けんせつる
ワーキングジョイントとノンワーキングジョイントってどう違うの?
この記事の要点
ワーキングジョイントとは、温度変化・建物の変形により目地幅が変動する(動く)目地のことです。外壁の伸縮目地・サッシ周りなどが該当し、シーリングには2面接着が必要です。
ノンワーキングジョイントとは、動きがほとんどない目地のことです。3面接着でも破断しにくいため、バックアップ材を省略して3面接着とする場合があります。
シーリング工事で「ワーキングジョイント」という用語を聞いたとき、最初に迷うのは「ワーキング(working)=動く」という意味ではないでしょうか。防水工事の種類の中でも、シーリング工事は独自の概念が多い分野です。
目地の動きの大小によって、シーリングの接着方法(2面接着か3面接着か)が変わります。
ワーキングジョイント(working joint)とは、温度変化・建物の挙動・地震力などによって、目地幅が変動する(動く)目地のことです。
ワーキングジョイントの代表例は次のとおりです。
これらの部位では目地幅が繰り返し変動するため、シーリング材が伸縮に追従できなければなりません。
ザックリ言えば、ワーキングジョイントは「動く目地」、ノンワーキングジョイントは「ほとんど動かない目地」ということです。動く目地には2面接着が必須です。
ノンワーキングジョイント(non-working joint)とは、動きがほとんどない目地のことです。
ノンワーキングジョイントの代表例は次のとおりです。
ワーキングジョイントに3面接着を使うと、目地が動いたときにシーリング材が破断しやすくなります。
その理由を整理しましょう。
2面接着では、両側面だけにシーリング材が接着し、目地底には接着しません。目地が動いても、シーリング材が両側面の間で自然に伸縮できるため、破断しにくくなります。
ワーキングジョイントへの二面接着とノンワーキングジョイントへの三面接着の適用規定は、公共建築工事標準仕様書(下図)に示されています。
例えば、外壁サイディングの目地でバックアップ材を省略して3面接着にすると、夏と冬の温度差によるムーブメントを繰り返すうちにシーリングが破断してしまいます。現場でよく見るパターンで、その結果として雨水浸入のクレームにつながります。
目地底にシーリング材が接着しないようにするために、次のいずれかを使います。
| 方法 | 対象 | 特徴 |
|---|---|---|
| バックアップ材 | 目地深さが一定以上ある場合 | 発泡ポリエチレン等を目地に詰め、深さを調整しながら目地底との接着を防ぐ |
| ボンドブレーカー | 目地が浅くバックアップ材が入らない場合 | テープ状の材料を目地底に貼り付け、シーリング材の接着を防ぐ |
2面接着を実現するためのバックアップ材とボンドブレーカーの材料規定は、公共建築工事標準仕様書(下図)に示されています。
混同しやすい用語の整理
「working」=動く。ワーキングは目地が動く、ノンワーキングは動かないという意味です。
動く目地には2面接着が必要で、動かない目地は3面接着でも可といいます。
どちらも2面接着を実現するために目地底への接着を防ぐ目的で使います。バックアップ材は目地が深い場合に充填する材料、ボンドブレーカーは目地が浅くバックアップ材が使えない場合に貼るテープです。
ワーキングジョイントとはどのような目地か?
温度変化・建物の挙動などにより目地幅が変動する(動く)目地。
ワーキングジョイントに3面接着を使うとなぜ問題か?
目地が動いたときにシーリング材が3方向から引っ張られて破断しやすくなるため。
目地が浅くバックアップ材が入らない場合、2面接着を実現するために何を使うか?
ボンドブレーカー(テープ状の材料を目地底に貼り付けてシーリング材の接着を防ぐ)。
防水工事の種類と施工管理は防水・シーリングにまとめています。
> 2面接着と3面接着の違いを確認する
> バックアップ材とボンドブレーカーの違いを確認する
参考資料
・JASS 8 防水工事(日本建築学会)
・公共建築工事標準仕様書(建築工事編)国土交通省
・JIS A 5758 建築用シーリング材
※ この記事の法令確認日:2026年5月
管理人からのコメント
ワーキングジョイントは動く目地なので必ず2面接着とします。対してノンワーキングジョイントは動きが少ない目地で3面接着も可能です。
目地の種類を誤ってシーリング材を充填すると短期間で破断するリスクがあります。