けんせつる
防火戸って何?どんな場面で使うの?
この記事の要点
防火戸は防火区画の開口部に設け、常時閉鎖型(常に閉鎖)と随時閉鎖型(火災時に感知器連動で自動閉鎖)の2種類があります。
防煙垂壁は天井面から50cm以上垂れ下がって煙の流れを遮る設備です。感知器連動の可動式と固定式があります。
建物の火災時に煙と炎の拡大を防ぐための設備が防火戸です。
常時閉鎖型と随時閉鎖型という2種類があり、それぞれ設置場所・動作方法が異なります。施工管理者は防火戸の種類・設置基準・動作確認の方法を把握しておきます。
防火戸は、建築基準法の防火区画に設ける開口部の防火設備です。建物が火災になった際に、防火区画の開口部から煙・炎が隣の区画に広がるのを防ぎます。
防火区画とは、建物を一定の面積・用途・階で区切り、火災の拡大を防ぐための壁・床・防火設備の組み合わせです。防火区画の開口部には防火戸などの防火設備を設ける必要があります。
ザックリ言えば、「火災時に延焼を遮断するための扉で、建築基準法上の特定防火設備または防火設備に分類される」ということです。
常時閉鎖型防火戸とは、通常時も常に閉じた状態を保つ防火戸です。ドアクローザーによって自動的に閉まる構造になっており、開けたら自動で閉まります。
主に人の通行が少ない場所(EV機械室・電気室・倉庫等の出入口)に設置されます。常に閉まっているため、開放状態で維持管理されていると法令違反になります。
随時閉鎖型防火戸とは、通常時は開けた状態で使用でき、火災時に自動で閉鎖する防火戸です。煙感知器または熱感知器と連動して、火災が検知されると自動で閉鎖します。
主に人の通行が多い場所(廊下・階段室の出入口等)に設置されます。ここは混乱しやすいところですね。
| 項目 | 常時閉鎖型 | 随時閉鎖型 |
|---|---|---|
| 通常時の状態 | 常に閉鎖 | 開放でも可 |
| 閉鎖のタイミング | 常時 | 火災時(感知器連動) |
| 閉鎖機構 | ドアクローザー | 電磁保持装置+感知器 |
| 主な設置場所 | 通行が少ない区画開口部 | 通行が多い廊下・階段室等 |
「常時」は「通常時から常に」、「随時」は「必要なとき(火災時)に」と押さえておきましょう。
防煙垂壁は、天井から垂れ下がって煙の流れを遮る設備です。建築基準法で求められる防煙区画を形成するために使われます。
ガラス製・不燃材料製などがあります。
防煙垂壁は煙感知器と連動して天井から降下する可動式(防煙スクリーン)と、常時固定されている固定式があります。
防煙垂壁の設置高さは天井面から50cm以上の垂れ下がりが必要です(建築基準法施行令)。
防火戸・防煙設備の設置状況が確認される完了検査の手続きの流れは、国土交通省の資料(下図)に示されています。
混同しやすい用語の整理
常時閉鎖型は「いつも閉まっている」。随時閉鎖型は「火災時に自動で閉まる」。
「常時」は「通常時から常に」、「随時」は「必要なとき(火災時)に」です。
防火戸は防火区画の開口部に設ける扉(面状の設備)で、炎・煙の通過を防ぎます。防煙垂壁は天井から垂れ下がって煙の水平移動を遮る設備です。
どちらも煙・炎を防ぐ設備ですが、形状・役割が異なります。
通常時は開放できるが火災時に感知器と連動して自動閉鎖する防火戸の種類は?
随時閉鎖型防火戸。
常時閉鎖型防火戸で扉が確実に閉まるための機構は?
ドアクローザー。
防煙垂壁の天井面からの垂れ下がり高さの下限は?
50cm以上(建築基準法施行令)。
> LGS下地を確認する
> ランナーとスタッドを確認する
仕上げ・内装工事の施工管理は仕上げ・内装にまとめています。
参考法令・規格
※ この記事の法令確認日:2026年5月
管理人からのコメント
防火戸の設置後は竣工前に感知器連動の作動テストを実施し、記録写真を残すことが基本です。常時閉鎖型はドアクローザーが経年劣化で弱まると確実に閉まらなくなるため、閉鎖速度と最終位置の確認も行いましょう。
防火戸の前後に可燃物を置くと閉鎖を妨げるため、作業員への周知徹底が必要ですね。防煙垂壁の高さは50cm以上の確保を実測で確認しましょう。