けんせつる
2成分形シーリング材って、空気中の水分で硬化するんじゃないの?
この記事の要点
令和7年度 1級建築施工管理技士 第一次検定 No.15は、建築用シーリング材に関する問題です。正解は選択肢4。空気中の水分・酸素と反応して表面から硬化するのは1成分形の特徴であり、2成分形は主剤と硬化剤を混合して化学反応で硬化します。
令和7年度 1級建築施工管理技士 第一次検定 No.15は、建築用シーリング材に関する問題です。
問題文は建設業振興基金が公開している公式PDFで確認できます。
この問題では、4つの記述のうち、最も不適当なものを選びます。
| 選択肢 | 正誤 | 解説 |
|---|---|---|
| 1 | ○(正しい) | JISのシーリング材クラスは目地幅に対する拡大率・縮小率で区分が設定されている |
| 2 | ○(正しい) | モジュラスは試験片に一定の伸びを与えたときの引張応力のこと |
| 3 | ○(正しい) | 高モジュラスの1成分形シリコーン系は耐熱・耐寒性に優れ、防かび剤入りは水回りに使用 |
| 4 | ×(誤り) | 空気中の水分・酸素で表面から硬化するのは1成分形。2成分形は主剤と硬化剤の混合で硬化 |
選択肢4の「空気中の水分や酸素と反応して表面から硬化する」という記述は1成分形の説明であり、2成分形には当てはまりません。
シーリング材の問題では、1成分形と2成分形の硬化機構の違いが頻繁に出題されます。
ここは混乱しやすいところですね。「2成分形=2種類の成分がある」という名前のイメージから、空気中の物質とも反応するかのように思いがちです。
しかし実際は、2成分形は缶を開ける前から主剤と硬化剤という2種類が別々に用意されており、現場で混合した瞬間から化学反応が始まります。空気は関係ないわけです。
なんとなくイメージできましたか。では、各選択肢の内容を確認しましょう。
JISではシーリング材のクラスが規定されています。これは、目地がどれだけ動いてもシーリング材が追従できるかを示す区分です。
クラスの区分は、目地幅に対する拡大率(伸び)と縮小率(縮み)の許容値で設定されています。例えばクラス25は±25%の変形に追従できることを意味します。
外壁の目地幅や建物の変形量に合わせて適切なクラスを選定することが、施工管理の重要なポイントのひとつなんです。
モジュラスはシーリング材の硬さを表す指標です。「モジュラスが高い=硬い」「モジュラスが低い=柔らかい」という関係になります。
物性試験では試験片を一定の率で引き伸ばし、そのときに生じる引張応力をモジュラスとして測定します。
ザックリ言えば、「どのくらいの力がかかったときに、どのくらい伸びるか」を数値化したものということです。変形追従性の高いシーリング材には低モジュラスのものが適しています。
シリコーン系シーリング材は、建築用シーリング材のなかでも特に耐熱性と耐寒性に優れた素材です。
高モジュラスの1成分形シリコーン系は、硬化後も弾性を保ちながら高い強度があります。
水回りに使われる防かびタイプは、防かび剤を配合することでカビの発生を抑制します。浴槽の縁や洗面化粧台の周囲など、常時湿潤環境にさらされる部位に使われているわけです。
誤りを含む選択肢です。「空気中の水分や酸素と反応して表面から硬化する」という硬化機構を整理します。
これは1成分形シーリング材の特徴です。1成分形はチューブやカートリッジから押し出した後、空気中の水分(湿気)や酸素に触れることで表面から徐々に硬化が進みます。
2成分形シーリング材の硬化機構はまったく異なります。主剤と硬化剤を施工直前に規定比率で混合することで、両者の化学反応によって硬化します。空気との反応は関係なく、厚みの中心部まで均一に硬化するのが特徴です。
「空気中の水分や酸素と反応して表面から硬化する」という記述を2成分形に当てはめるのは誤りということです。
1成分形と2成分形の硬化機構は、「何と反応するか」で整理します。
1成分形は空気(外から来る水分・酸素)と反応する。2成分形は自分自身(主剤と硬化剤)が反応する。
1成分=外から反応、2成分=自分で反応という対比で覚えると、問題文の「空気中の水分・酸素」というキーワードが1成分形の説明だとすぐに判断できるわけです。
2成分形シーリング材はどのような機構で硬化するか。
施工直前に主剤と硬化剤を混合することで化学反応が起き、硬化します。空気中の水分や酸素とは関係なく内部まで均一に硬化します。
JISにおけるシーリング材のクラスは、何を基準に設定されているか。
目地幅に対する拡大率(伸び)と縮小率(縮み)の許容値を基準にクラスが設定されています。
出典
※ この記事の確認日:2026年6月
正解:選択肢4
「空気中の水分や酸素と反応して表面から硬化する」のは1成分形の特徴です。2成分形は主剤と硬化剤を施工直前に混合することで化学反応が起き、内部から均一に硬化するわけです。