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令和5年度(後期)2級建築施工管理技士 No.11を解説、構造用鋼材

けんせつる

けんせつる

炭素が増えると鋼って強くなるのか、それとも粘り強くなるのか、どっちなんだろう。

この記事の要点

令和5年度(後期)2級建築施工管理技士 第一次検定 No.11は、構造用鋼材に関する問題です。正解は選択肢2。炭素が多いと強さは増すが、ねばり強さと伸びは小さくなるからです。

令和5年度(後期)2級建築施工管理技士 第一次検定 No.11は、構造用鋼材に関する問題です。

問題文は建設業振興基金が公開している公式PDFで確認できます。

この問題では、4つの記述のうち、最も不適当なものを選びます。

正解:選択肢2

炭素含有量が増えると強くなるイメージだけが先行しがちなんです。でも実際は、強さや硬さが増すかわりにねばり強さや伸びは小さくなるわけです。現場では「炭素が多い鋼ほど割れやすい」と覚えておくと混乱しにくいですね。

各選択肢の正誤

選択肢 正誤 解説
1 ○(正しい) 鋼の線膨張係数は約1.2×10-5(1/℃)
2 ×(誤り) 炭素含有量が多くなると、ねばり強さや伸びは小さくなる
3 ○(正しい) SN400Bの引張強さの下限値は400N/mm2
4 ○(正しい) 鋼のヤング係数は常温では強度に係わらずほぼ一定

選択肢2は、炭素含有量が多くなると「ねばり強さや伸びが大きくなる」としている点が誤りで、正しくは小さくなるわけです。

この問題のポイント

この問題では、鋼材の基本的な物性値と、炭素量による性質の変化が問われています。

特に炭素含有量の影響は、毎年のように出るところですね。

鋼に含まれる炭素が多くなると、強さや硬さは増します。そのかわり、ねばり強さや伸びといった粘り強さは失われていくんです。

つまり、強くなる方向と、もろくなる方向がセットで進むということです。

選択肢1

選択肢1は線膨張係数についての記述です。

鋼の線膨張係数は約1.2×10-5(1/℃)です。これはコンクリートとほぼ同じ値なんです。

鉄筋コンクリートが成り立つのは、両者の伸び縮みがそろっているからですね。記述のとおりで適当です。

選択肢2

これが誤りを含む選択肢です。「炭素含有量が多くなると、ねばり強さや伸びが大きくなる」とありますが、実際の性質は逆向きなんです。

炭素が多くなると、強さや硬さは増しますが、ねばり強さや伸びは小さくなるんです。

なぜかというと、炭素が多いほど鋼は硬くもろくなり、変形に耐えられず割れやすくなるからですね。したがって選択肢2は不適当ということです。

選択肢3

選択肢3はSN400Bの引張強さについての記述です。

建築構造用圧延鋼材SN400Bの数字「400」は、引張強さの下限値が400N/mm2であることを示します。

記号の数字がそのまま引張強さの下限を表すので、この記述は適当ですね。

選択肢4

選択肢4はヤング係数についての記述です。

鋼のヤング係数は、常温では強度の種類が違ってもほぼ一定です。つまりSN400でもSN490でも、変形のしにくさはほぼ同じということです。

ザックリ言えば、強さは違っても伸び縮みのしにくさは共通ということなんです。記述のとおりで適当です。

覚え方

炭素量の影響は、「強くなる」と「もろくなる」をセットで覚えると間違えません。

炭素が増えると強さは増し、ねばり強さや伸びは減ります。

炭素が増える=強さアップ、粘り(伸び)ダウンと覚えると、選択肢2のような引っかけに惑わされなくなるでしょう。

一問一答

Q.

鋼の炭素含有量が多くなると、ねばり強さや伸びはどうなるか。

小さくなります。強さや硬さは増しますが、もろくなる方向に進みます。

Q.

SN400Bの「400」は何を表すか。

引張強さの下限値400N/mm2を表します。

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出典

  • 一般財団法人 建設業振興基金「令和5年度(後期)2級建築施工管理技術検定 第一次検定 問題」
けんせつる

この記事を書いた人

ハナダユキヒロミツメラボ

設計事務所に7年勤務し、建築構造設計に従事。設計者として施工図確認・工程会議・検査立会いなど施工管理と協働してきた経験と、公共建築工事標準仕様書・JASS等の一次資料をもとに執筆しています。

「建築学生が学ぶ構造力学」(kentiku-kouzou.jp)を2010年より運営。著書「わかる構造力学」(工学社)。

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