けんせつる
辞めたら違約金、みたいな契約って結べるんだっけ。
この記事の要点
令和5年度(後期)2級建築施工管理技士 第一次検定 No.47は、労働契約に関する問題です。正解は選択肢1。使用者は違約金や損害賠償額をあらかじめ定める契約をしてはならないからです。
令和5年度(後期)2級建築施工管理技士 第一次検定 No.47は、労働契約に関する問題です。
問題文は建設業振興基金が公開している公式PDFで確認できます。
この問題では、4つの記述のうち、労働基準法上、誤っているものを選びます。
| 選択肢 | 正誤 | 解説 |
|---|---|---|
| 1 | ×(誤り) | 違約金や賠償額を定める契約は禁止。義務ではない |
| 2 | ○(正しい) | 労働契約に附随して貯蓄の契約をさせてはならない |
| 3 | ○(正しい) | 前貸の債権と賃金を相殺してはならない |
| 4 | ○(正しい) | 就業の場所や従事すべき業務を明示しなければならない |
選択肢1は、禁止されている契約を「定めなければならない」とした点が誤りです。
この問題では、労働者を不当に拘束する契約を防ぐためのルールが問われています。
労働基準法は、労働者が自由に退職できなくなるような縛りを禁じているのがポイントですね。
違約金や損害賠償額をあらかじめ決めておくと、労働者は辞めにくくなります。だから法律でそうした契約を禁止しているわけです。
貯蓄の強制や、前借金との賃金相殺も同じ趣旨で禁止されています。
これが誤りを含む選択肢です。「使用者は、労働契約の不履行について、違約金とその支払の方法を定めて契約しなければならない」とあります。
しかし労働基準法は、違約金や損害賠償額をあらかじめ定める契約を禁止しています。なぜかというと、こうした取り決めが労働者を職場に縛りつけてしまうからなんです。
「定めなければならない」という義務の表現は、禁止規定を真逆にしています。選択肢1は不適当ということです。
選択肢2は貯蓄の契約についての記述です。
使用者は、労働契約に附随して労働者に貯蓄の契約をさせてはなりません。強制的に貯蓄させると、賃金の自由な使用が妨げられるからです。
記述のとおりなので適当ですね。
選択肢3は前貸の債権との相殺についての記述です。
使用者は、労働することを条件とする前貸の債権と賃金を相殺してはなりません。前借金で労働者を拘束することを防ぐためです。
記述のとおりなので適当です。
選択肢4は労働条件の明示についての記述です。
使用者は、労働契約を結ぶ際に、就業の場所や従事すべき業務などの労働条件を労働者に明示しなければなりません。
例えば勤務地や仕事の内容を、契約時にはっきり伝えるわけです。記述のとおりなので適当ですね。
労働契約のルールは「労働者を縛る取り決めは禁止」と覚えると整理しやすくなります。
違約金・賠償予定、強制貯蓄、前借金との相殺は、いずれも退職を妨げる縛りなので禁止されているわけです。
違約金や賠償額を定める契約は禁止、明示すべきは労働条件とセットで覚えると、選択肢1のひっかけに強くなるでしょう。
使用者は、労働契約の不履行について違約金を定める契約をしてよいか。
してはなりません。違約金や賠償額をあらかじめ定める契約は禁止されています。
労働契約の締結時、使用者が労働者に明示しなければならないものは何か。
就業の場所や従事すべき業務などの労働条件です。
出典
※ この記事の確認日:2026年6月
正解:選択肢1
労働基準法は、違約金や損害賠償額をあらかじめ決める契約を禁止しているんです。それなのに「定めて契約しなければならない」と義務のように書いているので誤りなんですね。禁止と義務を真逆に入れ替えるのは、法規でよくあるひっかけですね。