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令和7年度 1級建築施工管理技士 No.32を解説、ALCパネルのシーリングには低モジュラス材を使う

けんせつる

けんせつる

ALCパネルのシーリング材、モジュラスは高いほうがいいの?低いほうがいいの?

この記事の要点

令和7年度 1級建築施工管理技士 第一次検定 No.32は、シーリング工事に関する問題です。正解は選択肢1。ALCパネルは表面強度が小さいため、高モジュラスのシーリング材を使うと引張力でALC表面が破損します。正しくは低モジュラスのシーリング材を使う必要があります。

令和7年度 1級建築施工管理技士 第一次検定 No.32は、シーリング工事に関する問題です。

問題文は建設業振興基金が公開している公式PDFで確認できます。

この問題では、4つの記述のうち、最も不適当なものを選びます。

正解:選択肢1

ALCパネルの表面は強度が小さく、シーリング材が動いたときに引張力が生じます。高モジュラス材は硬く、変形への追従性が低いため引張力が大きくなり、ALC表面を引きはがしてしまいます。柔軟に変形できる低モジュラス材を使うことで、ALC表面への負担を抑えるわけです。「高モジュラスを用いた」という部分が誤りです。

各選択肢の正誤

選択肢 正誤 解説
1 ×(誤り) ALCパネルには低モジュラスのシーリング材を使う(高モジュラスは誤り)
2 ○(正しい) コンクリート外壁の収縮目地は温度ムーブメントが小さいため3面接着でよい
3 ○(正しい) ポリサルファイド系の後に変成シリコーン系を打ち継ぐことは適切
4 ○(正しい) 十字形交差部のシーリング充填は鉛直方向から先に行う

選択肢1の「モジュラスの高いシーリング材を用いた」という記述が誤りで、正しくは低モジュラスのシーリング材が必要です。

この問題のポイント

この問題では、被着体の特性に合わせたシーリング材の選定ができるかが問われています。

モジュラスとは、シーリング材が一定量引き伸ばされたときに発生する応力(引張応力)の大きさのことです。

モジュラスが高い(硬い)シーリング材は、変形に対して大きな力を発生させます。モジュラスが低い(柔らかい)シーリング材は、変形してもあまり力が発生しません。

ザックリ言えば、被着体の強度が弱いほど、シーリング材側が柔軟に動くことで破損を防ぐということです。ALCパネルはその典型例なんです。

選択肢1

これが誤りを含む選択肢です。ALCパネル(軽量気泡コンクリート)の特性を理解することが解答の鍵です。

ALCパネルは軽量で断熱性に優れた外壁材ですが、表面強度が小さいという弱点があります。

温度変化などでALCパネルが動いたとき、目地部のシーリング材も一緒に動きます。このとき高モジュラス材では大きな引張力が発生し、ALC表面を引きちぎってしまうわけです。

モジュラスの高いシーリング材を用いた」というのが誤りで、正しくは低モジュラス材を選定しなければなりません。

選択肢2

コンクリート外壁の収縮目地における3面接着の可否についての問いです。

シーリング目地の接着方法には2面接着3面接着があります。

2面接着は目地底にバックアップ材を入れて目地の両側面だけにシーリング材を接着する方法です。3面接着は目地底にも接着する方法で、ムーブメント(動き)が大きい目地には不向きです。

コンクリート外壁の収縮目地は温度ムーブメントの影響が小さいため、3面接着で施工しても問題ありません。これは正しい記述ということです。

選択肢3

異種シーリング材の打ち継ぎに関するルールを確認しておきましょう。

先打ちしたシーリング材の上に別の種類のシーリング材を打ち継ぐ際、相性の悪い組み合わせでは接着不良や汚染が起きます。

ポリサルファイド系の後に変成シリコーン系を打ち継ぐことは適切な組み合わせとされています。例えば、窓まわりのポリサルファイド系目地に隣接するガラス周辺を変成シリコーンで打ち継ぐようなケースで、この順序であれば問題ないわけです。

選択肢4

壁面の十字形交差部におけるシーリング充填の施工順序についての問いです。

十字形の目地が交差する部分では、充填する順序に決まりがあります。

鉛直方向(縦目地)から先に充填し、その後に水平方向(横目地)を充填します。これは横目地のシーリング材が乾燥・硬化した後に縦目地を充填すると接合部の納まりが悪くなるためで、鉛直方向が先というルールになっているんです。

覚え方

ALCパネルとシーリング材のモジュラスの関係は、「被着体が弱いなら材料も柔らかくする」というシンプルな原則で覚えられます。

ALCはコンクリートより柔らかく、砂のような素材でできています。高モジュラスの硬い材料で引っ張られたら表面が持ちません。

ALC=表面が弱い → シーリング材は低モジュラス(柔らかく追従する)という論理チェーンで記憶しておきましょう。

一問一答

Q.

ALCパネルのシーリング目地に高モジュラスのシーリング材を使ってはいけない理由は何か。

ALCパネルは表面強度が小さいため、高モジュラス材の引張力でALC表面が破損するからです。低モジュラス材を使い、変形追従性を高める必要があります。

Q.

壁面の十字形交差部でシーリング材を充填する場合、鉛直方向と水平方向のどちらを先に行うか。

鉛直方向(縦目地)を先に充填します。その後、水平方向(横目地)を充填するのが正しい施工順序です。

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出典

  • 一般財団法人 建設業振興基金「令和7年度 1級建築施工管理技術検定 第一次検定 問題」
けんせつる

この記事を書いた人

ハナダユキヒロミツメラボ

設計事務所に7年勤務し、建築構造設計に従事。設計者として施工図確認・工程会議・検査立会いなど施工管理と協働してきた経験と、公共建築工事標準仕様書・JASS等の一次資料をもとに執筆しています。

「建築学生が学ぶ構造力学」(kentiku-kouzou.jp)を2010年より運営。著書「わかる構造力学」(工学社)。

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