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令和7年度 1級建築施工管理技士 No.63を解説、主要構造部耐火構造で1500m²超の面積区画は準耐火ではなく耐火構造の床・壁

けんせつる

けんせつる

耐火建築物の面積区画って、準耐火構造の床・壁で区画してもいいんだっけ?

この記事の要点

令和7年度 1級建築施工管理技士 第一次検定 No.63は、建築基準法の防火・区画に関する問題です。正解は選択肢4。主要構造部を耐火構造とした建築物の面積区画(1,500m²超)に使う床・壁は、準耐火構造ではなく耐火構造でなければなりません。

令和7年度 1級建築施工管理技士 第一次検定 No.63は、建築基準法における防火・区画に関する問題です。

問題文は建設業振興基金が公開している公式PDFで確認できます。

この問題では、4つの記述のうち、誤っているものを選びます。

正解:選択肢4

主要構造部を耐火構造とした建築物で延べ面積が1,500m²を超える場合、面積区画に使う床・壁は耐火構造でなければなりません。

「1時間準耐火基準に適合する準耐火構造」で足りるという記述が誤りです。耐火建築物の区画は、建物本体と同等の耐火性能を求めるわけです。

各選択肢の正誤

選択肢 正誤 解説
1 ○(正しい) 窓のない事務室はその区画の主要構造部を耐火構造または不燃材料で造る義務がある
2 ○(正しい) 共同住宅の界壁貫通部の隙間は準不燃材料で埋める規定がある
3 ○(正しい) 11階以上で各階100m²超の部分は100m²ごとに耐火構造の床・壁または防火設備で区画する
4 ×(誤り) 耐火構造の建築物で1,500m²超の面積区画は、準耐火構造ではなく耐火構造の床・壁が必要

選択肢4の「1時間準耐火基準に適合する準耐火構造とした床若しくは壁」という記述が誤りで、正しくは耐火構造の床または壁が必要です。

この問題のポイント

この問題で問われているのは、「面積区画に使う床・壁の耐火性能は、建物の主要構造部の耐火性能に合わせる」という原則です。

建築基準法施行令第112条の面積区画規定では、主要構造部が耐火構造である建築物については、区画に使う床・壁も耐火構造であることが求められます。

ここは混乱しやすいところですね。「1時間準耐火基準」という表現が出てくると正しそうに見えてしまうんです。

整理すると、主要構造部が準耐火構造の場合は1時間準耐火基準に適合する準耐火構造の床・壁での区画でよいのですが、主要構造部が耐火構造の場合はそれより上位の耐火構造の床・壁が必要になるわけです。

ザックリ言えば、「建物が耐火なら区画も耐火、準耐火なら1時間準耐火」という対応関係で覚えるのがいちばんシンプルです。

選択肢1

建築基準法第35条の3の規定です。政令で定める窓その他の開口部を有しない居室については、その居室を区画する主要構造部を耐火構造とするか、不燃材料で造る義務があります。

事務所の事務室で採光・換気のための窓が一切ない場合がこれに該当するわけです。

例えば、地下に設けた窓のない会議室などでは、壁・床・天井を耐火構造または不燃材料で仕上げる必要があります。この記述は正しいということです。

選択肢2

共同住宅の界壁は、上下階または隣戸との遮音・防火のために重要な構造体です。

この界壁を給水管が貫通する場合、管と界壁との隙間を準不燃材料で埋める必要があります。これは建築基準法施行令第114条の規定によるものです。

なんとなくイメージできましたか。要するに貫通部をしっかり塞ぐことで、界壁の防火性能を維持するという考え方です。

選択肢3

建築基準法施行令第112条第7項の規定です。建築物の11階以上の部分で各階の床面積の合計が100m²を超えるものは、床面積の合計100m²以内ごとに耐火構造の床・壁または防火設備で区画しなければなりません。

11階以上は高層部分であり、消火活動が困難になります。そのため、より細かく区画して延焼を防ぐという趣旨なんです。

この記述は正しいということです。

選択肢4

これが誤りの選択肢です。建築基準法施行令第112条第1項の面積区画の規定を確認しましょう。

主要構造部を耐火構造とした建築物で延べ面積が1,500m²を超えるものは、原則として床面積の合計1,500m²以内ごとに区画する必要があります。

このとき使用する床・壁は、「1時間準耐火基準に適合する準耐火構造」ではなく耐火構造でなければなりません。

1時間準耐火基準に適合する準耐火構造とした床若しくは壁」という記述は誤りです。耐火建築物の区画を準耐火構造の床・壁で済ませることはできないわけです。

覚え方

面積区画の床・壁に求められる耐火性能は、建物の主要構造部の耐火性能と対応しています。

耐火構造の建物 → 区画の床・壁も耐火構造 準耐火構造の建物 → 区画の床・壁は1時間準耐火基準という対応で覚えましょう。

試験では「準耐火基準」というキーワードが正しそうに見せるための引っかけとして使われます。耐火建築物が出てきたら「区画も耐火」と反射的に確認する習慣をつけると間違えにくくなるわけです。

一問一答

Q.

主要構造部を耐火構造とした建築物で延べ面積が1,500m²を超えるものの面積区画に使う床・壁は、どのような耐火性能が必要か。

耐火構造の床・壁が必要です。1時間準耐火基準に適合する準耐火構造では不足です。

Q.

建築基準法上、建築物の11階以上で各階の床面積合計が100m²を超える部分は、何m²以内ごとに区画が必要か。

100m²以内ごとに、耐火構造の床・壁または防火設備で区画する必要があります。

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出典

  • 一般財団法人 建設業振興基金「令和7年度 1級建築施工管理技術検定 第一次検定 問題」
けんせつる

この記事を書いた人

ハナダユキヒロミツメラボ

設計事務所に7年勤務し、建築構造設計に従事。設計者として施工図確認・工程会議・検査立会いなど施工管理と協働してきた経験と、公共建築工事標準仕様書・JASS等の一次資料をもとに執筆しています。

「建築学生が学ぶ構造力学」(kentiku-kouzou.jp)を2010年より運営。著書「わかる構造力学」(工学社)。

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