けんせつる
接着剤を塗ったら、すぐシートを張っていいんだっけ。
この記事の要点
令和5年度(後期)2級建築施工管理技士 第一次検定 No.41は、合成高分子系ルーフィングシート防水の接着工法に関する問題です。正解は選択肢2・3。接着剤はオープンタイムを置いてから張り、塩化ビニル樹脂系では接着剤をシート裏面に塗らないからです。
令和5年度(後期)2級建築施工管理技士 第一次検定 No.41は、合成高分子系ルーフィングシート防水の接着工法に関する問題です。
問題文は建設業振興基金が公開している公式PDFで確認できます。
この問題は施工管理法の能力問題で、4つの記述のうち、不適当なものを2つ選びます。
| 選択肢 | 正誤 | 解説 |
|---|---|---|
| 1 | ○(正しい) | 加硫ゴム系で、プライマーはその日に張る範囲だけ塗布する |
| 2 | ×(誤り) | 接着剤は塗布後、オープンタイムを置いてからシートを張る |
| 3 | ×(誤り) | 塩ビ系は、エポキシ樹脂系接着剤を下地側に塗布する |
| 4 | ○(正しい) | 塩ビ系の立上り末端部は、押え金物で固定し不定形シール材で処理する |
選択肢2は、オープンタイムを置かずに張った点が誤りなんです。選択肢3は、エポキシ樹脂系接着剤をシート裏面に塗布した点が誤りで、この接着剤は下地側に塗るわけです。
合成高分子系ルーフィングシート防水とは、ゴムや塩化ビニルでできた薄いシートを下地に張って防水する工法です。
接着工法では、接着剤やプライマーの使い方がそのまま仕上がりを左右します。ここがこの問題の中心ですね。
とくに大事なのが、接着剤を塗ってから張るまでのオープンタイムです。溶剤がある程度抜けてから張らないと、しっかり接着しません。
また加硫ゴム系と塩化ビニル樹脂系では、使う材料や塗る面が違います。シートの種類ごとに整理しておきましょう。
選択肢1は、加硫ゴム系シート防水のプライマーについての記述です。
プライマーを塗る範囲は、その日にシートを張り付ける範囲だけにします。なぜかというと、塗ったまま放置するとほこりが付いたり、効果が落ちたりするからです。
例えば一度に広く塗りすぎると、夕方までに張りきれず無駄になるわけです。記述のとおりなので適当ですね。
これが不適当な選択肢の一つです。「接着剤を塗布後、オープンタイムを置かずにシートを張り付けた」とあります。
接着剤は塗ってすぐ張ってはいけません。オープンタイムを置き、溶剤をある程度乾かしてから張るのが正しい手順です。
溶剤が残ったまま張ると、あとからふくれや剥がれが起きます。手順を省いているため、選択肢2は不適当です。
これがもう一つの不適当な選択肢です。「塩化ビニル樹脂系で、シートを張り付けるエポキシ樹脂系接着剤を、シート裏面に塗布した」とあります。
塩化ビニル樹脂系で使うエポキシ樹脂系接着剤は、下地側に塗ります。シートの裏面に塗るのではありません。
塗る面が逆になっているため、選択肢3は不適当ということです。なお塩ビ系シートどうしの接合は、溶剤や熱による溶着が基本なんです。
選択肢4は、塩化ビニル樹脂系の立上り末端部の処理についての記述です。
立上りの末端部は、押え金物で固定し、不定形シール材を用いて処理します。末端から水が回り込むのを防ぐためです。
金物で押さえて、すき間をシール材でふさぐということです。記述のとおりなので適当ですね。
接着工法は「塗ってすぐ張らない」と「塗る面はどちらか」をセットで覚えると間違えにくくなります。
接着剤は塗ってからオープンタイムを置いて張る。塩ビ系のエポキシ樹脂系接着剤は下地側に塗る、と整理します。
接着剤はオープンタイムを置く、塩ビ系の接着剤は下地側に塗ると覚えると、選択肢2・3のような手順のすり替えに気づけるでしょう。
シート防水で接着剤を塗布した後、すぐにシートを張ってよいか。
いけません。オープンタイムを置き、溶剤を乾かしてから張ります。
塩化ビニル樹脂系シートを張るエポキシ樹脂系接着剤は、どちらの面に塗るか。
下地側に塗ります。シートの裏面には塗りません。
出典
※ この記事の確認日:2026年6月
正解:選択肢2・3
接着剤は塗ってすぐ張ると、溶剤が残ってふくれや剥がれの原因になるので、少し乾かす時間(オープンタイム)を置いてから張るのが鉄則なんです。塗ったそばから貼りたくなる気持ちはわかりますが、ここを省くと一番トラブルになりますね。塩ビ系のシートは溶着が基本で、エポキシ接着剤をシート裏面にベタ塗りするやり方とは前提が違うわけです。