けんせつる
曲げモーメント図は「引張側に描く」というルール、最初にここだけ押さえてしまいましょう。
この記事の要点
令和7年度 1級建築施工管理技士 第一次検定 No.5は、集中荷重を受けるラーメン架構の曲げモーメント図(BMD)を選ぶ問題です。正解は選択肢4。引張側に描く原則と、剛接合部でモーメントが連続する特性の2点が判断の根拠になります。
令和7年度 1級建築施工管理技士 第一次検定 No.5は、ラーメン架構の曲げモーメント図に関する図問題です。
問題文と図は、建設業振興基金が公開している公式PDFで確認できます。
この問題では、集中荷重Pが作用したときのラーメン架構の正しい曲げモーメント図を4択から選びます。
曲げモーメント図(BMD)を読む前に、「引張側に描く」というルールを理解することが先決です。ここは混乱しやすいところですね。
部材が曲げられると、一方の側が引っ張られ(引張)、反対側が圧縮されます。「引張側に描く」ルールでは、引っ張られる側にBMDを描きます。
もうひとつの鍵がラーメン架構の特性です。ラーメン架構は柱と梁が剛接合された骨組みで、剛接合では柱と梁のモーメント値が接合部で連続します。ピン接合ならモーメントはゼロですが、剛接合ではつながって見えるわけです。
さらに集中荷重Pが作用する場合、BMDは荷重作用点で折れ曲がるのが特徴です。分布荷重なら曲線ですが、集中荷重なら直線と折れ曲がりの組み合わせになります。各選択肢は4種類のBMDの図です。
剛接合部でモーメントが不連続になっている図は誤りです。ピン接合の骨組みと混同してモーメントをゼロにしてしまうケースです。
ラーメン架構では接合部でモーメントが連続するため、この図は架構の特性に合いません。
引張側と圧縮側が逆に描かれている図も誤りです。荷重方向と変形方向をしっかり追えていないと、どちらの側が引張かを間違えます。
「引張側に描く」という原則に反するため、この図は正解になりません。
荷重点で折れ曲がらず滑らかな曲線になっている図は、集中荷重ではなく分布荷重のBMDです。
問題文に「集中荷重」と書かれている以上、曲線状のBMDはこの問題の条件に合いません。
これが正解の図です。荷重点で折れ曲がり、柱と梁の剛接合部でモーメント値が連続し、引張側に描かれています。
ラーメン架構の剛接合の特性と「引張側に描く」という原則を両方満たしているわけです。柱のBMDは柱脚から柱頭に向かって直線的に変化する形が基本で、この図はその形状にも合致します。
けんせつるのひとこと
現場の施工管理でBMDを直接使う場面は少ないですが、鉄筋やボルトの配置を「なぜこの向きにあるのか」を理解するには引張側・圧縮側の概念が必要です。RC梁の主筋が下側に多い理由も、BMDの「引張側」と直結しています。試験知識が現場の理解につながるわけです。
ラーメン架構のBMD問題を解くときは、次の2点だけを最初に確認する習慣をつけましょう。
①引張側に描かれているか、②剛接合部でモーメントが連続しているか。
この2点を満たしていない選択肢は即座に除外できます。集中荷重の「荷重点で折れ曲がる」形状を合わせた3点チェックで、ほとんどのBMD問題は絞り込めるわけです。
曲げモーメント図を「引張側に描く」とはどういう意味か。
部材が曲げられたとき、引っ張られる側の面にBMDを描くということです。梁の場合、鉛直荷重では通常下側が引張になります。
ラーメン架構の剛接合部でBMDはどうなるか。
剛接合部では曲げモーメントが連続します。柱側と梁側でモーメント値が一致し、不連続にはなりません。
集中荷重を受ける梁のBMDの形状はどうなるか。
荷重点を頂点とした三角形(折れ線)になります。荷重点でBMDが折れ曲がります。分布荷重の場合の曲線とは形が異なります。
ラーメン架構のBMDを選ぶときに確認すべき2点はなにか。
①引張側に描かれているか、②剛接合部でモーメントが連続しているか、の2点です。
出典
※ この記事の確認日:2026年6月
正解:選択肢4
荷重点で折れ曲がり、柱と梁の剛接合部でモーメント値が連続し、引張側に描かれている曲げモーメント図が選択肢4です。ラーメン架構の剛接合の特性と「引張側に描く」という原則を両方満たしているかどうかが判断基準になるわけです。