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避雷設備とは?高さ20m超の設置義務と受雷部・引下げ導線・接地極の施工管理

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けんせつる

けんせつる

避雷針って、どのくらい高い建物に付けるの?

受けた雷は、どうやって地面に逃がしてるの?

この記事の要点

避雷設備とは、落雷を安全に受けとめ、その電流を建物に被害を与えずに大地へ流すための設備です。

  • 設置義務:建築基準法第33条で高さ20mを超える建築物に必要。危険物倉庫は消防法で指定数量の10倍以上などの条件で必要(量・高さに関係なく一律ではない)。
  • 構成受雷部(雷を受ける)→引下げ導線(電流を下ろす)→接地極(大地へ流す)の3つで成り立つ。
  • 受雷部の保護法:保護角法・回転球体法・メッシュ法を、保護レベルに応じて選ぶ(JIS A 4201)。

まず、避雷設備が「雷をどう受けて、どこへ流すのか」を1枚の図で押さえます。

避雷設備の構成の模式図。屋上の受雷部で雷を受け、引下げ導線で下ろし、地中の接地極から大地へ流す
位置関係をイメージでつかむための模式図(形・寸法・比率は実物どおりではありません)。雷は受雷部で受け、引下げ導線を通して下ろし、接地極から大地へ流す、という上から下への流れだけを示しています。

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避雷設備とは?高さ20mを超える建築物に必要

避雷設備は、落雷の電流を受雷部で受けとめ、引下げ導線と接地極を通して大地へ安全に逃がす設備です。

雷をゼロにする設備ではありません。高い建物に集中しやすい落雷を、決まった経路に導いて建物・人を守る、という考え方です。

設置が必要になる条件は、2つの法律に分かれています。

ここで大切なのは、危険物倉庫は量や高さに関係なく一律に必要なわけではない点です。指定数量の倍数などの条件を満たすときに必要になります。

数値の覚え方はシンプルです。建築物は高さ20m超で必要・15mではない。危険物は条件しだい(無条件ではない)。試験はこの2点を入れ替えて誤りの肢を作ります。

避雷設備の構成(受雷部・引下げ導線・接地極)

外部の雷保護システムは、次の3つの部分でできています。雷が流れる順に並べると分かりやすいです。

部分役割主な構成
受雷部雷を受けとめる突針・水平導体・メッシュ導体・構造体利用受雷部(手すり・ガイドレール等)
引下げ導線電流を地上へ下ろす専用導線、または鉄骨・鉄筋を使う構造体利用引下げ導線
接地極大地へ流して拡散A型(放射状・垂直・板状)/B型(環状・基礎・網状)

鉄骨造の鉄骨や、RC造の鉄筋は電気的に連続した導体として使えるため、構造体利用の引下げ導線として雷電流を地中へ導く経路に利用できます。専用の導線をすべて新設しなくてよい、という考え方です。

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受雷部の保護法(保護角法・回転球体法・メッシュ法)

受雷部をどこに・どの高さに置くかは、保護レベル(要求される保護の度合い)に応じて、次の3つの手法から選んで設計します(JIS A 4201)。

保護角法には高さの限界があり、受雷部上端の地上高さが、保護レベルⅠで20m、Ⅱで30m、Ⅲで45m、Ⅳで60mを超える部分には使えません。その部分は回転球体法かメッシュ法で保護します。

施工管理で何を確認するか

避雷設備の施工管理では、雷電流が確実に大地まで流れる経路ができているかを確認します。

過去問でどう問われたか

避雷設備は、平成30年度から令和6年度まで、1級でくり返し問われています。引っかけは大きく2パターンです。

年度・級・No. 問われ方/引っかけ
1級 平成30年 No.17 危険物倉庫は貯蔵量・高さにかかわらず必要とした → 指定数量の倍数等の条件による ←②危険物
1級 令和2年 No.17 設置義務を「高さ15m超」とした → 高さ20m超 ←①高さ
1級 令和4年 No.17 危険物倉庫は量・高さにかかわらず必要とした → 指定数量を超える場合に必要 ←②危険物
1級 令和6年 No.17 設置義務を「高さ15m超」とした → 高さ20m超 ←①高さ

つまり避雷設備は高さ20mを超える建築物に必要(15mは誤り)、危険物倉庫は量・高さに関係なく一律ではなく指定数量の倍数などの条件による。高さと危険物の条件の取り違えが誤りです。各行は該当する過去問解説にリンクしています。

まちがえやすいポイント

避雷設備のNo.17は、毎回ほぼ同じ2点(高さ20m・危険物の条件)で誤りの肢を作ってきます。高さは「20m超・15mではない」、危険物は「無条件ではなく条件しだい」とセットで覚えるのが近道です。

もう一つ、正しい肢として「鉄骨・鉄筋を構造体利用の引下げ導線にできる」「受雷部は保護レベルに応じて配置する」がくり返し出ます。これらは正しい記述として押さえておきます。

混同しやすい用語の整理

受雷部 と 引下げ導線

受雷部は、屋上で雷を受けとめる部分(突針・水平導体・メッシュなど)です。引下げ導線は、受雷部が受けた電流を地上の接地極まで下ろす導体で、鉄骨・鉄筋を使う構造体利用引下げ導線もあります。受ける部分と、下ろす部分で役割が分かれます。

建築基準法 と 消防法(避雷設備の根拠)

建築物の避雷設備は建築基準法第33条(高さ20m超)が根拠です。危険物施設の避雷設備は消防法令(指定数量の倍数などの条件)が根拠で、別の法律が要求しています。どちらが問われているかで判断が変わります。

理解度チェック

Q.

建築基準法で避雷設備の設置が義務付けられる建築物の高さは、何mを超える場合か。

答えを見る

高さ20mを超える場合です(建築基準法第33条)。「15m超」は誤りです。

Q.

危険物を貯蔵する倉庫には、量や高さにかかわらず必ず避雷設備が必要か。

答えを見る

必ずではありません。消防法令で、指定数量の10倍以上などの条件に当たる場合に必要になります。

Q.

鉄骨造の鉄骨やRC造の鉄筋は、避雷設備の引下げ導線として利用できるか。

答えを見る

利用できます。電気的に連続した導体として扱え、構造体利用の引下げ導線として雷電流を地中へ導く経路に使えます。

Q.

受雷部の保護範囲を決める3つの手法は何か。

答えを見る

保護角法・回転球体法・メッシュ法です。保護レベルに応じて選びます。保護角法は受雷部上端が一定の高さを超える部分には使えません。

まとめ

設備工事の施工管理全体は設備の施工管理にまとめています。

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参考資料

  • 建築基準法 第33条(避雷設備)
  • 危険物の規制に関する政令(消防法令・指定数量の倍数による避雷設備)
  • JIS A 4201(建築物等の雷保護)

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けんせつる

この記事を書いた人

ハナダユキヒロミツメラボ

設計事務所に7年勤務し、建築構造設計に従事。設計者として施工図確認・工程会議・検査立会いなど施工管理と協働してきた経験と、公共建築工事標準仕様書・JASS等の一次資料をもとに執筆しています。

「建築学生が学ぶ構造力学」(kentiku-kouzou.jp)を2010年より運営。著書「わかる構造力学」(工学社)。

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