けんせつる
同じ径なら、SD295とSD345の135°フックの内法直径は同じでいいんじゃないの?
この記事の要点
令和7年度 1級建築施工管理技士 第一次検定 No.24は、鉄筋の加工及び組立てに関する問題です。正解は選択肢1。
令和7年度 1級建築施工管理技士 第一次検定 No.24は、鉄筋の加工及び組立てに関する問題です。
問題文は建設業振興基金が公開している公式PDFで確認できます。
この問題では、4つの記述のうち、最も不適当なものを選びます。
| 選択肢 | 正誤 | 解説 |
|---|---|---|
| 1 | ×(誤り) | SD345はSD295より内法直径の最小値を大きくしなければならない。同じでよいは誤り |
| 2 | ○(正しい) | 異形鉄筋相互のあきは、呼び名数値の1.25倍・粗骨材最大寸法の1.5倍・25mmのうち最大値とする |
| 3 | ○(正しい) | 鉄筋加工後の全長に対する加工寸法の許容差は±20mm |
| 4 | ○(正しい) | 梁せいが大きい基礎梁の水平打継ぎでは、上下に分割したあばら筋の継手を180°フック付き重ね継手とすることができる |
選択肢1の「同じとした」という記述が誤りで、SD345はSD295より内法直径の最小値を大きくする必要があります。
これが誤りを含む選択肢です。鉄筋を折り曲げるとき、曲げ部分の内側に大きな応力が集中します。
内法直径が小さいほど曲げが急激になり、内側の鉄筋が引き裂かれるような力を受けるわけです。
SD295とSD345は降伏強度が違います。SD295は降伏強度295N/mm²、SD345は345N/mm²で、SD345のほうが高強度です。
高強度の鉄筋は硬く、脆性破壊を起こしやすい性質があります。ここが混乱しやすいところですね。強いから曲げに強そうに見えますが、脆く折れやすいという面もあるんです。
そのため、JASS5では鉄筋の種類(強度)に応じて折曲げ内法直径の最小値を定めています。「同じとした」という記述は誤りで、SD345はSD295より内法直径の最小値を大きくする必要があります。
ザックリ言えば、「強い鉄筋ほど緩やかに曲げなければならない」ということです。
けんせつるのひとこと
現場では「同じ径なら同じ内法直径でいい」と思い込んでいる人がいます。径だけでなく鋼種(SD295かSD345か)によっても最小値が変わることを忘れずに確認するクセをつけましょう。
異形鉄筋相互のあきは、次の3つの数値のうち最も大きいものとします。
①呼び名の数値の1.25倍、②粗骨材最大寸法の1.5倍、③25mm。
例えば、D19の鉄筋では①19×1.25=23.75mm。粗骨材最大寸法が20mmなら②20×1.5=30mm。③は25mmですので、最大の30mmがあきの最小値になるわけです。
このルールはコンクリートが鉄筋の隙間を通り抜けられるようにするためのものです。あきが狭すぎると充填不良やコールドジョイントにつながります。
鉄筋は加工図に従って工場や現場で曲げ加工を行いますが、加工後に誤差が生じます。
JASS5では、加工後の全長に対する寸法許容差を±20mmと定めています。これは全長が長くなっても短くなっても20mmまでなら認めるということです。
ザックリ言えば、2cmの誤差範囲なら合格ということですね。
梁せいが大きい基礎梁では、鉄筋をコンクリート打設前に一度に組み立てるのが難しい場合があります。
そのため、コンクリートを水平打継ぎとして上下に分割して打設する方法を採ることがあります。このとき、上下に分割されたあばら筋の継手部分には、180°フック付きの重ね継手を用いることができます。
梁断面の上下分割は梁せいが大きいほど有効な工法で、施工管理上の確認ポイントにもなります。なんとなくイメージできましたか。
SD295とSD345の内法直径の違いは、「強度が上がるほど内法直径は大きく」と覚えましょう。
SD295 → 小さい内法直径でOK / SD345 → より大きい内法直径が必要という方向性を押さえておくと、選択肢を見たときに判断しやすくなります。
SD345とSD295の同一径鉄筋を135°に折り曲げる場合、内法直径の最小値は同じでよいか。
同じではいけません。SD345はSD295より高強度で脆性が高いため、内法直径の最小値はSD345のほうを大きくする必要があります。
異形鉄筋相互のあきの最小値を決める3つの基準を答えよ。
①呼び名の数値の1.25倍、②粗骨材最大寸法の1.5倍、③25mm、のうち最も大きい値とします。
出典
※ この記事の確認日:2026年6月
正解:選択肢1
JASS5の規定では、同一径の鉄筋であっても、SD345はSD295より高強度で脆性が高いため、135°フックの内法直径の最小値はSD345のほうが大きくしなければなりません。「同じとした」という記述が誤りです。