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令和7年度(前期)2級建築施工管理技士 No.20を解説、鉄骨の錆止め塗装の考え方

けんせつる

けんせつる

素地調整したあと、数日あけてから塗ってよかったっけ。

この記事の要点

令和7年度(前期)2級建築施工管理技士 第一次検定 No.20は、鉄骨の錆止め塗装に関する問題です。正解は選択肢1。素地調整後は錆が出る前に速やかに塗装します。

令和7年度(前期)2級建築施工管理技士 第一次検定 No.20は、鉄骨の錆止め塗装に関する問題です。

問題文は建設業振興基金が公開している公式PDFで確認できます。

この問題では、4つの記述のうち、最も不適当なものを選びます。

正解:選択肢1

素地調整で錆や汚れを落とした面は、放っておくとすぐ錆が浮きます。だからできるだけ速やかに錆止め塗装をするのが鉄則なんです。数日あけてよいと考えるのが一番危ない発想です。素地調整後はすぐ塗ると押さえておきましょう。

各選択肢の正誤

選択肢 正誤 解説
1 ×(誤り) 素地調整後は錆が出る前に速やかに塗装する。数日あけるは誤り
2 ○(正しい) 高力ボルト摩擦接合部の摩擦面は塗装しない
3 ○(正しい) コンクリートに埋め込まれる部分は塗装しない
4 ○(正しい) 工場塗装は塗装検査以外の検査を終えた後に行う

選択肢1は、素地調整後に数日あけて塗装したとしている点が誤りです。素地が露出すると錆びやすいので、速やかに塗装します。

この問題のポイント

この問題では、鉄骨の錆止め塗装の手順と、塗ってよい場所・いけない場所を取り違えていないかが問われています。

カギになるのが素地調整のあとのタイミングです。素地調整とは、鉄の表面の錆や汚れ、ミルスケールを落として下地を整える作業です。

きれいになった鉄の面は、空気にさらされるとすぐに錆び始めます。なぜかというと、保護するものがなくなった金属の地肌は酸化しやすいからなんです。

ザックリ言えば、素地調整をしたら錆が出る前にすぐ塗る、ということです。ここは混乱しやすいところですね。

選択肢1

これが誤りを含む選択肢です。「素地調整を行った面は、素地が落ち着くまで数日あけて塗装を行った」とありますが、手順が不適切です。

素地調整できれいにした面は、時間をあけるとその間に錆が浮いてしまいます。

そのため、素地調整後はできるだけ速やかに錆止め塗装をします。数日あけるという記述は誤りなので、選択肢1が不適当ということです。

選択肢2

選択肢2は高力ボルト摩擦接合部の摩擦面についての記述です。

高力ボルト摩擦接合は、鋼材どうしの摩擦力で力を伝えます。摩擦面に塗装をすると、すべりやすくなって接合の力が落ちます。

そのため摩擦面は塗装しません。記述のとおりで適当です。

選択肢3

選択肢3のコンクリートに埋め込まれる部分も正しい記述です。

コンクリートに埋まる鉄骨は、コンクリートがアルカリ性で鉄を錆から守ります。むしろ塗装があると、コンクリートとの付着が悪くなります。

そのため埋め込み部分は塗装しません。記述のとおりで適当です。

選択肢4

選択肢4の工場塗装のタイミングも正しい記述です。

工場で塗装する部材は、寸法検査などの検査を済ませてから塗装します。塗装してしまうと、検査で見るべき母材や溶接の状態が隠れてしまうからです。

塗装検査以外の検査を終えた後に塗るという記述は適当ですね。

覚え方

鉄骨の錆止め塗装は、「素地を出したらすぐ塗る、付着や摩擦のじゃまになる所は塗らない」と整理すると覚えやすいです。

素地調整後は速やかに塗装。摩擦面・埋め込み部分は塗らない。検査が済んでから塗る、という流れです。

素地調整したら錆が出る前にすぐ塗装すると覚えると、選択肢1のひっかけに引っかからなくなるでしょう。

一問一答

Q.

素地調整を行った鉄骨面は、いつ錆止め塗装をするのがよいか。

錆が出る前に、できるだけ速やかに塗装します。時間をあけると錆びてしまいます。

Q.

高力ボルト摩擦接合部の摩擦面に錆止め塗装をしないのはなぜか。

塗装するとすべりやすくなり、摩擦による接合の力が落ちるためです。

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出典

  • 一般財団法人 建設業振興基金「令和7年度(前期)2級建築施工管理技術検定 第一次検定 問題」
けんせつる

この記事を書いた人

ハナダユキヒロミツメラボ

設計事務所に7年勤務し、建築構造設計に従事。設計者として施工図確認・工程会議・検査立会いなど施工管理と協働してきた経験と、公共建築工事標準仕様書・JASS等の一次資料をもとに執筆しています。

「建築学生が学ぶ構造力学」(kentiku-kouzou.jp)を2010年より運営。著書「わかる構造力学」(工学社)。

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