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令和7年度 1級建築施工管理技士 No.1を解説、日照・日射の正しい考え方

けんせつる

けんせつる

緯度が高くなると、隣棟間隔比って大きくするの?小さくするの?

この記事の要点

令和7年度 1級建築施工管理技士 第一次検定 No.1は、日照及び日射に関する問題です。正解は選択肢2。

令和7年度 1級建築施工管理技士 第一次検定 No.1は、日照及び日射に関する問題です。

問題文は建設業振興基金が公開している公式PDFで確認できます。

この問題では、4つの記述のうち、最も不適当なものを選びます。

正解:選択肢2

緯度が高くなるほど冬の太陽高度は低くなり、建物が落とす影は長くなります。同じ日照時間を確保するには、隣棟間隔比を大きくする必要があるわけです。「小さくする必要がある」とした部分が誤りです。

各選択肢の正誤

選択肢 正誤 解説
1 ○(正しい) 水平ルーバーは南面の夏の日射に、縦ルーバーは東西面の朝夕の日射に有効
2 ×(誤り) 緯度が高いほど隣棟間隔比は大きくする必要がある(小さくは誤り)
3 ○(正しい) 南面垂直壁の可照時間は夏至より冬至のほうが長い
4 ○(正しい) ライトシェルフは遮蔽と採光を同時に実現する庇状の装置

選択肢2の「小さくする必要がある」という記述が誤りで、正しくは大きくする必要があります。

この問題のポイント

この問題では、緯度と太陽高度の関係、そして隣棟間隔比への影響を理解しているかが問われています。

見るべきポイントは「緯度が変わると太陽高度がどう変わるか」ということです。

冬至の南中高度は「90° − 緯度 − 23.4°」で求められます。北緯35°では約31.6°、北緯45°では約21.6°になるわけです。

緯度が高いほど太陽高度は低くなり、建物の影は長くなります。ここが隣棟間隔比と直結する部分ですね。

隣棟間隔比(D/H)は、南側建物に一定時間の日照を確保するために必要な「南北間隔÷北側建物高さ」の比率です。影が長くなるほどこの比率は大きくなります。

選択肢1

水平ルーバー縦ルーバーは、遮る日射の方向が違います。

水平ルーバー(庇状の水平板)は、南面に高い角度で入射する夏の日射を遮るのに効果があります。

縦ルーバー(垂直板)は、太陽方位角が東西方向に傾く朝夕の日射を遮るのに効果があります。例えば、西日をカットしたい場合は縦ルーバーが有効で、夏の南面日射をカットしたい場合は水平ルーバーを選ぶわけです。

選択肢2

これが誤りを含む選択肢です。緯度が上がると、隣棟間隔比はどちらに動くでしょうか。

緯度が高くなるほど冬の太陽高度は低くなります。太陽高度が低いと、建物が南側に落とす影が長くなります。

影が長くなるほど、南側の建物が日照を確保するために必要な隣棟間隔は広くなります。

「緯度が高くなるほど南北の隣棟間隔比を小さくする必要がある」という記述は誤りです。正しくは隣棟間隔比を大きくする必要があります。

選択肢3

南面垂直壁面の可照時間は、夏至と冬至でどちらが長いか。直感と逆になりやすい部分です。

可照時間とは、太陽が地平線の上にあって日照が可能な時間のことです。

夏至は太陽が高い位置を通るため、南面の垂直壁への直射時間は短くなります。冬至は太陽が低く南の空を通るため、南面垂直壁は長時間日射を受けます。

つまり南面垂直壁面の可照時間は、夏至より冬至のほうが長くなるということです。ここは直感と逆になりやすいので注意が必要ですね。

選択肢4

ライトシェルフは、遮蔽と採光を同時に実現する装置です。

ライトシェルフは窓の中間高さに設ける庇状の装置です。下部で直射日光を遮蔽してグレアを防ぎながら、上部では反射した自然光を室内の奥まで届けます

採光と遮蔽を同時に実現できるため、省エネ建築でよく使われる手法なんです。

覚え方

緯度と隣棟間隔比の関係は、「太陽の高さ」で考えると整理しやすくなります。

緯度が高いほど冬の太陽は低い位置を通ります。太陽が低いと影は長くなります。影が長くなると、同じ日照時間を確保するための距離が広がります。

緯度が高い → 太陽が低い → 影が長い → 間隔比は大きくという順番でつなぐと、間違えにくくなるわけです。

一問一答

Q.

緯度が高くなるほど、同じ日照時間を確保するための南北の隣棟間隔比はどうなるか。

大きくする必要があります。緯度が高いほど冬の太陽高度が低く、建物の影が長くなるためです。

Q.

水平ルーバーと縦ルーバーは、それぞれどの方向の日射を遮るのに効果があるか。

水平ルーバーは南面(太陽高度の高い夏の日射)、縦ルーバーは東西面(方位角の東西方向からの日射)に効果があります。

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出典

  • 一般財団法人 建設業振興基金「令和7年度 1級建築施工管理技術検定 第一次検定 問題」
けんせつる

この記事を書いた人

ハナダユキヒロミツメラボ

設計事務所に7年勤務し、建築構造設計に従事。設計者として施工図確認・工程会議・検査立会いなど施工管理と協働してきた経験と、公共建築工事標準仕様書・JASS等の一次資料をもとに執筆しています。

「建築学生が学ぶ構造力学」(kentiku-kouzou.jp)を2010年より運営。著書「わかる構造力学」(工学社)。

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