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モルタル塗りの塗り厚規定と養生期間【1回6mm・14日以上】

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けんせつる

けんせつる

モルタルって一度に厚く塗れないの?養生は何日待てばいいの?

この記事の要点

モルタル塗りは、1回の塗り厚が標準6mm・最大7mm以下に制限されています。下塗り後は14日以上の養生が必要です。一度に厚く塗ると乾燥収縮によるひび割れが発生するため、複数工程に分けて施工するのが基本です。

左官工事のモルタル塗りは「ただ塗り重ねればいい」ものではありません。1回あたりの塗り厚と養生期間には明確な規定があり、これを守らないとひび割れや剥離が起きてしまいます。

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なぜモルタル塗りは複数回に分けるのか

モルタルは水とセメントと骨材(砂)を混ぜたもので、乾燥するときに収縮します。一度に厚く塗ると、内部と表面の乾燥速度の差が大きくなり、乾燥収縮によるひび割れが発生しやすくなります。

言い換えると、「急いで一気に塗ると必ずひび割れる」ということです。そのため、少しずつ塗り重ねて、それぞれの層を十分に乾燥・硬化させることが施工の基本になります。

例えば、外壁の仕上げ塗りで20mmの厚さを確保したい場合でも、1回の施工で20mm塗るのではなく、下塗り・むら直し・中塗り・上塗りと4段階に分けて施工していきます。

1回の塗り厚の規定(標準6mm・最大7mm以下)

1回の塗り厚の標準は6mm、最大でも7mm以下というのがモルタル塗りの基本ルールです。

7mmを超えると乾燥収縮によるひび割れリスクが高まり、塗り層の自重による垂れ・落下の危険も増します。1回で厚く塗れば工程が減って効率的」という考えは誤りで、かえってやり直し工事が発生します。

施工管理では、1回ごとの塗り厚を確認するためにゲージやスケールで実測することが重要です。

塗り厚の区分 数値 備考
標準塗り厚(1回) 6mm 均一に仕上げやすい基本値
最大塗り厚(1回) 7mm以下 これを超えるとひび割れ・垂れのリスク大
総塗り厚(外壁) 25mm以下が目安 部位・仕様によって異なる

下塗り後の養生期間(14日以上)とその理由

下塗り後の養生期間は14日以上必要です。この期間はモルタルの水和反応(セメントが水と化学反応して硬化する過程)が進み、収縮が落ち着いていく時間です。

14日経過せずに次工程(中塗りや上塗り)に進むと、下塗りがまだ動いている状態に上塗りを重ねることになります。そうすると、下塗りの収縮に引っ張られる形で上層にもひび割れが出たり、層間の付着が弱くなったりします。

「7日くらいでも大丈夫だろう」という判断は禁物です。養生期間の短縮は品質不良の原因になります。

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モルタル塗り工程の順番

モルタル塗りは下塗りから上塗りまで基本4工程に分けて施工します。

工程 内容 管理ポイント
①下塗り 下地に直接塗る最初の層 下地との付着性・均一な厚さ
②むら直し 下塗りの不陸(凹凸)を補正 下塗り後14日以上養生してから実施
③中塗り 厚さと平滑さを整える中間層 1回の塗り厚7mm以下の確認
④上塗り 仕上げ面をつくる最終工程 仕上げ肌・平滑度・不陸の確認

施工管理の視点では、工程間の養生期間の記録と、各工程の塗り厚の実測記録が重要になります。

総塗り厚の考え方

総塗り厚とは、下塗りから上塗りまですべての層を合計した厚さのことです。

外壁のモルタル仕上げでは、総塗り厚は25mm以下が目安とされています(部位・仕様によって変わります)。

平たくいえば、「全部の層を足しても25mmを超えないように管理する」ということです。1回7mm以下なので、3回塗りでも21mm程度ですが、通常は各層6mm程度×3~4回で20~24mmに収めることが多いです。

総塗り厚が設計値に合っているかどうかは、仕上げ完了後に測定できないことも多いため、各工程での測定記録を残しておくことが施工管理の基本です。

過去問でどう問われたか

セメントモルタル塗りは、令和5年から令和7年まで1級・2級ともほぼ毎年出題されています。誤りの選択肢はいずれも調合(セメントと砂の割合)の取り違えで、引っかけは大きく2パターンです。

調合は、セメントが多いものを富調合、砂が多いものを貧調合と呼びます。富調合は付着力が高く強い反面、乾燥収縮が大きくひび割れやすい性質があります。

年度・級・No. 問われ方/引っかけ
1級 令和7年 No.55 下塗りの調合を「セメント1:砂3」とした → 下塗りは富調合のセメント1:砂2.5。1:3は砂が多く付着力が不足 ←①下塗りの調合
1級 令和5年 No.35 下塗りの調合を「1:3」とした → 富調合の1:2.5が正。砂が多いと下地への食いつきが弱る ←①下塗りの調合
2級 令和6年前期 No.40 上塗りを下塗りより「富調合」とした → 表面の上塗りほど貧調合が正。富調合は乾燥収縮でひび割れやすい ←②調合の向き

つまり下塗りは富調合(セメント1:砂2.5)、表面の上塗りほど貧調合にする。この向きを逆にした記述が誤りです。各行は該当する過去問解説にリンクしています。

管理人コメント|けんせつる

養生期間の管理は工程管理と連動しているので、最初から「下塗り後14日間は次工程に入れない」という前提でバーチャート(工程表)を組む必要があります。

現場で工期が逼迫すると「1週間でいいか」という判断が出やすいのですが、養生期間不足によるひび割れは後工程での補修コストが大きく、結局工期を食います。最初から正しい工程を組むことが大切です。

混同しやすい用語の整理

モルタル塗り と セルフレベリング材

モルタル塗りは左官職人が手で塗り重ねる工法で、複数回の施工と養生が必要です。セルフレベリング材は流動性の高い材料を床に流し込んで自重で水平面をつくる工法で、1回施工・短時間硬化が特徴です。

塗り厚や養生期間の管理内容が根本的に異なります。

モルタル塗り と 石膏プラスター

モルタルはセメント系材料で、外壁・水まわりなど耐水性が求められる部位に使います。石膏プラスターは石膏系材料で、内壁・天井の内装仕上げに使われますが水には弱いです。

養生期間・塗り厚の管理数値も異なります。

下塗りの養生期間(14日)と コンクリート養生

モルタル下塗りの養生14日はセメント系素材の収縮が落ち着くまでの期間です。コンクリートの養生期間とは目的も管理方法も異なります。

「養生=水をかける」というイメージはコンクリート養生のもので、左官の養生は「次工程に入るまで触れないで放置する」という意味合いが強いです。

理解度チェック

Q.

モルタル塗りの1回の塗り厚として、標準的な数値はいくつか。

6mm(最大7mm以下)。一度に厚く塗ると乾燥収縮によるひび割れが発生します。

Q.

モルタル下塗り後、次工程(むら直し・中塗り)に入るまでの養生期間はどれくらいか。

14日以上。7日程度では収縮が落ち着かず、上塗りとの層間にひび割れが生じるリスクがあります。

Q.

モルタル塗りの工程の順番を答えよ。

下塗り → むら直し → 中塗り → 上塗りの4工程が基本。各工程で塗り厚と養生期間を管理することが品質確保の鍵です。

まとめ

左官工事の種類と特徴

モルタルとコンクリートの違い

タイル工事の施工管理ポイント

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参考資料

  • 公共建築工事標準仕様書(建築工事編)国土交通省大臣官房官庁営繕部
  • JASS 15 左官工事(日本建築学会)
  • 建築工事監理指針(国土交通省)

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けんせつる

この記事を書いた人

ハナダユキヒロミツメラボ

設計事務所に7年勤務し、建築構造設計に従事。設計者として施工図確認・工程会議・検査立会いなど施工管理と協働してきた経験と、公共建築工事標準仕様書・JASS等の一次資料をもとに執筆しています。

「建築学生が学ぶ構造力学」(kentiku-kouzou.jp)を2010年より運営。著書「わかる構造力学」(工学社)。

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