ゼロから学ぶ建築施工管理

  1. HOME
  2. 過去問解説
  3. 1級建築施工管理技士
  4. 令和5年
  5. > No.55 鉄筋の加工及び組立て

令和5年度 1級建築施工管理技士 No.55を解説、鉄筋の加工及び組立て

けんせつる

けんせつる

D25の90°折曲げって内法直径3dでいいの?135°フックの余長は4dで足りるの?

この記事の要点

令和5年度 1級建築施工管理技士 第一次検定 No.55は、鉄筋の加工及び組立てに関する応用能力問題です。五肢のうち不適当なものを2つ選ぶ問いで、正解:選択肢2・4

令和5年度 1級建築施工管理技士 第一次検定 No.55は、鉄筋の加工及び組立てに関する応用能力問題です。五肢択二で「不適当なもの」を2つ選ぶ形式なんです。

問題文は建設業振興基金が公開している公式PDFで確認できます。

5つの記述のうち、不適当なものを2つ選びます。

正解:選択肢2・4

折曲げの数値は丸暗記しがちなところですが、現場では「径が太いほど内法直径は大きく、折曲げ角度が小さいほど余長は長く」と理屈で押さえると間違えません。選択肢2はD25の90°折曲げ内法直径を3dとした点、選択肢4は135°フックの余長を4dとした点が、どちらも基準より小さすぎて誤りなんです。

各選択肢の正誤

選択肢 正誤 解説
1 ○(正しい) D16のあき寸法の最小値は、粗骨材最大寸法20mmなので25mm
2 ×(誤り) D25の90°折曲げ内法直径は4d以上必要。3dでは小さすぎる
3 ○(正しい) 上下に分割したあばら筋の継手を180°フック付き重ね継手とした
4 ×(誤り) 135°フックの余長は6d以上必要。4dは小さすぎる
5 ○(正しい) あばら筋の一辺の加工寸法の許容差は±5mm

選択肢2は90°折曲げ内法直径を3dとした点が誤りで、D25(径28mm以下)では4d以上が必要です。選択肢4は135°フックの余長を4dとした点が誤りで、135°のフックは6d以上が必要なんです。

この問題のポイント

この問題のテーマは、鉄筋を曲げたり並べたりするときの寸法基準なんです。

判断の軸は2つあります。1つは「折り曲げの内側の丸み(内法直径)」、もう1つは「曲げた先に残す直線部分(フックの余長)」です。

どちらも数値が決まっていて、ここを取り違えると一気に間違えます。ここは混乱しやすいところですね。

選択肢1

選択肢1は、D16の鉄筋相互のあき寸法の最小値を25mmとした内容です。

あき寸法とは、隣り合う鉄筋の表面どうしの間隔のことです。粗骨材がすき間を通り抜けられないと、コンクリートが回らずあき不足の不具合になります。

最小値は、粗骨材最大寸法の1.25倍、呼び名(径)の1.5倍、25mmの3つのうち最も大きい値で決めます。粗骨材20mmの1.25倍は25mmなので、25mmが正しいということです。

選択肢2

これが誤りを含む選択肢の1つです。D25の鉄筋を90°折曲げ加工する場合の内法直径を、3dとしています。

折曲げの内側の丸みが小さすぎると、その部分の鉄筋に無理な力がかかり、ひび割れや破断のもとになります。

径28mm以下の鉄筋を90°曲げる場合、内法直径は4d以上必要なんです。D25で3dは基準より小さく、誤りということです。

選択肢3

選択肢3は、水平打継ぎのために上下に分割したあばら筋の継手を、180°フック付きの重ね継手とした内容です。

あばら筋は梁のせん断補強筋で、ぐるりと閉じて初めて力を発揮します。途中で分割するなら、確実に閉じる定着が要ります。

180°フックは最もしっかり引っ掛かる形なので、分割継手として適切です。正しい記述ですね。

選択肢4

これが誤りを含むもう1つの選択肢です。末端部の折曲げ角度が135°の帯筋のフックの余長を、4dとしています。

フックの余長とは、曲げた先に残す直線部分の長さです。これが短いとコンクリートからフックがすっぽ抜けやすくなります。

余長は折曲げ角度が小さいほど長く必要で、180°なら4d以上、135°なら6d以上、90°なら8d以上です。135°で4dは足りず、誤りなんです。

選択肢5

選択肢5は、あばら筋の加工で一辺の寸法の許容差を±5mmとした内容です。

加工寸法には許容差が定められていて、あばら筋・帯筋の一辺は±5mmが標準です。

例えば、現場で曲げ加工した寸法が設計より数mmずれても、この範囲なら許容されます。正しい記述です。なんとなく全体の流れがつかめましたか。

覚え方

折曲げ内法直径 → 径が太い(D25)ほど大きく、90°なら4d以上。余長 → 角度が小さいほど長く、180°=4d / 135°=6d / 90°=8d

選択肢2と4は、どちらも「小さすぎる数値」で引っかけてくるパターンです。基準より小さい値を見たら疑う、と決めておくと迷わなくなるでしょう。

一問一答

Q.

径28mm以下の鉄筋を90°折曲げ加工する場合、内法直径はいくつ以上必要か。

4d以上必要です。3dは小さすぎて不適当です。

Q.

末端部の折曲げ角度が135°のフックの余長は、いくつ以上必要か。

6d以上必要です。参考に180°は4d以上、90°は8d以上です。

令和5年 1級建築施工管理技士 過去問解説 一覧へ

出典

  • 一般財団法人 建設業振興基金「令和5年度 1級建築施工管理技術検定 第一次検定 問題」
けんせつる

この記事を書いた人

ハナダユキヒロミツメラボ

設計事務所に7年勤務し、建築構造設計に従事。設計者として施工図確認・工程会議・検査立会いなど施工管理と協働してきた経験と、公共建築工事標準仕様書・JASS等の一次資料をもとに執筆しています。

「建築学生が学ぶ構造力学」(kentiku-kouzou.jp)を2010年より運営。著書「わかる構造力学」(工学社)。

▼令和5年 1級建築施工管理技士▼

▼他の年度▼

▼他の試験▼

▼カテゴリ一覧▼

Topへ >>