けんせつる
溶接と高力ボルトを併用するとき、許容耐力を足していいのはどっちが先のときだっけ。
この記事の要点
令和7年度(前期)2級建築施工管理技士 第一次検定 No.8は、鉄骨構造の接合に関する問題です。正解は選択肢3。
令和7年度(前期)2級建築施工管理技士 第一次検定 No.8は、鉄骨構造の接合に関する問題です。
問題文は建設業振興基金が公開している公式PDFで確認できます。
この問題では、4つの記述のうち、最も不適当なものを選びます。
| 選択肢 | 正誤 | 解説 |
|---|---|---|
| 1 | ○(正しい) | 摩擦面はブラスト処理等で一定値以上のすべり係数を確保する |
| 2 | ○(正しい) | 完全溶込み溶接は全断面を母材同等以上に溶け込ませる溶接 |
| 3 | ×(誤り) | 耐力を加算してよいのは高力ボルトを先に施工した場合 |
| 4 | ○(正しい) | 隅肉溶接継目の許容応力度は母材の許容せん断応力度と同じ値 |
選択肢3は、溶接を先に行う場合に両方の許容耐力を加算してよいとしている点が誤りです。加算できるのは高力ボルトを先に施工した場合です。
この問題では、溶接と高力ボルトを併用するときの施工順序を取り違えていないかが問われています。
カギになるのは、溶接の熱の影響です。溶接を先にすると、その熱でボルト接合部の摩擦力に影響が出ます。
高力ボルトを先に締めておけば、ボルトの摩擦力が確保された状態で溶接できるので、両方の耐力を足し合わせて使えます。
ザックリ言えば、ボルトが先なら足してよい、溶接が先なら足せないということです。選択肢3はこの順序を逆にしています。
選択肢1は高力ボルト接合の摩擦面についての記述です。
高力ボルト摩擦接合は、部材どうしの摩擦で力を伝えます。そのため摩擦面はショットブラスト処理などで、一定値以上のすべり係数を確保する必要があります。
例えば、塗装や油があるとすべりやすくなるので避けますね。記述のとおりなので、これは適当です。
選択肢2は完全溶込み溶接についての記述です。
完全溶込み溶接は、母材の全断面を完全に溶かし込み、溶接部の強度が母材と同等以上になるようにする溶接です。
突合せ継手などでしっかり一体化させたいときに使いますね。記述のとおりなので、これは適当です。
これが誤りを含む選択肢です。「溶接を先に行う場合は両方の許容耐力を加算してよい」とありますが、順序が逆になっています。
ここは混乱しやすいところですね。両方の耐力を加算してよいのは、高力ボルトを先に締めてから溶接する場合なんです。
溶接を先にすると、その熱でボルト接合部に影響が出て、ボルト分の耐力をあてにできなくなります。記述は不適当ということです。
選択肢4は隅肉溶接の許容応力度についての記述です。
隅肉溶接継目の許容応力度は、母材の許容せん断応力度と同じ値とします。隅肉溶接は主にせん断力を伝える接合だからですね。
例えば、ガセットプレートの取付けなどで使われます。記述のとおりなので、これは適当です。
溶接と高力ボルトの併用は「ボルトが先なら足せる」を合言葉にすると間違えにくくなります。
高力ボルトを先に締めておけば、溶接の熱の前に摩擦力を確保できるからです。
耐力を加算してよいのは高力ボルトを先に施工した場合、溶接が先ではないと覚えておけば、選択肢3のようなひっかけに引っかからなくなるでしょう。
溶接と高力ボルトを併用する継手で、両方の許容耐力を加算してよいのはどちらを先に施工した場合か。
高力ボルトを先に施工した場合です。溶接が先のときは加算できません。
隅肉溶接継目の許容応力度は、母材の何と同じ値とするか。
母材の許容せん断応力度と同じ値とします。
出典
※ この記事の確認日:2026年6月
正解:選択肢3
施工順序が逆なのが選択肢3です。溶接と高力ボルトを併用する継手で両方の許容耐力を加算してよいのは、高力ボルトを先に締めてから溶接する場合なんです。溶接を先にやると、その熱でボルトの締め付けがゆるみ、ボルト分の耐力をあてにできなくなりますね。