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鉄筋の加工及び組立てとは?折曲げ内法直径・フックの余長・あきの基準

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けんせつる

けんせつる

折曲げの内法直径って、コンクリートの強度で変わるんだっけ?

フックの余長も、角度で数字が変わってこんがらがるよ。

この記事の要点

折曲げ内法直径は、D16以下=3d以上、D19以上=4d以上。鉄筋の種類と径で決まり、コンクリート強度では変わりません

末端フックの余長は、90°=8d以上、135°=6d以上、180°=4d以上。折曲げ角度が大きいほど短くなります。

加工図の読み方は鉄筋加工図、あき寸法は鉄筋のあきにまとめています。

鉄筋の加工及び組立てとは、鉄筋を設計図書どおりの形・寸法に加工し、所定の位置に組み立てる工事のことです。

鉄筋工事の中でも、加工の数値が試験でよく問われます。ここでは折曲げ・フック・あきを中心に整理します。

まず、混乱しやすい2つの数値(折曲げ内法直径とフックの余長)を図で押さえます。

鉄筋の折曲げの模式図。折曲げ内法直径はD16以下が3d以上・D19以上が4d以上で鉄筋の種類と径で決まる。フックの余長は90°が8d以上・135°が6d以上・180°が4d以上で、折曲げ角度が大きいほど短くなる。
折曲げ内法直径は鉄筋の種類と径で決まる(コンクリート強度ではない)。フックの余長は角度が大きいほど短い。※関係をつかむための模式図で、実際の寸法比率を描いたものではない。
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折曲げ内法直径は「鉄筋の種類と径」で決まる

最頻出です。ここを取り違える肢が繰り返し出ます。

鉄筋を折り曲げると、曲げの外側が引き伸ばされます。曲げがきつすぎる(内法直径が小さすぎる)と、その部分で鉄筋が傷んだり割れたりします。だから最小値が決められています。

鉄筋の径(SD295・SD345) 折曲げ内法直径の最小値
D16以下 3d以上
D19〜D41(D19以上) 4d以上

覚えるのは2つです。第一に、太い鉄筋ほど内法直径を大きくとる(曲げにくいから)。第二に、決めるのは鉄筋の種類と径だということです。

試験のねらいはここです。「折曲げ内法直径はコンクリートの圧縮強度が大きいほど大きくなる」は誤り。内法直径はコンクリートではなく、鉄筋の種類と径で決まります。

フックの余長は角度が大きいほど短い

もう1つの頻出が、末端フックの余長です。フックの先に残す直線部の長さで、これが短いとコンクリートとの定着が不足して抜けやすくなります。

折曲げ角度 余長の最小値 用途の例
90° 8d以上 スラブ筋・帯筋・あばら筋の端部など
135° 6d以上 地震時に開かない閉鎖型の帯筋・あばら筋
180° 4d以上 丸鋼・引張力がかかる部位の末端

覚え方は「角度が大きいほど余長は短い」です。180°は鉄筋がほぼ折り返っていて、それ自体で引っかかるので余長は短くてよい。90°は折り返りが浅いぶん、長い余長で定着を補います。

だから「末端部フックの余長の最小寸法は、折曲げ角度が大きいほど短くなる」は正しい肢です。逆に90°の余長を6dとするような肢は誤り(正しくは8d以上)です。

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「あき」と「間隔」は違う

加工・組立ての問題では、鉄筋どうしの「あき」もよく出ます。

鉄筋のあきの最小値は、次の3つのうち最も大きい値とします。

  • 呼び名の数値(径)の1.5倍
  • 粗骨材の最大寸法の1.25倍
  • 25mm

ここで注意したいのが言葉です。この規定は「あき」の最小値で、「間隔」ではありません。あきは隣り合う鉄筋の表面どうしのすき間、間隔は中心から中心までの距離です。同じ数値を「間隔」の最小値と書いてある肢は誤りになります(鉄筋のあき)。

加工・組立てで確認するその他の数値

  • 加工は常温(冷間)で行う:鉄筋を加熱して曲げると材質が変わるため、常温で加工します。
  • 加工寸法の許容差:加工後の全長は±20mm、各加工寸法(折曲げ部)はD25以下で±15mm・D29〜D41で±20mm、スターラップ・帯筋・スパイラル筋は±5mm(鉄筋加工図)。
  • 柱主筋の折曲げ連続:上下階の柱せいの寸法差が梁せいの1/6以内かつ150mm以下の場合は、柱主筋を梁せいの範囲内で折り曲げて上下階を連続させてよい。
  • 結束:鉄筋相互の交点は結束線で緊結する。壁筋は交点の半数以上を結束する(鉄筋結束)。
  • 開口部補強:スラブの開口部は、切断される鉄筋と同量の鉄筋で周囲を補強し、斜め補強筋を配する。

混同しやすい用語の整理

折曲げ内法直径 と フックの余長

どちらも折曲げの数値ですが、意味が違います。

折曲げ内法直径は、曲げた内側にできる円の直径です。鉄筋の種類と径で決まり、D16以下=3d以上、D19以上=4d以上。

フックの余長は、折り曲げた先に残す直線部の長さです。角度で決まり、90°=8d、135°=6d、180°=4d以上。

あき と 間隔

言葉が入れ替わって出ます。

あきは、隣り合う鉄筋の表面どうしのすき間です。最小値は呼び名の1.5倍・粗骨材の1.25倍・25mmの最大値。

間隔は、鉄筋の中心から中心までの距離です。あきの規定を「間隔」と書けば誤りです。

過去問でどう問われたか

鉄筋の加工及び組立ては、平成27年度から令和にかけて、1級・2級で繰り返し問われています。引っかけは3つのパターンです。

  • 折曲げ内法直径の取り違え……「コンクリート強度が大きいほど大きくなる」(正しくは鉄筋の種類と径)、太径のD25を3d以上(正しくは4d以上)。
  • フックの余長の数値……90°フックの余長を6d(正しくは8d以上)。「角度が大きいほど短くなる」は正しい肢。
  • 「あき」と「間隔」のすり替え……あきの規定値を「間隔」の最小値と書く。
年度・級・No. 問われ方/引っかけ
1級 平成28年 No.25 SD345・D25の90°折曲げ内法直径を3d以上とした → D19〜D38は4d以上 ←①内法直径
1級 平成29年 No.25 90°フックの余長を6dとした → 8d以上 ←②余長
2級 平成28年 No.41 折曲げ内法直径はコンクリートの圧縮強度が大きいほど大きくなるとした → 鉄筋の種類と径で決まる ←①内法直径
2級 平成27年 No.70 あきの規定値を「間隔」の最小値とした → それは「あき」の規定 ←③あき/間隔

とくに2級 平成28年 No.411級 平成28年 No.25は、折曲げ内法直径を「コンクリート強度で変わる」「太径を3d」と外させる、この分野の代表的な引っかけです。

つまり折曲げ内法直径は鉄筋の種類と径(D16以下3d・D19以上4d)。フックの余長は角度が大きいほど短い(90°=8d・135°=6d・180°=4d)。この2つを覚えれば、加工の肢は切れます。各行は該当する過去問解説にリンクしています。

理解度チェック

Q.

鉄筋の折曲げ内法直径の最小値は、何で決まるか。

鉄筋の種類と径で決まります。D16以下は3d以上、D19以上は4d以上です。コンクリートの圧縮強度で変わるという記述は誤りです。

Q.

末端フックの余長は、折曲げ角度が大きいほど長くなるか、短くなるか。

短くなります。90°が8d以上、135°が6d以上、180°が4d以上です。角度が大きいほど鉄筋が折り返って引っかかるため、余長は短くてすみます。

Q.

鉄筋のあきの最小値はどう決めるか。

呼び名の数値の1.5倍、粗骨材の最大寸法の1.25倍、25mm、の3つのうち最も大きい値とします。これは「あき」の規定で、「間隔」ではありません。

Q.

鉄筋の加工は加熱して行ってよいか。

いけません。加熱すると材質が変わるため、常温(冷間)で加工します。

まとめ

  • 折曲げ内法直径:D16以下=3d以上、D19以上=4d以上。鉄筋の種類と径で決まる(コンクリート強度ではない)。
  • フックの余長:90°=8d以上、135°=6d以上、180°=4d以上。角度が大きいほど短い。
  • あきの最小値:呼び名1.5倍・粗骨材1.25倍・25mmの最大値。「間隔」ではない。
  • 加工は常温(冷間)。加工後の全長の許容差は±20mm。
  • 上下階の柱せい差が梁せいの1/6以内かつ150mm以下なら、柱主筋を折り曲げて連続させてよい。

> 加工図の読み方は鉄筋加工図を確認する
> あき寸法の詳細は鉄筋のあきを確認する
> あばら筋・帯筋の末端フックはあばら筋と帯筋の違いを確認する

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参考資料

  • JASS 5 鉄筋コンクリート工事(鉄筋の折曲げ内法直径の最小値:SD295・SD345でD16以下は3d以上、D19〜D41は4d以上/折曲げ角度別のフックの余長:90°は8d以上、135°は6d以上、180°は4d以上/鉄筋の加工寸法の許容差)
  • 公共建築工事標準仕様書(建築工事編)第5章 鉄筋工事(鉄筋は常温で加工する/鉄筋のあきの最小値は呼び名の数値の1.5倍・粗骨材の最大寸法の1.25倍・25mmのうち最も大きい値)
  • てつまぐ「鉄筋のフックについて」(フックの余長は90°=8d以上・135°=6d以上・180°=4d以上、折曲げ角度が大きいほど余長は短い)/構造・施工の解説サイト(折曲げ内法直径はD16以下3d以上・D19以上4d以上、鉄筋の種類と径で決まる)
  • 一般財団法人 建設業振興基金「1級・2級 建築施工管理技術検定 第一次検定(学科)試験 問題」(鉄筋の加工及び組立ての出題)

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けんせつる

この記事を書いた人

ハナダユキヒロミツメラボ

設計事務所に7年勤務し、建築構造設計に従事。設計者として施工図確認・工程会議・検査立会いなど施工管理と協働してきた経験と、公共建築工事標準仕様書・JASS等の一次資料をもとに執筆しています。

「建築学生が学ぶ構造力学」(kentiku-kouzou.jp)を2010年より運営。著書「わかる構造力学」(工学社)。

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