けんせつる
場所打ちコンクリート杭の施工管理って何?どんな場面で使うの?
この記事の要点
場所打ちコンクリート杭とは、現地で地盤を掘削してから鉄筋かごを挿入し、コンクリートを打設して造る杭のことです。工場で製造する既製杭と違い、施工品質が現場管理に左右されます。
主な工法はアースドリル工法とオールケーシング工法で、どちらも掘削深度の確認・スライム処理・鉄筋かごの挿入・コンクリート打設(トレミー管)が施工管理の主なポイントになります。
場所打ち杭は地中に埋まってしまうと後から確認できない部分です。
各工程の記録と工事写真が唯一の品質証明になるため、手順ごとに確認・記録します。
| 項目 | アースドリル工法 | オールケーシング工法 |
|---|---|---|
| 掘削方法 | 回転バケットで土を掘削・排土する | ケーシングチューブを回転圧入しながらハンマーグラブで掘削する |
| 孔壁の保護 | 上部はケーシング、それ以深は安定液(ベントナイト泥水)で保護する | 全深度をケーシングチューブで保護する |
| 安定液の使用 | 使用する | 使用しない(ケーシングのみで孔壁を保持) |
| 施工速度 | 比較的速い | ケーシングの引き抜き作業があるため遅め |
| 向いている地盤 | 粘性土・砂質土 | 砂礫・転石など崩壊しやすい地盤でも対応可 |
アースドリル工法・オールケーシング工法など場所打ちコンクリート杭地業の規定は、公共建築工事標準仕様書(建築工事編)令和4年版(下図)の4.5節に示されています。
ザックリ言えば、「アースドリルは安定液で孔壁を守りながら掘削・オールケーシングはケーシングで全体を囲って掘削」という違いなということです。
スライムとは、掘削中に孔底に沈殿する泥状の堆積物のことです。スライムを残したままコンクリートを打設すると、杭の先端支持力が著しく低下することになります。
掘削完了後・鉄筋かご挿入前に行います。孔底のスライムをバケットや気水分離機で除去します。
鉄筋かごを挿入したあと、コンクリート打設直前にトレミー管を使ってスライムを再度除去するです。鉄筋かご挿入で孔壁が崩れて再沈殿したスライムを取り除きます。
スライム厚の確認:処理後に孔底のスライム厚を計測します。目安として支持杭では100mm以下・摩擦杭では200mm以下が一般的な管理基準です。
場所打ち杭のコンクリート打設は、孔の底部から打ち上げるトレミー管工法を使うです。地上からただ流し込むと分離・不良が起きるため、管を孔底近くまで挿入して打設します。
スライム処理・コンクリート打設・安定液管理の規定は、公共建築工事標準仕様書(建築工事編)令和4年版(下図)の4.5.5節に示されています。
混同しやすい用語の整理
一次スライム処理は掘削完了後・鉄筋かご挿入前に行うスライム除去です。二次スライム処理は鉄筋かご挿入後・コンクリート打設直前に行うスライム除去です。
鉄筋かごを挿入する際に孔壁が崩れてスライムが再堆積するため、二次処理が必要になるです。
場所打ち杭は現地で掘削してコンクリートを打設して造る杭です。既製杭は工場で製造した杭(PHC杭・SC杭・H鋼杭等)を現地で施工する杭です。
場所打ち杭は大径・長尺に対応しやすいですが、施工品質が現場管理に依存します。
アースドリル工法で孔壁の崩壊を防ぐために使う液体は?
安定液(ベントナイト泥水)。上部ケーシング以深の孔壁を安定液の水圧で保護する。
比重・粘性・pHを定期計測して管理する。
コンクリート打設中、トレミー管の先端はコンクリート天端からどのくらい埋まっていなければならないか?
常に2m以上コンクリートの中に埋まった状態を保つ。先端が出ると泥水・安定液がコンクリートに混入して品質が低下する。
二次スライム処理を行うタイミングは?
鉄筋かご挿入後・コンクリート打設直前。鉄筋かごを入れたときに孔壁が崩れてスライムが再堆積するため、打設直前に再除去する。
RC・鉄骨の施工管理はRC・鉄骨の施工管理にまとめています。
> 杭工事の施工管理ポイント(既製杭)を確認する
> 地盤調査とN値の確認ポイントを確認する
参考法令・規格
※ この記事の法令確認日:2026年5月
管理人からのコメント
場所打ち杭はコンクリート打設時の鉄筋かごの浮上り・スライム除去が最重要確認事項です。掘削完了後のスライム処理が不十分だと設計支持力を発揮できません。
打設記録(圧入量・打設速度)はリアルタイムで記録してください。