けんせつる
設計図書が変更されて請負代金がガクッと減ったとき、受注者はどのくらい減ったら契約を解除できるの?
この記事の要点
令和7年度 1級建築施工管理技士 第一次検定 No.20は、公共工事標準請負契約約款に関する問題です。正解は選択肢2。受注者が設計図書の変更を理由に契約を解除できる閾値は「2分の1以上」ではなく3分の1以上です。
令和7年度 1級建築施工管理技士 第一次検定 No.20は、請負契約に関する問題です。公共工事標準請負契約約款の各条項から出題されています。
問題文は建設業振興基金が公開している公式PDFで確認できます。
この問題では、4つの記述のうち、誤っているものを選びます。
| 選択肢 | 正誤 | 解説 |
|---|---|---|
| 1 | ○(正しい) | 12月経過後の賃金・物価変動による請負代金額変更の請求は認められる |
| 2 | ×(誤り) | 設計図書変更による解除の閾値は3分の1以上(2分の1以上は誤り) |
| 3 | ○(正しい) | 施工に伴い通常避けられない騒音等による第三者への損害は原則として発注者負担 |
| 4 | ○(正しい) | 工事目的物・工事材料等への火災保険・建設工事保険等の付保義務は受注者にある |
選択肢2の「1/2以上」という記述が誤りで、正しくは1/3以上です。
公共工事標準請負契約約款の問題では、「どちらの側が何をできるか」と「数値の閾値はいくつか」を組み合わせて出題されることが多いです。
ここで押さえるべき核心は「受注者による解除権の発生条件」です。設計図書の変更によって請負代金が大幅に減少した場合、受注者が一方的に契約を継続させられるのは不合理です。そこで、1/3以上減少したときには受注者に解除権が認められているわけです。
「2分の1」と「3分の1」を混同しやすいのがこの条項の厄介なところですね。閾値が「3分の1」という比較的低い水準に設定されているのは、受注者保護の観点から理解できます。
賃金水準や物価水準の変動による請負代金額の変更請求に関する規定です。
公共工事標準請負契約約款では、工期内で請負契約締結の日から12月を経過した後に変動が生じた場合、発注者・受注者いずれからも相手方に対して請負代金額の変更を請求できます。
ザックリ言えば、物価が大きく上がったり下がったりしたとき、12か月のインターバルを置けば再交渉できるということです。
これが誤りを含む選択肢です。受注者による契約解除の条件を確認しましょう。
公共工事標準請負契約約款では、発注者が設計図書を変更したために請負代金額が3分の1以上減少したとき、受注者は直ちに契約を解除することができます。
「2分の1以上」では閾値が高すぎ、受注者にとって不利な条件になってしまいます。「1/2以上減少したとき」という記述は誤りで、正しくは1/3以上です。
工事の施工に伴う第三者への損害賠償に関する規定です。
騒音・振動・地盤沈下・地下水の断絶など、施工において通常避けることができない損害については、原則として発注者が負担します。
例えば、杭工事で近隣建物が傾くような場合、受注者が設計通りに施工していれば、その損害は発注者が負担するわけです。受注者の故意・過失による損害とは区別される点が重要です。
工事目的物や工事材料等に対する保険付保の義務に関する規定です。
受注者は、設計図書に定めるところにより、火災保険・建設工事保険その他の保険に付さなければなりません。
工事中の建物や資材は様々なリスクにさらされています。万一の事故や火災に備えて受注者が保険をかける義務を負う、というのがこの条項の趣旨なんです。
「設計図書変更で解除できる閾値」は、分数で覚えると確実です。
設計図書変更 → 1/3以上減少 → 受注者が解除できるという流れで頭に入れましょう。
「半分(1/2)減らないと解除できない」は受注者に厳しすぎる条件です。「3分の1(1/3)」という比較的早い段階で解除権が発生することを、受注者保護の観点とセットで覚えると忘れにくくなります。
公共工事標準請負契約約款において、発注者が設計図書を変更したために請負代金額が何分の1以上減少したとき、受注者は契約を解除できるか。
3分の1以上減少したときです。「2分の1以上」ではなく「3分の1以上」が正しい閾値です。
公共工事標準請負契約約款において、物価変動を理由に請負代金額の変更を請求できるのは、請負契約締結の日から何月を経過した後か。
12月(1年)を経過した後です。発注者・受注者いずれからも請求できます。
出典
※ この記事の確認日:2026年6月
正解:選択肢2
「請負代金額が1/2以上減少したときは解除できる」という記述が誤りです。公共工事標準請負契約約款では、設計図書の変更による請負代金額の減少が3分の1以上になったときに受注者は解除できると定めています。閾値を「2分の1以上」と高く設定しすぎると、受注者がかなり損をしないと解除できないことになってしまうわけです。