けんせつる
場所打ち杭って、周面の摩擦力は支持力に使えないんだっけ。
この記事の要点
令和7年度(前期)2級建築施工管理技士 第一次検定 No.9は、基礎杭に関する問題です。正解は選択肢4。
令和7年度(前期)2級建築施工管理技士 第一次検定 No.9は、基礎杭に関する問題です。
問題文は建設業振興基金が公開している公式PDFで確認できます。
この問題では、4つの記述のうち、最も不適当なものを選びます。
| 選択肢 | 正誤 | 解説 |
|---|---|---|
| 1 | ○(正しい) | セメントミルク工法は伏流水がある地盤には適さない |
| 2 | ○(正しい) | 中掘り工法は杭径の大きいものの施工に適している |
| 3 | ○(正しい) | SC杭は上杭として下杭のPHC杭と組み合わせて用いる |
| 4 | ×(誤り) | 場所打ち杭でも周面摩擦力を支持力に見込める |
選択肢4は、場所打ち杭は地盤の種類によらず周面摩擦力を支持力に見込めないとしている点が誤りです。実際は見込むことができます。
この問題では、杭の支持力の考え方を取り違えていないかが問われています。
カギになるのは、杭が力を支える仕組みです。杭は先端だけで支えているのではありません。
杭の支持力は、先端で地盤に伝わる先端支持力と、杭の側面(周面)と地盤の摩擦による周面摩擦力の合計で考えます。
ザックリ言えば、杭は先端と側面の両方で支えているということです。場所打ち杭でも周面摩擦力を見込めるので、選択肢4は言いすぎなんです。
選択肢1はセメントミルク工法についての記述です。
セメントミルク工法は、掘った穴に根固め液(セメントミルク)を注入して杭を定着させます。伏流水があると根固め液が流れ出るおそれがあるんです。
そのため、伏流水がある地盤には適していません。記述のとおりなので、これは適当です。
選択肢2は中掘り工法についての記述です。
中掘り工法は、杭の中空部から掘削土を排出しながら杭を圧入していく工法です。比較的杭径の大きなものの施工に向いています。
例えば、大口径の既製コンクリート杭を打つ場面ですね。記述のとおりなので、これは適当です。
選択肢3はSC杭についての記述です。
外殻鋼管付きコンクリート杭(SC杭)は、鋼管で外側を覆っているので、曲げや水平力に強い特徴があります。継杭では上杭として使われます。
一般に、下杭にはPHC杭を組み合わせます。記述のとおりなので、これは適当です。
これが誤りを含む選択肢です。「場所打ちコンクリート杭では、地盤の種類によらず、杭とその周囲の地盤との摩擦力を杭の支持力に見込むことができない」とあります。
ここは混乱しやすいところですね。場所打ち杭でも、周面摩擦力を支持力に見込むことができるんです。
杭の支持力は先端支持力と周面摩擦力の合計で考えます。摩擦力を一律にゼロ扱いするわけではないので、記述は不適当ということです。
杭の支持力は「先端+周面」の足し算で押さえると間違えにくくなります。
杭は先端で支えるだけでなく、側面の摩擦力も力として効いています。
場所打ち杭でも周面摩擦力を支持力に見込める、ゼロではないと覚えておけば、選択肢4のような言いすぎのひっかけに引っかからなくなるでしょう。
杭の支持力は、どのような力の合計で考えるか。
杭先端の先端支持力と、杭側面の周面摩擦力の合計で考えます。
場所打ちコンクリート杭では、周面摩擦力を支持力に見込めるか。
見込むことができます。先端支持力だけでなく周面摩擦力も支持力になります。
出典
※ この記事の確認日:2026年6月
正解:選択肢4
場所打ち杭の支持力を狭く決めつけているのが選択肢4です。場所打ちコンクリート杭でも、杭とその周囲の地盤との摩擦力(周面摩擦力)を支持力に見込むことができるんです。杭は先端の支持力だけでなく、周面の摩擦も力として効いている、と押さえておきましょうね。