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令和5年度 1級建築施工管理技士 No.19を解説、エレベーターの管制運転

けんせつる

けんせつる

火災のときと地震のとき、エレベーターはどっちの階に向かうんだっけ?

この記事の要点

令和5年度 1級建築施工管理技士 第一次検定 No.19は、エレベーターに関する問題です。正解は選択肢3。火災時管制運転を「最寄階に停止」と説明しているのが誤りです。

令和5年度 1級建築施工管理技士 第一次検定 No.19は、建築物に設けるエレベーターに関する問題です。

問題文は建設業振興基金が公開している公式PDFで確認できます。

この問題では、4つの記述のうち、最も不適当なものを選びます。

正解:選択肢3

火災時管制運転は、火災を感知したらエレベーターを避難階(基準階)へ自動帰着させて運転を休止させる機能です。最寄階に停止させるのは地震時管制運転のほうで、選択肢3はこの2つを取り違えているわけです。

各選択肢の正誤

選択肢 正誤 解説
1 ○(正しい) 乗用エレベーターには停電時に床面で一定照度を確保する照明装置を設ける
2 ○(正しい) 1人あたりの体重を65kgとして計算した最大定員を明示する標識を掲示する
3 ×(誤り) 火災時管制運転は避難階へ帰着させる機能(最寄階停止は地震時管制運転)
4 ○(正しい) 群管理方式は複数台をまとめて交通需要に応じ効率的に運転管理する方式

選択肢3は「火災発生時に最寄階に停止させる」とした部分が誤りで、火災時管制運転は避難階へ自動帰着させて運転を休止させる機能です。

この問題のポイント

この問題では、火災時と地震時で管制運転の動きが違うことを理解しているかが問われています。

見るべきポイントは「どこに向かわせて、何のために止めるのか」ということです。

火災時は煙や延焼から人を逃がすことが目的なので、決まった避難階へ集めます。地震時はかごの中の人を一刻も早く外へ出すことが目的なので、いちばん近い階で止めるわけです。

目的が違えば向かう階も違う、ここは混乱しやすいところですね。

選択肢1

乗用エレベーターには、停電時の照明装置を設けることが問われています。

停電してかごの中が真っ暗になると、利用者がパニックを起こしやすくなります。

そのため停電時にも床面で一定の照度を確保できる照明装置を備えます。安全確保のための基本的な設備なので、この記述は正しいということです。

選択肢2

乗用エレベーターの最大定員の計算根拠が問われています。

定員は、1人あたりの体重を65kgとして計算した最大定員を明示します。

この最大定員を表示した標識をかご内に掲示するので、この記述は正しいということです。積載量と人数を結びつけるための決まりなんです。

選択肢3

これが誤りを含む選択肢です。火災時管制運転地震時管制運転は、動きが違います。

火災時管制運転は、火災を感知すると、あらかじめ決めた避難階(基準階)へエレベーターを自動的に帰着させ、扉を開いて運転を休止します。

一方、最寄階に停止させて利用者を降ろすのは地震時管制運転(地震時の管制運転)の動きです。

問題文の「火災発生時に最寄階に停止させる」という記述は、地震時の動きと取り違えているため誤りです。正しくは避難階へ帰着させる機能ということです。

選択肢4

群管理方式がどんな運転方式かが問われています。

群管理方式は、複数台のエレベーターを1つの群としてまとめて制御する方式です。

朝夕の混雑や昼間の閑散など、交通需要の変動に応じて配車を最適化し、効率的に運転管理します。この記述は正しいということです。

覚え方

管制運転は、「火事は決まった階へ、地震は近い階へ」で整理すると間違えにくくなります。

火災は人をまとめて避難させたいので避難階へ帰着、地震は早く外へ出したいので最寄階で停止、と目的から結びつけます。

火災時=避難階へ帰着して休止 / 地震時=最寄階で停止して降車という順番でつなぐと、本番で迷わなくなるでしょう。

一問一答

Q.

火災時管制運転は、エレベーターをどの階へ向かわせる機能か。

あらかじめ定めた避難階(基準階)へ自動的に帰着させ、運転を休止させる機能です。

Q.

最寄階に停止させて利用者を降ろすのは、どの管制運転か。

地震時管制運転です。地震を感知すると最寄階に停止して扉を開きます。

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出典

  • 一般財団法人 建設業振興基金「令和5年度 1級建築施工管理技術検定 第一次検定 問題」
けんせつる

この記事を書いた人

ハナダユキヒロミツメラボ

設計事務所に7年勤務し、建築構造設計に従事。設計者として施工図確認・工程会議・検査立会いなど施工管理と協働してきた経験と、公共建築工事標準仕様書・JASS等の一次資料をもとに執筆しています。

「建築学生が学ぶ構造力学」(kentiku-kouzou.jp)を2010年より運営。著書「わかる構造力学」(工学社)。

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