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平成28年度 2級建築施工管理技士 学科試験 No.11 を解説、鋼の性質

平成28年度 2級建築施工管理技士 学科試験 No.11 は、鋼の性質に関する問題です。

この問題では、4つの記述のうち、最も不適当なものを選びます。

この問題で問われていること

  1. 温度と鋼の引張強さの関係
  2. ヤング係数の温度による安定性
  3. 炭素含有量と溶接性の関係
  4. 炭素量と強度・じん性の関係

※ 問題文そのものは建設業振興基金が公開している公式PDFで確認できます。上記は、その記述で問われている論点を整理したものです。

正解:選択肢3(これが最も不適当な記述)

炭素が増えると鋼は強くなりますが、その代わり溶接しにくくなるんです。ここは「強さ」と「溶接性」を分けて覚えるのがコツですね。

選択肢3は炭素が多いほど溶接性が向上するとしていますが逆です。炭素量が増えると溶接性は低下するのが正しいんです。

各選択肢の正誤

選択肢 正誤 解説
1 ◯(正しい) 鋼の引張強さは250〜300°C付近で最大になる
2 ◯(正しい) 常温付近のヤング係数はほぼ一定とみなせる
3 ×(誤り) 炭素量が増えると溶接性は低下する
4 ◯(正しい) 炭素量が増えると強度は上がるがねばりは下がる

選択肢3のポイント(ここが誤り)

鋼は鉄に炭素を混ぜた材料です。炭素の量で性質が大きく変わります。

炭素が多いほど硬く強くなりますが、そのぶん粘りがなくなり、もろくなっていきます。

溶接は、いったん金属を溶かして冷やす作業です。炭素が多い鋼は冷えるときに硬くなりすぎて、割れが生じやすくなります。つまり溶接しにくくなるんです。

選択肢3は炭素が多いほど溶接性が向上すると書いていますが、これは逆です。炭素量が増えると溶接性は低下するので誤りなんです。

ザックリ言えば、炭素が増えると強くなる代わりに溶接しにくくなる、ということです。

覚え方

  • 炭素が多い=強いが溶接性は低下する
  • 溶接性を上げたいなら炭素は少なめ(低炭素鋼)
  • 引張強さは250〜300°C付近で最大になる

一問一答

Q.

鋼の炭素含有量が多くなると、溶接性はどうなるか。

低下します。炭素が多いと溶接後に硬くなりすぎて割れが生じやすくなるためです。溶接性を重視する構造用鋼材は炭素量を抑えています。

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出典

  • 一般財団法人 建設業振興基金「平成28年度 2級建築施工管理技術検定(学科)試験 問題」
けんせつる

この記事を書いた人

ハナダユキヒロミツメラボ

設計事務所に7年勤務し、建築構造設計に従事。設計者として施工図確認・工程会議・検査立会いなど施工管理と協働してきた経験と、公共建築工事標準仕様書・JASS等の一次資料をもとに執筆しています。

「建築学生が学ぶ構造力学」(kentiku-kouzou.jp)を2010年より運営。著書「わかる構造力学」(工学社)。

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