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令和7年度 1級建築施工管理技士 No.54を解説、吊りボルトはダクトフランジから支持してはならない

けんせつる

けんせつる

天井の吊りボルトが取り付けられないとき、ダクトに固定してもいいの?

この記事の要点

令和7年度 1級建築施工管理技士 第一次検定 No.54は、特定天井に該当しない軽量鉄骨天井下地工事に関する応用能力問題(5択)です。正解は選択肢4。吊りボルトはスラブ等の構造体から直接支持するのが原則で、ダクトフランジへの荷重転嫁は禁止されています。

令和7年度 1級建築施工管理技士 第一次検定 No.54は、軽量鉄骨天井下地工事に関する問題です。

問題文は建設業振興基金が公開している公式PDFで確認できます。

この問題では、5つの記述のうち、最も不適当なものを選びます。

正解:選択肢4

吊りボルトはスラブや梁などの構造体から直接取り付けるのが原則です。ダクトフランジにアングルを溶接して吊りボルトを支持する方法では、天井の重量がダクトにかかることになります。設備ダクトは天井荷重を負担するように設計されていないため、このやり方は不適当です。

各選択肢の正誤

選択肢 正誤 解説
1 ○(正しい) 下り壁による段違い部分は2,700mm程度の間隔で斜め補強を行う
2 ○(正しい) 人の出入りする開口部は野縁受けと同材で補強する
3 ○(正しい) 吊りボルト間隔が900mmを超える場合は水平つなぎ材を架構して2段吊りとする
4 ×(誤り) ダクトフランジへのアングル溶接による吊りボルト取り付けは禁止。構造体から直接支持すること
5 ○(正しい) ハンガーはナット2個で吊りボルトを挟み込んで固定する

選択肢4の「ダクトフランジにアングルを溶接してから吊りボルトを取り付けた」という記述が誤りで、設備ダクトへの荷重転嫁は禁止されています。

この問題のポイント

この問題で問われているのは、軽量鉄骨天井下地における吊りボルトの支持方法と、各部材ごとの施工基準を理解しているかということです。

特に注目したいのが「吊りボルトの支持先」です。天井は構造体から吊り下げるのが原則で、設備機器や配管・ダクトに荷重を転嫁してはいけません。

現場では「スラブから吊りボルトを取り付けるスペースが足りない」ということがよく起こります。そういうときに「近くのダクトを使えばいい」と考えがちですが、これは絶対にダメなんです。

ザックリ言えば、天井の重さを負担するのは構造体だけ、ということです。

選択肢1

下り壁とは、天井面より下に出っ張った壁のことです。下り壁によって天井に段違いが生じる箇所では、地震時に天井が変形しやすくなります。

そのため、段違い部分には2,700mm程度の間隔で斜め補強(45°方向の野縁受けなど)を行います。これは水平力に対する剛性を高めるためです。

特定天井に該当しない天井でも、補強の考え方は共通しているわけです。

選択肢2

天井点検口のような人の出入りする開口部では、周囲に大きな荷重がかかります。

点検口の枠を支持するため、開口部周辺の野縁を切断することになりますが、切断した野縁の端部は野縁受けと同材(Cチャンネル等)で補強材を入れて受ける必要があります。補強しないと開口部周辺の剛性が不足し、たわみや落下のリスクが生じます。

選択肢3

吊りボルトの間隔が900mmを超える場合、吊りボルト1本にかかる荷重が増大します。

このときは、吊りボルトとスラブの間に水平つなぎ材を架構し、そこから中間に吊りボルトを追加する2段吊りとします。この方法で間隔を900mm以内に収め、1本あたりの負担荷重を適切に分散させるわけです。

選択肢4

これが誤りを含む選択肢です。ダクトの真下に天井を施工するとき、直接吊りボルトが取り付けられないからといって、ダクトフランジにアングルを溶接して吊りボルトを取り付けることは禁止されています。

設備ダクトは空気を搬送するためのものであり、天井荷重を支えるための構造部材ではありません。アングルを溶接することでダクト本体を傷つけるリスクもあります。

このような状況では、スラブからインサートを使って吊りボルトを取り付けるか、周囲の構造体から支持する方法を選ぶことになります。

選択肢5

野縁受け用のハンガーは、吊りボルトに取り付けて野縁受けを支える金物です。

ハンガーは吊りボルトにナット2個を用いて上下から挟み込む形で固定します。1個では回転方向の緩みが生じやすいため、2個でダブルナット状態にして確実に固定する必要があります。

覚え方

「天井を吊るのは構造体だけ」というルールを中心に据えて覚えると迷いません。

設備(ダクト・配管・スプリンクラー)は天井を吊る側ではなく、天井に「付いてくる」側です。天井が設備を吊ることはあっても、設備が天井を吊ることはありません。

天井の重さは構造体へ → 設備への荷重転嫁は禁止という考え方が、吊りボルト支持の問題では必ず役立ちます。

一問一答

Q.

軽量鉄骨天井下地の吊りボルトを取り付ける際、直近のダクトフランジにアングルを溶接して支持してもよいか。

いいえ、禁止されています。吊りボルトはスラブや梁などの構造体から直接支持しなければなりません。設備ダクトは天井荷重を負担するように設計されていないため、ダクトへの荷重転嫁はできません。

Q.

吊りボルトの間隔が900mmを超える場合、どのような対処をするか。

吊りボルトとスラブの間に水平つなぎ材を架構し、そこから中間に吊りボルトを下げる2段吊りとします。

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出典

  • 一般財団法人 建設業振興基金「令和7年度 1級建築施工管理技術検定 第一次検定 問題」
けんせつる

この記事を書いた人

ハナダユキヒロミツメラボ

設計事務所に7年勤務し、建築構造設計に従事。設計者として施工図確認・工程会議・検査立会いなど施工管理と協働してきた経験と、公共建築工事標準仕様書・JASS等の一次資料をもとに執筆しています。

「建築学生が学ぶ構造力学」(kentiku-kouzou.jp)を2010年より運営。著書「わかる構造力学」(工学社)。

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