けんせつる
トルシア形ボルトの締まり具合って、トルクレンチで測って確認するんだっけ。
この記事の要点
令和5年度(前期)2級建築施工管理技士 第一次検定 No.36は、トルシア形高力ボルトの本締め完了後に確認すべき事項に関する問題です。正解は選択肢3。本締め完了はピンテールの破断で確認し、トルク値の測定ではないからです。
令和5年度(前期)2級建築施工管理技士 第一次検定 No.36は、トルシア形高力ボルトの本締め完了後に確認すべき事項に関する問題です。
問題文は建設業振興基金が公開している公式PDFで確認できます。
この問題では、4つの記述のうち、最も不適当なものを選びます。
| 選択肢 | 正誤 | 解説 |
|---|---|---|
| 1 | ○(正しい) | ナット回転量が群の平均±30°以内であることを確認する |
| 2 | ○(正しい) | マークのずれで共回りが生じていないことを確認する |
| 3 | ×(誤り) | 締付けの合否はピンテールの破断で確認。トルク値測定ではない |
| 4 | ○(正しい) | ナット面からのボルト余長がねじ山1〜6の範囲か確認する |
選択肢3は、締付けの合否を「トルク値の測定」で確認するとしている点が誤りで、トルシア形ではピンテールの破断で確認します。
この問題では、トルシア形高力ボルトの締め付け確認の方法が問われています。
高力ボルトには大きく2種類あって、確認方法が違うんです。ここは混同しやすいところですね。
トルシア形は、専用の工具で締めると、規定の力に達したところで先端のピンテールがちぎれて落ちます。つまり、ちぎれていれば適正に締まった証拠なわけです。
一方、高力六角ボルトはトルクレンチでトルク値を測って確認します。この方法はトルクコントロール法と呼ばれ、トルシア形とは別物なんです。
選択肢1はナット回転量の確認についての記述です。
本締め後、各ボルト群のナットの平均回転角度から±30°以内に収まっているかを確認します。
回転量が大きく外れると締め付け不良の可能性があるからなんです。確認事項として適当ですね。
選択肢2は共回りの確認についての記述です。
一次締めの後にボルトとナットへマークを付けておき、本締め後にそのずれを見ます。
ボルトまで一緒に回る共回りが起きていないかを確認するためです。確認事項として適当です。
これが誤りを含む選択肢です。「ボルト締付けの合否は、トルク値を測定して確認する」とあります。
トルシア形高力ボルトは、締め付けが終わると先端のピンテールが破断する仕組みです。なぜかというと、規定の張力に達するとピンテールがちぎれるよう作られているからなんです。
そのため合否はピンテールが破断したかどうかで確認します。トルク値の測定はトルクコントロール法での確認方法なので、選択肢3は不適当ということです。
選択肢4はボルトの余長の確認についての記述です。
ナット面から突き出たボルトの余長が、ねじ山1山から6山までの範囲にあるかを確認します。
余長が短すぎても長すぎても不適切なので、範囲内かを見るわけです。確認事項として適当ですね。
高力ボルトは「形式ごとに確認方法が違う」と押さえると間違えにくくなります。
トルシア形はピンテールの破断、高力六角ボルトはトルク値の測定です。
トルシア形はピンテールの破断で確認、トルク値測定は高力六角ボルトと覚えておくと、選択肢3のような取り違えに引っかからなくなるでしょう。
トルシア形高力ボルトの本締め完了は、何で確認するか。
先端のピンテールが破断したかどうかで確認します。トルク値の測定ではありません。
本締め後にマークのずれで確認するのは、何が起きていないかを見るためか。
ボルトまで一緒に回る共回りが生じていないかを確認するためです。
出典
※ この記事の確認日:2026年6月
正解:選択肢3
トルシア形は、締め付けが終わると先端のピンテールがポキッと折れる仕組みなんです。だから締まったかどうかは折れたかどうかで見ます。トルク値を測って確認するのは高力六角ボルト(トルクコントロール法)の話、と切り分けておくとよいでしょう。