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令和6年度 1級建築施工管理技士 No.58を解説、工期と費用の関係

けんせつる

けんせつる

工期を延ばせば延ばすほど、総工事費もまっすぐ増えていくものなの?

この記事の要点

令和6年度 1級建築施工管理技士 第一次検定 No.58は、工期と費用に関する応用能力問題です。五肢のうち最も不適当なものを選ぶ問いで、正解は選択肢1。

令和6年度 1級建築施工管理技士 第一次検定 No.58は、工期と工事費用の関係を問う問題なんです。施工管理法の応用能力問題で、五肢択一になっています。

問題文は建設業振興基金が公開している公式PDFで確認できます。

5つの記述のうち、最も不適当なものを選びます。

正解:選択肢1

総工事費は直接費と間接費の和で決まり、ある工期で最小になるU字型の曲線を描くわけです。工期に比例してまっすぐ増えるわけではありません。工期を縮めすぎると直接費が膨らみ、延ばしすぎると間接費が膨らむ、と勘違いせず両面で考えるのがコツですね。

各選択肢の正誤

選択肢 正誤 解説
1 ×(誤り) 「総工事費は工期に比例して増加する」→ 総工事費はU字曲線を描き、最適工期で最小になる
2 ○(正しい) 間接費は工期が延びるほど増え、縮むほど減る。工期の長短に相関して増減する
3 ○(正しい) 直接費と間接費の和が最小になる工期が最適工期。記述のとおり
4 ○(正しい) ノーマルタイムは直接費が最小になるときの工期。標準的な作業速度の工期である
5 ○(正しい) クラッシュタイムは、これ以上は短縮できない限界の工期。記述のとおり

選択肢1の「総工事費は工期に比例して増加する」という記述が誤りで、正しくは最適工期で最小となるU字型の曲線を描きます。

この問題のポイント

この問題のテーマは、工期と費用がどう関係するかということです。

費用は大きく2つに分かれます。1つが直接費、もう1つが間接費です。

直接費は材料費や労務費など、ものを作るのに直接かかる費用です。工期を無理に縮めると残業や応援が増えるので、直接費は増えていきます。

間接費は現場事務所の経費や管理費など、期間に応じてかかる費用です。工期が延びるほど積み上がっていくわけです。

この2つを足したものが総工事費です。縮めすぎても延ばしすぎても高くなり、ちょうど中間で最小になります。だから総工事費はU字型の曲線になるんです。

選択肢1

ここが今回の核心です。「総工事費は工期に比例して増加する」という言い方が引っかけになっています。

もし比例するなら、工期を縮めれば縮めるほど安くなるはずです。でも実際は、縮めすぎると直接費が跳ね上がります。

例えば、納期に間に合わせるために夜間も人を入れて突貫工事をすると、人件費が一気に膨らみますね。比例の直線ではなく、底のあるU字になるわけです。

選択肢2

間接費は、現場を維持している期間に応じてかかる費用です。

工期が長くなれば、その分だけ現場事務所の家賃や管理者の人件費がかさみます。逆に短ければ減ります。

このように工期の長短に素直に相関して増減するので、選択肢2は正しい記述になります。

選択肢3

直接費と間接費の和、つまり総工事費が最も小さくなる点が最適工期です。

U字曲線の一番底にあたるところですね。ここより縮めても延ばしても、総額は高くなってしまいます。

選択肢3はこの関係を正しく述べているので、正しい記述です。

選択肢4

選択肢4のノーマルタイムは、直接費が最小になるときの工期です。無理のない標準的な速度で進めたときの工期と考えるとよいでしょう。

言いかえると、ノーマルタイムは「費用が一番安い工期」です。記述どおりなので、正しい記述になります。

選択肢5

選択肢5のクラッシュタイムは、どんなに直接費を投入しても、これ以上は短くできないという限界の工期です。

つまりクラッシュタイムは「物理的に縮められる限界の工期」です。これも記述どおりで正しいということになります。

覚え方

直接費は縮めると増える → 間接費は延ばすと増える → 足すとU字 → 底が最適工期

総工事費が「比例して増える」と書いてあったら、まず誤りを疑いましょうね。費用は直線ではなく、底のあるU字を描くと覚えておけば迷いません。

一問一答

Q.

総工事費は工期に比例して増加するといえるか。

いえません。総工事費は直接費と間接費の和で、最適工期で最小となるU字型の曲線を描きます。

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出典

  • 一般財団法人 建設業振興基金「令和6年度 1級建築施工管理技術検定 第一次検定 問題」
けんせつる

この記事を書いた人

ハナダユキヒロミツメラボ

設計事務所に7年勤務し、建築構造設計に従事。設計者として施工図確認・工程会議・検査立会いなど施工管理と協働してきた経験と、公共建築工事標準仕様書・JASS等の一次資料をもとに執筆しています。

「建築学生が学ぶ構造力学」(kentiku-kouzou.jp)を2010年より運営。著書「わかる構造力学」(工学社)。

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