ区画で、耐火構造の壁・床・防火設備で構成します。防煙区画は煙の拡大のみを防ぐ区画で、防煙垂壁・防煙壁で構成します。
防火区画は火熱にも耐えますが、防煙区画は煙のみを対象とします。
防火区画の4種類を答えよ。
面積区画・竪穴区画・異種用途区画・高層区画。
空調ダクトが防火区画を貫通する箇所に設ける設備は?
防火ダンパー。
一般的な面積区画の最大面積は?
1,500m2以内(スプリンクラー設置時は2倍まで緩和)。
> 防火戸(常時閉鎖型・随時閉鎖型)を確認する
仕上げ・内装工事の施工管理は仕上げ・内装にまとめています。
参考法令・規格
※ この記事の法令確認日:2026年5月
管理人からのコメント
防火区画で現場の失敗として多いのが、設備配管・ダクトの貫通部処理の漏れです。躯体完成後に設備工事が追加された場合も、貫通部の耐火充填処理が必要なので見落とさないようにしましょう。
防火戸・防火シャッターは竣工前に感知器連動の閉鎖動作を実際に確認し、記録写真を残すことが基本ですね。