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けんせつる
「契約約款」って、契約書と何が違うの?
設計変更で工事が大きく減ったら、受注者は契約を断れるの?
この記事の要点
工事請負契約約款とは、発注者と受注者の権利義務(変更・解除・損害の負担など)をあらかじめ定めた契約条件のひな形です。公共工事では公共工事標準請負契約約款が広く使われます。
工事請負契約は、個別の条件を書いた契約書と、共通の条件を定めた約款で成り立ちます。約款の中身が試験でも実務でも問われます。
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約款は、契約のたびに一から取り決めると煩雑な共通事項(変更・解除・検査・損害・保険など)を、あらかじめ標準化した契約条件です。
工事請負契約書が「誰が・いくらで・いつまでに」という個別事項を定めるのに対し、約款は「途中で何かあったときどうするか」という共通ルールを定めます。公共工事では中央建設業審議会が作成・勧告する公共工事標準請負契約約款が用いられます。
約款上の「設計図書」には、次のものが含まれます。図面と仕様書だけだと思い込むと誤ります。
現場説明書・質問回答書も設計図書の一部なので、これらに示された条件も契約内容になります。施工条件が現場と一致しないと分かったときは、直ちに設計図書・監督員に確認を求めます。
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工事の途中で条件が変わったときの扱いが、約款の中心です。数値の取り違えが頻出します。
| 場面 | 約款の定め |
|---|---|
| 物価変動による代金変更請求 | 契約から12月を経過した後、賃金・物価の変動で代金が不適当になったとき請求できる |
| 設計図書変更による受注者の解除 | 設計図書の変更で請負代金額が2/3以上減少したとき、受注者は契約を解除できる |
| 工期の変更 | 発注者と受注者が協議して定める。期間内に協議が整わないときは発注者が定めて受注者に通知する |
| 検査のための破壊 | 発注者は必要があるとき理由を通知して、工事目的物を最小限度破壊して検査できる |
解除できるのは、設計図書の変更で代金が2/3以上も減るような大幅な変更のときです。「1/2以上減少で解除できる」とする記述は、約款より小さい割合で解除できることになり誤りです。
数字はセットで覚えます。物価変動の代金変更請求は「12月経過後」、設計図書変更による解除は「2/3以上の減少」。1/2以上で解除と書いてあったら誤りです。
損害の負担と、現場に置く人の権限も問われます。
公共工事標準請負契約約款は、平成27年度から令和7年度まで、1級でほぼ毎年(No.20)問われています。引っかけは大きく3パターンです。
| 年度・級・No. | 問われ方/引っかけ |
|---|---|
| 1級 令和5年 No.20 | 設計図書に現場説明書・質問回答書を含まないとした → 含まれる ←②設計図書の範囲 |
| 1級 令和3年 No.20 | 設計変更で代金が1/2以上減少で解除できるとした → 2/3以上 ←①解除の数値 |
| 1級 令和7年 No.20 | 設計変更で代金が1/2以上減少で解除できるとした → 2/3以上(物価変動は12月経過後・保険付保は受注者)←①数値 |
| 1級 平成30年 No.20 | 現場代理人が代金変更・契約解除の権限を持つとした → 権限を持たない ←③現場代理人 |
つまり約款では設計図書の変更で代金が2/3以上減少したとき受注者が解除でき(1/2以上は誤り)、設計図書には現場説明書・質問回答書も含まれ、現場代理人は代金変更・契約解除の権限を持たない。数値・範囲・権限の取り違えが誤りです。各行は該当する過去問解説にリンクしています。
混同しやすい用語の整理
契約書は、当事者・請負代金額・工期など、その工事固有の事項を定めた書面です(記載事項は建設業法第19条)。約款は、変更・解除・検査・損害など、契約に共通する条件をあらかじめ標準化したものです。両者がそろって請負契約の内容になります。
現場代理人は、約款上、工事現場の運営・取締りを行う受注者の代理人で、契約金額の変更や解除の権限は持ちません。監理技術者(主任技術者)は、建設業法に基づき施工の技術上の管理を行う技術者です。根拠法と役割が異なります。
約款上、設計図書の変更で請負代金額が何分の何以上減少したとき、受注者は契約を解除できるか。
2/3(3分の2)以上減少したときです。「1/2以上」は誤りです。
物価変動を理由に請負代金額の変更を請求できるのは、契約からどれだけ経過した後か。
契約締結の日から12月を経過した後です。
約款上の「設計図書」に、現場説明書や質問回答書は含まれるか。
含まれます。図面・仕様書のほか、現場説明書・質問回答書も設計図書の一部です。
現場代理人は、請負代金額の変更や契約の解除の権限を持つか。
持ちません。現場代理人は工事現場の運営・取締りを行いますが、代金変更・契約解除は契約当事者(発注者・受注者)の権限です。
法規・契約のポイントは法規にまとめています。
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参考資料
※ この記事の法令確認日:2026年6月
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まちがえやすいポイント
約款のNo.20は、数値(12月・2/3)と「誰の権限か・誰の負担か」を1点ずらして誤り肢を作ります。「代金変更請求=12月経過後」「設計変更で2/3以上減少→受注者は解除可」「第三者損害=発注者、保険=受注者」をセットで覚えます。
現場代理人・主任技術者・監理技術者は現場の運営・施工管理を担いますが、代金や契約の根幹(変更・解除)を動かす権限は契約当事者(発注者・受注者)にあります。役割の線引きを押さえます。