けんせつる
JIS規格って何?建築工事のどんな場面で出てくるの?
この記事の要点
JIS規格(日本産業規格)は、産業標準化法に基づく日本の国家規格です。2019年に「日本工業規格」から現在の名称に改称されました。
建築工事では、コンクリート・鉄筋・タイル・ガラス・シーリング材など多くの建材にJIS規格が定められています。仕様書でJIS品が指定されている場合、施工管理者はJIS規格品であることを確認して搬入・使用します。
建築工事の仕様書をめくると、「JIS A 5308に適合するものを使用すること」のような記載が随所に出てきます。
これは使う材料の品質基準をJIS規格で指定しています。施工管理者はその規格が何を意味するのかを理解した上で、材料検収の際に確認する責任があります。
JIS規格は、産業標準化法(旧:工業標準化法)に基づいて制定される日本の国家規格です。
製品の品質・性能・試験方法・寸法などを統一することで、製品の互換性確保・品質の安定・取引の公正化を目的としています。
ザックリ言えば、「メーカーが違っても同じJIS番号なら同じ品質・性能を持つことを保証する規格」です。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 正式名称 | 日本産業規格(Japanese Industrial Standards) |
| 根拠法 | 産業標準化法 |
| 制定・改定主体 | 経済産業省(日本産業標準調査会 JISC が審議) |
| 改称 | 2019年7月「日本工業規格」から「日本産業規格」に改称 |
| JISマーク | JIS規格に適合することを第三者機関が認証した製品に表示できる任意表示 |
JIS規格はアルファベット1文字の部門記号で分類されています。建築工事に関係する主な部門を整理しましょう。
| 部門記号 | 対象分野 | 建築での主な適用例 |
|---|---|---|
| JIS A | 土木・建築 | レディーミクストコンクリート(A 5308)、砕石・砂利、コンクリートブロック、タイル、ガラス等 |
| JIS G | 鉄鋼 | 鉄筋コンクリート用棒鋼(G 3112)、一般構造用圧延鋼材(G 3101)、形鋼等 |
| JIS R | 窯業・関連化学工業 | 陶磁器質タイル(R 2504)、耐火れんが等 |
| JIS B | 一般機械 | ボルト・ナット・ねじ類 |
| JIS K | 化学 | シーリング材(K 6909)、塗料・接着剤類 |
| JIS C | 電気・電子 | 電線・ケーブル、スイッチ類 |
建築工事で最も頻繁に参照されるのは、JIS A(土木・建築)とJIS G(鉄鋼)です。
施工管理者として、JIS規格品を確認する方法は主に2つです。
要は、「JISマークか試験成績書で確認する。どちらもなければ受け入れ前に確認を求める」ということです。
工事仕様書には「JIS〇〇〇〇に適合するものを使用すること」という指定が数多く書かれています。
この指定を守ることは施工者の義務であり、JIS規格外品を使用すると契約不適合として扱われるリスクがあります。
混同しやすい用語の整理
JISは日本国内の国家規格(産業標準化法に基づく)です。ISOは国際標準化機構が制定する国際規格です。
JISとISOは整合化が進んでおり、「JIS規格がISO規格と同等の内容」の場合は規格番号に「ISO準拠」と記されることがあります。国際取引では ISOが、国内工事仕様書ではJISが基準として使われることが多いです。
JISは工業製品(金属・コンクリート・化学品等)が対象です。JAS(日本農林規格)は農林水産物・食品・林産品が対象で、建築では木材・合板・集成材に適用されます。
「木材の品質はJAS、コンクリートや鉄鋼はJIS」と覚えておくと整理しやすいことになります。
JIS規格への適合製品を「JIS規格品」といいます。このうち第三者機関による認証を受けてJISマークを表示できる製品を「JIS認証品」といいます。
JIS規格品の範囲が広く、JIS認証品はその中の一部です。
JIS規格の根拠法は何か?
産業標準化法(旧:工業標準化法)。2019年に「日本工業規格」から「日本産業規格」に改称された。
建築工事でJIS規格品を確認する方法は?
JISマーク(第三者認証による任意表示)の確認、または製造者発行の試験成績書・第三者機関の試験報告書で確認する。JISマーク表示は任意であり、マークがなくてもJIS適合品はある。
建築工事でレディーミクストコンクリートが該当するJIS部門記号は?
JIS A(土木・建築)。レディーミクストコンクリートはJIS A 5308として規格化されている。
施工管理の基本は施工管理にまとめています。
参考資料
・産業標準化法(昭和24年法律第185号)
・日本産業標準調査会(JISC)
・経済産業省 JIS検索システム
規格外品の使用リスク:仕様書でJIS・JAS規格品が指定されている工事で規格外品を使用した場合、民法上の契約不適合責任を問われる可能性があります。搬入時の品質証明書確認と受入検査記録を徹底してください。
※ この記事の法令確認日:2026年5月
施工管理のポイント
JISマーク表示が「任意」という点は見落とされがちです。JISマークがない=規格外品ではありません。
逆に、JISマークがあっても「どのJIS規格に適合しているか」を確認しないと意味がない場面もあります。仕様書のJIS番号と納品書のJIS番号が一致しているかをセットで確認する習慣をつけることが大切だと思います。