ゼロから学ぶ建築施工管理

  1. HOME
  2. 法規
  3. > 下請代金支払いのルールとは?建設業法が定める期日・手形規制を解説

下請代金支払いのルールとは?建設業法が定める期日・手形規制を解説

本ページはプロモーション(アフィリエイト広告)を含みます。

けんせつる

けんせつる

下請代金支払いのルールって何?どんな場面で使うの?

この記事の要点

下請代金の支払いルールとは、建設業法が下請業者を保護するために定めた、支払期日や支払方法の規制のことです。特定建設業者である元請は、下請業者から引渡しの申出があった日から起算して50日以内に下請代金を支払わなければなりません(建設業法第24条の6)。

割引困難な手形による支払いは禁止されています。発注者から工事代金を受領した場合は、1ヶ月以内に下請へ支払う義務があります。

建設業では、元請業者が下請業者への支払いを長期間引き延ばすことが問題になりやすい業界です。

こうした状況を防ぐため、建設業法は下請代金の支払いに関して具体的な期日・方法の規制を設けています。施工管理者も、支払いルールの基礎を把握しておきます。

これから受験する人は受験ガイド、教材選びはおすすめ参考書・過去問もどうぞ。

わかって合格る 1級建築施工管理技士 第一次検定 基本テキスト

テキスト本命わかって合格(うか)る 1級建築施工管理技士 第一次検定 基本テキスト

TAC出版/図解が多く全体像をつかみやすい定番。分野の用語は、この1冊で流れを押さえてから過去問に入ると解きやすくなります。

価格・在庫は各販売ページでご確認ください。1級2級の参考書・過去問の比較もどうぞ。

なぜ引渡し後50日以内に支払わなければならないか

特定建設業者は、下請業者から工事目的物の引渡しの申出があった日から起算して50日以内に下請代金を支払わなければなりません(建設業法第24条の6)。

ここで注意したいのは、起算日が「元請が実際に受け取った日」ではなく「下請業者が引き渡しを申し出た日」だという点です。元請が受領を引き延ばしても、申出日から50日のカウントは進みます。

50日以内という期限は、いかなる場合も守らなければならない絶対的な上限です。「発注者からの入金が遅れているから」という理由では延長できません。

項目内容
支払い期限引渡しの申出があった日から起算して50日以内
根拠条文建設業法第24条の6(割引困難な手形の禁止も同条)
対象特定建設業者が注文者となる下請契約の支払い

言い換えると、「工事が終わって引き渡したのに代金を50日以上待たされてはいけない」という下請保護の規定です。

下請代金の引渡し後50日以内支払い義務と1ヶ月以内ルールは、国土交通省近畿地方整備局の資料(下図)に示されています。

下請代金の支払い義務(引渡し後50日以内)と支払い方法の規制(国土交通省 近畿地方整備局)
出所:国土交通省 近畿地方整備局「適正な下請契約に向けて(令和5年11月改訂)」p.5 下請代金の引渡し後50日以内支払い義務と1ヶ月以内ルールの説明図

発注者から代金を受け取ったとき、いつまでに下請へ払わなければならないか

元請業者が発注者から工事代金を受領した場合は、受領した日から1ヶ月以内に下請業者に下請代金を支払わなければなりません(建設業法第24条の3第1項)。

つまり、「発注者から代金をもらってから1ヶ月以内」と「引渡しから50日以内」の両方の条件が適用されます。

いずれか早い期限に合わせて支払う必要があります。

例えば、引渡しから20日後に発注者から入金があった場合、その1ヶ月後(引渡しから50日以内の範囲)に支払えばよいということになります。

なぜ割引困難な手形での支払いは禁止されているか

元請業者は、下請業者に対して割引を受けることが困難な手形により下請代金を支払ってはなりません(建設業法第24条の6)。

「割引困難な手形」とは、支払期日が遠い(長期手形)等の理由で、受け取った業者が金融機関で現金化しにくい手形を指します。

手形は現金化するまでの間、下請業者の資金繰りを圧迫します。それを防ぐために、次のようなルールが定められています。

要は、「すぐ現金化できない手形を押しつけてはいけない」ということです。

独学で二次検定(施工経験記述)の書き方に不安があるなら、添削が受けられる独学サポート事務局の通信講座で早めにたたき台を用意しておくと安心です。

下請代金から勝手に差し引いてはいけない理由とは

元請業者は、次のような行為も建設業法違反となります。

禁止される一方的控除の例

なぜかというと、「払う側が強い立場を使って代金を減らす」という構造が、業界全体の健全性を損なうからです。

控除が必要な場合は、事前に契約書に明記する必要があります。

支払いルールを破ったとき、どうなるか

現場で支払いトラブルを防ぐために何をすべきか

起算は「受領日」ではなく「引渡しの申出日」

下請代金の支払いは引渡しの申出があった日から50日以内が法定要件です(建設業法第24条の6)。「元請が受け取ってから50日」と取り違えやすいのですが、起算は下請が引き渡しを申し出た日です。受領を先延ばしにしても期限は逃げられません。

手形払いは段階的に短縮・廃止が進んでおり、サイトは60日以内が指導の目安です。不当な代金減額・支払い遅延も建設業法違反になります。

下請代金の不払・遅延禁止と不当な資材購入強制の禁止の規定は、同資料(下図)に示されています。

下請代金の不払・遅延の禁止と不当な使用資材等の購入強制の禁止(国土交通省 近畿地方整備局)
出所:国土交通省 近畿地方整備局「適正な下請契約に向けて(令和5年11月改訂)」p.7 下請代金の不払・遅延禁止規定と不当な資材購入強制の禁止(建設業法第24条の6等)

混同しやすい用語の整理

50日以内 vs 1ヶ月以内

50日以内は「下請業者から引渡しの申出があった日から」の上限です。1ヶ月以内は「発注者から代金を受領した日から」の上限です。

発注者からの入金が早ければ1ヶ月以内が先に来る場合もあります。どちらも守る必要があります。

建設業法の支払い規制 vs 下請法の支払い規制

建設業では主に建設業法が下請代金の支払いを規制します。一般的な製造・サービス業では下請代金支払遅延等防止法(下請法)が適用されます。

建設業でも下請法が適用される場合がありますが、建設業法の規制が優先されます。

理解度チェック

Q.

建設業法が定める下請代金の支払い期日は「引渡しの申出があった日から起算して」何日以内か?

50日以内(建設業法第24条の6)。特定建設業者が対象。

Q.

元請業者が発注者から工事代金を受領した場合、何ヶ月以内に下請業者へ支払う義務があるか?

1ヶ月以内(建設業法第24条の3第1項)。

Q.

建設業法で禁止されている手形による支払い方法とはどのようなものか?

割引を受けることが困難な手形(長期手形等、現金化しにくい手形)による支払い。

Q.

国土交通省の通達で適正とされる手形のサイト(支払期日)は何日以内か?

60日以内

Q.

下請代金支払い遅延に対して建設業法が定める行政指導の根拠条文は?

建設業法第41条(指導・勧告)。

Q.

「引渡し後50日以内」と「発注者受領後1ヶ月以内」のどちらが先に来る場合に支払うべきか?

いずれか早い方の期限に合わせて支払う必要がある。

まとめ

建設業法とは?施工管理で見る基本を確認する

一括下請負(丸投げ)の禁止とは?を確認する

法規の施工管理ポイントは法規にまとめています。

1級建築施工管理 第一次検定 問題解説集

過去問本命1級建築施工管理 第一次検定 問題解説集

地域開発研究所/用語を覚えたら過去問演習で定着。解説が丁寧な正統派。2級は2級のおすすめ参考書から。

独学がきつい・第二次の経験記述に不安があるなら、添削まで付く通信講座も選択肢です。経験記述の添削・独学サポート事務局を見る内容と料金の解説

独学の教材は1級のおすすめ参考書・過去問に、試験のしくみ・勉強法は受験ガイドにまとめています。

参考資料

・建設業法(昭和24年法律第100号)

・建設業法施行令(昭和31年政令第273号)

・国土交通省 建設業法のページ

資格を取ったら、次はキャリアと年収

施工管理は人手不足で売り手市場です。今の待遇に不満があるなら、建設業界に強い転職エージェントに相談だけでもしておくと、自分の市場価値と選択肢が見えます。

建設業界専門の転職エージェント【RSG建設転職】▶

登録・相談は無料

独学で合格をめざすなら

使うテキスト・過去問で迷ったら、定番をまとめたこちらもどうぞ。

けんせつる

この記事を書いた人

ハナダユキヒロミツメラボ

設計事務所に7年勤務し、建築構造設計に従事。設計者として施工図確認・工程会議・検査立会いなど施工管理と協働してきた経験と、公共建築工事標準仕様書・JASS等の一次資料をもとに執筆しています。

「建築学生が学ぶ構造力学」(kentiku-kouzou.jp)を2010年より運営。著書「わかる構造力学」(工学社)。

経験記述の添削・通信講座

独学がきつい、第二次の経験記述が不安。そんな人は添削まで付く通信講座も選択肢です。

独学サポート事務局を見る ▶

内容・料金は公式で確認

けんせつる

けんせつる

施工管理の用語・過去問・受験ガイドを、初心者向けにやさしく案内します。

Topへ >>