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鉄筋の機械式継手とは?ねじ節・モルタル充填・端部ねじ・鋼管圧着の見分け方

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けんせつる

けんせつる

機械式継手って、種類が多くて説明文が全部似てるんだけど。

カップラーとスリーブって何が違うの?

この記事の要点

機械式継手は、鉄筋の継手のうち、部品(カップラーやスリーブ)を使って鉄筋どうしをつなぐ方法です。

種類は主に4つ。見分ける鍵は「何を使って、どうやって力を伝えるか」です。ねじをかみ合わせるのか、モルタルを介するのか、外側から押しつぶして節に食い込ませるのか。

1級では、この説明文どうしをすり替える問題が繰り返し出ています。

機械式継手とは、鉄筋の端部に鋼製の部品をかぶせ、部品を介して力を伝える継手です。

ガス圧接のように鉄筋どうしを直接つなぐのではなく、あいだに部品が入るのが特徴です。加熱をしないので、現場の火気管理が不要になります。

まず、部品の呼び名を押さえます。ここが分かると、各工法の説明文が読み分けられます。

部品 何か
カップラー(カプラー) 内面のほぼ全長に雌ねじ加工された継手部品。ねじをかみ合わせて使う
スリーブ 鋼製・純鉄製の筒状の継手部品。かぶせて使う

ねじが切ってあるのがカップラー、ただの筒がスリーブです。説明文に「カップラー」と出てきたら、ねじで留める工法だと分かります。

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機械式継手4種類の見分け方

4つの工法を、使う部品と力の伝え方で並べます。

工法 使う部品 どうやってつなぐか
ねじ節継手 カップラー 節がねじ状に熱間成形されたねじ節鉄筋を、雌ねじ加工されたカップラーでかみ合わせる
端部ねじ継手 カップラー 鉄筋の端部だけをねじ加工(または加工したねじ部を圧接)し、カップラーでつなぐ
モルタル充填継手 スリーブ 内面をリブ加工したスリーブに鉄筋を挿し込み、すき間に無収縮の高強度モルタルを充填する
鋼管圧着継手 スリーブ 鉄筋にスリーブをかぶせ、外側から油圧で圧着して鉄筋の節に食い込ませる

ねじ節継手と端部ねじ継手の違いは、ねじが鉄筋の全長にあるか、端部だけかです。どちらもカップラーを使います。

モルタル充填継手と鋼管圧着継手は、どちらもスリーブを使いますが、力の伝え方が違います。モルタルを介するのが充填、金属どうしを直接食い込ませるのが圧着です。

なお、これらを組み合わせて長所を取り入れたものを併用継手といいます。

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ねじ節継手の「緩み」をどう止めるか

ねじ節継手は、鉄筋とカップラーのねじの間にわずかなすき間が残ります。このすき間を埋めて緩みを解消する方法が2つあります。

  • トルク方式:ロックナットを締め付けて緩みを解消する。
  • グラウト方式:鉄筋とカップラーの節との空隙にグラウトを注入して緩みを解消する。

どちらも目的は同じで、手段が「締める」か「注入する」かの違いです。

施工管理での確認ポイント

  • 製品ごとの仕様書を確認する:機械式継手は工法・製品によって手順も判定基準も違います。使う製品の施工要領書を先に読みます。
  • 部品の受入れ:カップラー・スリーブの種類と径が、鉄筋の径・設計図書の指定と合っているか確認する。
  • 締付け・充填の記録:トルク値やグラウト・モルタルの充填状況など、製品が定める管理値を記録に残す。
  • 継手位置:同一断面に継手を集中させないという原則は、他の継手と同じです(鉄筋の継手)。
  • 火気を使わない利点ガス圧接と違って加熱がないため、火気管理の手間が減ります。一方で部品の材料管理が増えます。

混同しやすい用語の整理

モルタル充填継手 と 鋼管圧着継手

どちらもスリーブ(筒)を使うため、説明文がよく似ています。

モルタル充填継手は、スリーブと鉄筋のすき間にモルタルを充填し、そのモルタルを介して力を伝えます。スリーブは鉄筋に触れていません。

鋼管圧着継手は、スリーブを外側から油圧で押しつぶし、鉄筋の節に金属を直接食い込ませて力を伝えます。モルタルは使いません。

カップラー と スリーブ

カップラーは内面のほぼ全長に雌ねじが切られた部品で、ねじをかみ合わせて使います。スリーブはねじのない筒状の部品です。説明文にどちらが出てくるかで、工法の系統が分かります。

過去問でどう問われたか

鉄筋の機械式継手は、平成30年度から令和7年度まで、1級の第一次検定でほぼ隔年に出ています。引っかけは1つだけで、工法の説明文をすり替えるものです。

  • 充填継手に圧着継手の説明を当てる……「充填継手とは、スリーブをかぶせた後、外側から加圧して節に食い込ませる工法」と読ませる。これは鋼管圧着継手の説明で、充填継手はモルタルを介してつなぐ。
  • ねじ節継手と端部ねじ継手の入れ替え……鉄筋の全長がねじ節か、端部だけをねじ加工したかを取り違えさせる。
  • 接合方法の付け足し……端部ねじ継手に「樹脂を注入して接合する」と余計な手順を足す。
年度・級・No. 問われ方/引っかけ
1級 令和7年 No.25 端部ねじ継手は樹脂を注入して接合するとした → カップラーで接合する(樹脂注入はしない) ←③付け足し
1級 令和5年 No.24 充填継手はスリーブを外側から加圧して節に食い込ませるとした → それは鋼管圧着継手。充填継手はモルタルを充填する ←①すり替え
1級 令和2年 No.26 充填継手はスリーブを外側から加圧して節に食い込ませるとした → 同上。モルタルを充填する工法 ←①すり替え
1級 平成30年 No.26 ねじ節継手はスリーブを外側から加圧して節に食い込ませるとした → ねじ節継手はカップラーでねじをかみ合わせる ←②入れ替え

4年とも、狙われているのは同じ一点です。「外側から加圧して節に食い込ませる」と書いてあったら、それは鋼管圧着継手の説明。充填継手やねじ節継手の名前でこの文が出てきたら誤りです。各行は該当する過去問解説にリンクしています。

理解度チェック

Q.

モルタル充填継手と鋼管圧着継手は、何が違うか。

力の伝え方です。充填継手はスリーブと鉄筋のすき間に無収縮モルタルを充填し、モルタルを介して伝えます。圧着継手はスリーブを外側から油圧で圧着し、鉄筋の節に食い込ませて直接伝えます。

Q.

カップラーとスリーブの違いは何か。

カップラーは内面のほぼ全長に雌ねじ加工された継手部品で、ねじをかみ合わせて使います。スリーブはねじのない筒状の継手部品です。

Q.

ねじ節継手と端部ねじ継手は、どこが違うか。

ねじの位置です。ねじ節継手は鉄筋の節そのものがねじ状に熱間成形された鉄筋を使います。端部ねじ継手は、鉄筋の端部だけをねじ加工(または加工したねじ部を圧接)して使います。どちらもカップラーで接合します。

Q.

ねじ節継手の緩みを解消する方法を2つ挙げよ。

トルク方式(ロックナットを締め付ける)とグラウト方式(鉄筋とカップラーの節との空隙にグラウトを注入する)です。

まとめ

  • 機械式継手=部品を介して鉄筋をつなぐ継手。加熱しないので火気管理が不要。
  • カップラー=雌ねじ付きの部品、スリーブ=ねじのない筒。説明文の見分けの鍵。
  • ねじ節・端部ねじ=カップラーでねじをかみ合わせる。違いはねじが全長か端部だけか。
  • モルタル充填=モルタルを介する、鋼管圧着=外側から圧着して節に食い込ませる。ここのすり替えが過去問の引っかけ。

> 継手全体の整理は鉄筋の継手と定着を確認する
> 加熱してつなぐ方法はガス圧接を確認する
> 配筋の確認項目は鉄筋工事の確認を確認する

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参考資料

  • 一般財団法人 建材試験センター「鉄筋継手 Part4 機械式継手」(ねじ節鉄筋継手・モルタル充填継手・端部ねじ加工継手の定義、カプラーとスリーブの用語)
  • 公益社団法人 日本鉄筋継手協会「機械式継手工法一覧表」(機械式継手工法の分類)
  • 一般財団法人 建設業振興基金「1級 建築施工管理技術検定 第一次検定 問題」(機械式継手の出題)

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けんせつる

この記事を書いた人

ハナダユキヒロミツメラボ

設計事務所に7年勤務し、建築構造設計に従事。設計者として施工図確認・工程会議・検査立会いなど施工管理と協働してきた経験と、公共建築工事標準仕様書・JASS等の一次資料をもとに執筆しています。

「建築学生が学ぶ構造力学」(kentiku-kouzou.jp)を2010年より運営。著書「わかる構造力学」(工学社)。

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