けんせつる
鉄骨の柱脚で回転拘束力が高いのって、根巻きと露出どっちだっけ?
この記事の要点
令和6年度 1級建築施工管理技士 第一次検定 No.10は、鉄骨構造の設計に関する問題です。正解は選択肢3。
令和6年度 1級建築施工管理技士 第一次検定 No.10は、鉄骨構造の座屈・たわみ・柱脚・トラスに関する設計の記述を問う問題です。
問題文は建設業振興基金が公開している公式PDFで確認できます。
4つの記述のうち、最も不適当なものを選びます。
| 選択肢 | 正誤 | 解説 |
|---|---|---|
| 1 | ○(正しい) | 柱頭が水平移動するラーメン構造の柱の座屈長さは節点間距離より長くなる |
| 2 | ○(正しい) | 梁のたわみは断面・荷重条件が同一なら材質(SN400AやSN490B)を変えても同一 |
| 3 | ×(誤り) | 高い回転拘束力をもたせるには根巻き形式が有効。「露出形式」は誤り |
| 4 | ○(正しい) | トラス構造の軸材は引張・圧縮の軸力のみを伝達する |
選択肢3の「根巻き形式ではなく露出形式」という記述が誤りで、正しくは根巻き形式が回転拘束力に優れています。
この問題では、鉄骨柱脚の種類と回転拘束力の違いを理解しているかが問われています。
柱脚形式には露出形式・根巻き形式・埋込み形式の3種類があります。回転拘束力(固定度)は、埋込み形式 > 根巻き形式 > 露出形式という関係になります。
柱頭が水平移動できる(サイドスウェイ可能な)ラーメン構造では、座屈長さが節点間距離より長くなります。
これは座屈モードの変形形状から導かれる関係で、正しい記述です。
梁のたわみは、断面二次モーメントと弾性係数(ヤング率)に依存します。
SN400AとSN490Bは強度が異なりますが、ヤング率は同一(約205,000 N/mm²)です。断面と荷重が同じならたわみは変わりません。記述は正しいです。
これが誤りを含む選択肢です。柱脚の回転拘束力について確認します。
露出形式は、ベースプレートとアンカーボルトで基礎に接合する形式です。アンカーボルトのみで回転を拘束するため、固定度は低く、ほぼピン接合に近い挙動をします。
根巻き形式は、柱脚をRC造で覆い(根巻き)固定度を高めた形式です。露出形式と比べてはるかに高い回転拘束力を持っています。
記述は「根巻き形式ではなく露出形式とする」と述べており、この関係が完全に逆です。
トラス構造の軸材は、節点がピン接合であるため、引張または圧縮の軸力のみを伝達します。曲げモーメントやせん断力は伝達しません。記述は正しいです。
柱脚の固定度は「根巻き>露出」と覚えましょう。
根巻き形式 → コンクリートで覆う → 回転を拘束 → 固定度が高い
露出形式はアンカーボルトのみで支えるため、回転に対しての抵抗が限られるわけです。
鉄骨柱脚で露出形式・根巻き形式・埋込み形式を回転拘束力の高い順に並べると?
埋込み形式 > 根巻き形式 > 露出形式 の順で回転拘束力が高くなります。
出典
※ この記事の確認日:2026年6月
正解:選択肢3
柱脚に高い回転拘束力をもたせるためには、根巻き形式が有効です。露出形式は回転拘束力が低いピン柱脚に近い挙動をします。「根巻き形式ではなく露出形式」という記述は、関係が逆になっており誤りです。