けんせつる
壁つなぎって何?どんな場面で使うの?
この記事の要点
壁つなぎは足場の建地と建物躯体を接続して転倒・変形を防ぐ部材で、法令で設置間隔が定められています。
足場は建物に固定されていなければ、風・作業荷重・地震などの外力で転倒・変形するリスクがあります。
この固定に使われる部材が壁つなぎです。設置間隔は足場の種類ごとに労働安全衛生規則で定められており、施工管理上の基本確認項目のひとつです。
壁つなぎとは、足場の建地(支柱)と建物の躯体を接続して足場を安定させる部材です。
足場全体の転倒・変形・倒壊を防止するための重要な安全設備ということです。ザックリ言えば、「足場が倒れないように建物にくくりつける金物」です。
例えば、枠組足場を10階建てマンションの外壁に沿って設置したとき、壁つなぎがなければ強風で足場全体が外側に倒れてしまいます。壁つなぎはこれを防ぐために必要です。
取り付け方法:アンカーを打ち込んで壁に固定する方法(打込み式)・躯体の開口部を利用する方法・型枠合板に固定する方法などがあります。足場の解体後は壁つなぎの跡を適切に補修する必要があります。
壁つなぎの設置間隔は足場の種類によって異なります。ここは混乱しやすいところですね。
しっかり整理しましょう。
| 足場の種類 | 垂直方向 | 水平方向 |
|---|---|---|
| 枠組足場 | 9m以下 | 8m以下 |
| 単管足場(1本建地) | 5m以下 | 5.5m以下 |
| 単管足場(2本建地) | 5m以下 | 5.5m以下 |
| くさび緊結式足場 | 5m以下 | 5.5m以下 |
くさび緊結式足場の壁つなぎ間隔は、法令上単管足場と同じ基準(垂直5m以下・水平5.5m以下)を適用します。枠組足場の基準ではないので注意しましょう。
特に枠組足場の「垂直9m・水平8m」と単管足場の「垂直5m・水平5.5m」の数値は頻出の確認ポイントです。枠組足場は「9と8」、単管足場は「5と5.5」と覚えておきましょう。
手すり等・幅木の設置基準は、滋賀労働局の資料(下図)に示されています。
壁つなぎは足場の最下層から最上層まで、定められた間隔ごとに設置します。
最初の壁つなぎは足場の底部(地上から最初のつなぎ高さ以内)に設置し、以降は上方に向かって規定間隔ごとに設置します。足場の全高さにわたって適正間隔で設けるのが基本です。
わく組足場の壁つなぎ・交さ筋かい規定は、滋賀労働局の資料(下図)に示されています。
混同しやすい用語の整理
枠組足場は「9と8」、単管足場は「5と5.5」と覚えましょう。枠組足場の方が間隔が広い(壁つなぎの設置数が少なくて済む)のは、建枠自体が剛性の高い構造体であるためです。
壁つなぎは足場を建物躯体に接続する部材です。控えは足場を地面などにロープ・ワイヤーで引っ張って固定する方法で、壁つなぎが設けられない場合の代替措置として使われます。
枠組足場の壁つなぎの設置間隔(垂直・水平)は?
垂直9m以下・水平8m以下。
(出題例:二級建築士令和2年 問5)
単管足場の壁つなぎの設置間隔(垂直・水平)は?
垂直5m以下・水平5.5m以下。
壁つなぎの役割を一言で説明すると?
足場の建地と建物躯体を接続し、足場の転倒・変形・倒壊を防ぐ。
くさび緊結式足場の壁つなぎ間隔は、枠組足場と単管足場どちらの基準を適用するのか?
単管足場の基準を適用する(垂直5m以下・水平5.5m以下)。枠組足場の基準ではない。
> 足場の種類(枠組・単管・くさび緊結式)を確認する
仮設・足場の施工管理は仮設・足場にまとめています。
参考資料
・労働安全衛生法(昭和47年法律第57号)
・労働安全衛生規則(昭和47年労働省令第32号)
・クレーン等安全規則(昭和47年労働省令第34号)
・厚生労働省 職場のあんぜんサイト
※ この記事の法令確認日:2026年5月
管理人からのコメント
壁つなぎは風圧・地震などの水平荷重に足場が耐えるための重要な部材です。設置間隔は足場の種類・高さによって法令で定められており、省略・撤去は禁止です。
建物開口部で壁つなぎが設置できない場合は補間措置を計画書に記載してください。