けんせつる
2階より上の高さの基準って、下の階の墨をそのまま横に通せばいいんだっけ。
この記事の要点
令和7年度(後期)2級建築施工管理技士 第一次検定 No.18は、遣方及び墨出しに関する問題です。正解は選択肢4。上階の高さ基準は引通しでは上げません。
令和7年度(後期)2級建築施工管理技士 第一次検定 No.18は、遣方及び墨出しに関する問題です。
問題文は建設業振興基金が公開している公式PDFで確認できます。
この問題では、4つの記述のうち、最も不適当なものを選びます。
| 選択肢 | 正誤 | 解説 |
|---|---|---|
| 1 | ○(正しい) | 水貫は水杭に示した一定の高さに上端を合わせ、水平に取り付ける |
| 2 | ○(正しい) | 縄張りは建物の位置確認のため、設計図書に従ってロープを張り巡らせる |
| 3 | ○(正しい) | 鋼製巻尺は温度で伸縮するため、測定時の気温に合わせて温度補正を行う |
| 4 | ×(誤り) | 上階の高さ基準墨は引通しでは上げない。1階の基準墨を鋼製巻尺で鉛直に測り上げる |
選択肢4は、高さの基準墨を墨の引通しによって順次上げるとしている点が誤りです。引通しは水平方向の作業で、高さを移す作業ではないんです。
この問題では、墨出しの作業を「水平方向」と「鉛直方向」に分けて理解できているかが問われています。
ここは混乱しやすいところですね。墨の引通しとは、各階で同じ通り心が一直線に並ぶよう、水平に墨を確認・修正する作業のことなんです。
一方、上階の高さの基準は、1階の基準墨を出発点にします。窓や吹抜けなどから鋼製巻尺を鉛直に下げて(または上げて)、上階へ同じ高さを写し取るわけです。
つまり水平方向は引通し、鉛直方向は巻尺で測り上げる、と役割が分かれています。選択肢4はこの2つを混同しているということです。
選択肢1は水貫(みずぬき)についての記述です。
遣方では、まず水杭を打ち、そこに一定の高さの基準を示します。その高さに上端を合わせて、水貫という横板を水平に取り付けるんです。
この水貫が、建物の高さや位置の基準になります。記述のとおりなので適当です。
選択肢2は縄張りについての記述です。
縄張りとは、建物を建てる位置を地面の上で確認するため、設計図書どおりにロープ(縄)を張り巡らせる作業のことなんです。
例えば、基礎工事の前に建物の外周をロープでかたどって、隣地との距離や配置を目で確認しますね。記述のとおりで適当です。
選択肢3は鋼製巻尺の温度補正についての記述です。
金属である鋼製巻尺は、気温が高いと伸び、低いと縮みます。そのため正確に測るには、測定時の気温に合わせて温度補正を行うわけです。
とくに長い距離を測るときに効いてくる話で、記述のとおり適当です。
これが誤りを含む選択肢です。「2階から上階の高さの基準墨は、墨の引通しにより順次下階の墨を上げる」とありますが、ここが不適当なんです。
高さの基準を上階へ移すときは、1階の基準墨を起点に、鋼製巻尺を鉛直に張って測り上げるのが正しいやり方です。
引通しは、あくまで通り心などを水平方向に一直線に通すための作業で、高さを上げる作業ではありません。
水平方向の作業で高さ(鉛直方向)を決めることはできないため、選択肢4は不適当ということです。
墨出しは「水平」と「高さ」で道具と作業を分けると整理できます。
水平方向に通すのが引通し、高さを上階へ移すのが鋼製巻尺で鉛直に測り上げる作業です。
高さは引通しでは上げない、巻尺で鉛直に測り上げるとセットで覚えると、選択肢4のひっかけに引っかからなくなるでしょう。
2階より上の階の高さの基準墨は、どのように移すか。
1階の基準墨を起点に、鋼製巻尺を鉛直に張って測り上げて移します。
鋼製巻尺で長い距離を測るとき、なぜ温度補正が必要か。
鋼製巻尺は温度によって伸縮するため、測定時の気温に合わせて補正しないと誤差が出るからです。
出典
※ この記事の確認日:2026年6月
正解:選択肢4
上階の高さの基準墨は、墨の引通しで上げると勘違いしがちなんです。引通しはあくまで水平方向に墨を通す作業で、高さを上げる作業ではありません。各階の高さ基準は、1階の基準墨を鋼製巻尺で鉛直に測り上げて移すわけです。