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令和5年度 1級建築施工管理技士 No.35を解説、モルタル塗りと下塗りの富調合

けんせつる

けんせつる

下塗りのモルタルって、セメントを多めにするんだっけ、少なめにするんだっけ?

この記事の要点

令和5年度 1級建築施工管理技士 第一次検定 No.35は、内壁コンクリート下地のセメントモルタル塗りに関する問題です。正解は選択肢2。下塗りは付着力を確保するため富調合(セメント:砂=1:2.5)とします。

令和5年度 1級建築施工管理技士 第一次検定 No.35は、内壁コンクリート下地のセメントモルタル塗りに関する問題です。

問題文は建設業振興基金が公開している公式PDFで確認できます。

この問題では、4つの記述のうち、最も不適当なものを選びます。

正解:選択肢2

下塗りは下地に食いつかせる役目なので、セメントを多めにした富調合(1:2.5)とするんです。セメントが多いほど付着力が上がるわけです。選択肢2の「セメント:砂=1:3」は富調合になっておらず、付着力の点で不適当ということです。

各選択肢の正誤

選択肢 正誤 解説
1 ○(正しい) 下塗りは吸水調整材の塗布後、乾燥を確認してから行う
2 ×(誤り) 下塗りは付着力確保のため富調合とする(セメント:砂=1:2.5
3 ○(正しい) 硬化が確認できたため放置期間を14日間より短縮した
4 ○(正しい) 中塗り・上塗りの塗厚を均一にするため下塗りの後にむら直しを行う

選択肢2は、下塗りの調合をセメント:砂=1:3とした部分が誤りで、下塗りは富調合のセメント:砂=1:2.5とします。

この問題のポイント

この問題のポイントは、モルタル塗りの層ごとの役割を理解しているかということです。

モルタル塗りは、下塗り・中塗り・上塗りと層を重ねます。それぞれ役割が違うため、調合も変えるんです。

下塗りは下地への食いつきが最優先なので、セメントを多めにした富調合にします。中塗り・上塗りはひび割れを抑えたいので、下塗りより砂を多めにします。

「下塗りはくっつける、上塗りはひび割れさせない」という役割で読むと、選択肢2の調合に違和感が出てくるでしょう。

選択肢1

下塗りを行うタイミングについての記述です。

吸水調整材は、下地がモルタルの水を吸いすぎるのを抑える材料です。

塗布後に乾燥を確認してから下塗りを行うのは標準的な手順です。乾く前に塗ると効果が出ません。よってこの記述は正しいということです。

選択肢2

これが誤りを含む選択肢です。下塗り用モルタルの調合についての記述ですね。

下塗りはコンクリート下地に直接接する層で、上に重ねる層をしっかり支えるための食いつきが求められます。

付着力はセメントが多いほど高まるため、下塗りはセメントを多めにした富調合(容積比でセメント:砂=1:2.5)とします。

問題文の「セメント:砂=1:3」は富調合になっておらず、これは中塗り・上塗り側の調合です。下塗りの調合としては付着力が不足し、誤りということです。

例えば下塗りで砂を多くしてしまうと、下地への食いつきが弱まり、後から浮きや剥離につながるわけです。

選択肢3

下塗り後の放置期間についての記述です。

下塗りの後は、ひび割れを十分に発生させてから次の層に進むため、ある程度の放置期間を取ります。標準は14日間程度です。

モルタルの硬化が確認できた場合に放置期間を14日間より短縮するのは、管理上認められる対応です。よってこの記述は妥当ということです。

選択肢4

下塗りの後に行うむら直しについての記述です。

下地に凹凸があると、中塗りや上塗りの塗厚が不均一になります。

そこで下塗りの後にむら直しを行い、面を整えてから次の層に進みます。これは妥当な手順です。よってこの記述は正しいということです。

覚え方

モルタルの調合は、「下塗りは富調合、くっつき優先」と覚えておきましょう。

下塗りはセメント多めの富調合で下地に食いつかせる。砂が多い1:3は中塗り・上塗り側なので、下塗りに出てきたら逆だと気づけるわけです。

下塗り=下地への付着力が命=セメント多めの富調合(1:2.5)という順番でつなぐと、本番で迷わなくなるでしょう。

一問一答

Q.

セメントモルタル塗りの下塗りを富調合にするのはなぜか。

下地への付着力を確保するためです。セメントが多いほど付着力が高まるため、容積比でセメント:砂=1:2.5の富調合とします。

Q.

吸水調整材を塗布した後、いつ下塗りを行うか。

吸水調整材の乾燥を確認してから行います。乾く前に塗ると吸水を抑える効果が出ません。

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出典

  • 一般財団法人 建設業振興基金「令和5年度 1級建築施工管理技術検定 第一次検定 問題」
けんせつる

この記事を書いた人

ハナダユキヒロミツメラボ

設計事務所に7年勤務し、建築構造設計に従事。設計者として施工図確認・工程会議・検査立会いなど施工管理と協働してきた経験と、公共建築工事標準仕様書・JASS等の一次資料をもとに執筆しています。

「建築学生が学ぶ構造力学」(kentiku-kouzou.jp)を2010年より運営。著書「わかる構造力学」(工学社)。

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