けんせつる
ヤング係数って「膨らみやすさ」のことだっけ、それとも「変形のしにくさ」だっけ。
この記事の要点
令和7年度(後期)2級建築施工管理技士 第一次検定 No.10は、構造材料の力学的性質に関する問題です。正解は選択肢2。
令和7年度(後期)2級建築施工管理技士 第一次検定 No.10は、構造材料の力学的性質に関する問題です。
問題文は建設業振興基金が公開している公式PDFで確認できます。
この問題では、4つの記述のうち、最も不適当なものを選びます。
| 選択肢 | 正誤 | 解説 |
|---|---|---|
| 1 | ○(正しい) | 縦ひずみに対する横ひずみの比をポアソン比という |
| 2 | ×(誤り) | 熱による単位長さ当たりの膨張の割合は線膨張係数。ヤング係数ではない |
| 3 | ○(正しい) | 応力度とひずみ度が比例関係にあることをフックの法則という |
| 4 | ○(正しい) | 曲げモーメントを断面二次モーメントで除し中立軸からの距離を乗じたものを曲げ応力度という |
選択肢2は、熱による膨張の割合を「ヤング係数」と言い切っている点が誤りです。正しくは線膨張係数の説明になっています。
この問題では、力学の用語と定義を取り違えていないかが問われています。
特に紛らわしいのが、選択肢2に出てくるヤング係数です。ここを整理できれば解けるわけです。
ヤング係数は、応力度をひずみ度で割った値で、材料の変形のしにくさ(硬さ)を表します。温度とは関係がありません。
一方、温度が1度上がったときに材料が単位長さ当たりどれだけ伸びるかの割合は線膨張係数といいます。選択肢2はこの2つを取り違えているんです。
選択肢1はポアソン比についての記述です。
材料を一方向に引っ張ると、その方向に伸びる(縦ひずみ)と同時に、直角方向には縮みます(横ひずみ)。この縦ひずみに対する横ひずみの比がポアソン比なんです。
例えば、ゴムを引っ張ると細くなるイメージですね。記述のとおりなので適当です。
これが誤りを含む選択肢です。「熱による材料の単位長さ当たりの膨張長さの割合をヤング係数という」とありますが、これは別の用語の定義になっています。
熱で材料がどれだけ伸び縮みするかの割合は線膨張係数です。
ヤング係数は、応力度とひずみ度の比(弾性係数)であり、温度ではなく力に対する変形のしにくさを表す値なんです。
温度の話と力の話を取り違えているため、選択肢2は不適当ということです。
選択肢3はフックの法則についての記述です。
弾性体では、力をかけると変形し、応力度とひずみ度が比例関係になります。この関係がフックの法則ですね。
ばねを引っ張る力が2倍になれば伸びも2倍になる、という関係をイメージするとわかりやすいです。記述のとおりなので適当です。
選択肢4は曲げ応力度についての記述です。
梁などに曲げモーメントが作用したとき、断面に生じる応力度を曲げ応力度といいます。曲げモーメントを断面二次モーメントで割り、中立軸からの距離を掛けて求めるわけです。
計算式のとおりの説明なので、これは適当です。
選択肢2のひっかけは、「温度」と「力」のどちらの話かで見分けられます。
熱で伸び縮みする割合が線膨張係数、力に対する変形のしにくさがヤング係数です。
熱→線膨張係数、力→ヤング係数とセットで覚えると、選択肢2のような取り違えに引っかからなくなるでしょう。
熱による材料の単位長さ当たりの膨張の割合を何というか。
線膨張係数です。
応力度とひずみ度が比例関係にあることを何というか。
フックの法則です。
出典
※ この記事の確認日:2026年6月
正解:選択肢2
選択肢2は「ヤング係数」の説明になっていません。熱による単位長さ当たりの膨張の割合は線膨張係数のことなんです。ヤング係数は応力度とひずみ度の比であって、温度とは関係がない、と押さえておくと混乱しませんね。