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令和5年度(後期)2級建築施工管理技士 No.3を解説、音の考え方

けんせつる

けんせつる

60dBの音が2つあったら、足して120dBになるんじゃないの。

この記事の要点

令和5年度(後期)2級建築施工管理技士 第一次検定 No.3は、音に関する問題です。正解は選択肢3。同じ強さの音が2つ重なっても単純な足し算にはならないからです。

令和5年度(後期)2級建築施工管理技士 第一次検定 No.3は、音に関する問題です。

問題文は建設業振興基金が公開している公式PDFで確認できます。

この問題では、4つの記述のうち、最も不適当なものを選びます。

正解:選択肢3

デシベルは対数で表す量なので、同じ強さの音が2つ重なっても単純に2倍(足し算)にはならないんです。同じレベルの音が2つだと、上がるのは約3dBだけです。60+60=120と勘違いしがちですが、これが一番ねらわれる引っかけですね。

各選択肢の正誤

選択肢 正誤 解説
1 ○(正しい) 仕上げが同じなら、室容積が大きいほど残響時間は長い
2 ○(正しい) 可聴周波数は一般に20Hzから20,000Hz
3 ×(誤り) 60dBの同じ音が2つでも約120dBにはならない。約63dB
4 ○(正しい) 周波数の低い音は、壁や塀の背後に回り込みやすい

選択肢3は、デシベルを単純に足して約120dBとしている点が誤りで、正しくは約63dBです。

この問題のポイント

この問題では、残響・可聴域・デシベルの合成・回折といった音の基本が問われています。

特にデシベルの合成は混乱しやすいところですね。

デシベル(dB)は、音のエネルギーを対数で表した値です。だから単純な足し算は使えないわけです。

同じ強さの音が2つ重なると、エネルギーは2倍になり、レベルは約3dB増えるだけです。なぜかというと、log10で2倍は約0.3、それを10倍して約3dBになるからなんです。

選択肢1

選択肢1は残響時間についての記述です。

残響時間は、音を止めてから音のエネルギーが一定割合まで下がるのにかかる時間です。室の仕上げ(吸音)が同じなら、室容積が大きいほど長くなります。

広い部屋ほど音が長く響くわけです。記述のとおりなので適当ですね。

選択肢2

選択肢2は可聴周波数についての記述です。

人が音として聞き取れる周波数は、一般に20Hzから20,000Hzとされています。これより低いと低周波音、高いと超音波です。

記述のとおりなので適当です。

選択肢3

これが誤りを含む選択肢です。「60dBの同じ音源が2つ同時に存在する場合、音の強さのレベルは約120dBになる」とあります。

しかしデシベルは対数で表す量なので、単純に足してはいけません。同じレベルの音が2つだと、エネルギーは2倍、レベルは約3dB増えるだけで、約63dBになります。

例えば同じ機械が2台動いても、音は2倍うるさく聞こえるわけではないんです。120dBという記述は誤りなので、選択肢3は不適当ということです。

選択肢4

選択肢4は音の回折についての記述です。

周波数の低い音(低音)は波長が長く、壁や塀などの障害物の背後に回り込みやすい性質があります。これを回折といいます。

例えば隣の部屋からは低い音のほうが漏れて聞こえやすいですね。記述のとおりなので適当です。

覚え方

デシベルの合成は、「対数だから単純に足せない」と覚えると間違えにくくなります。

同じ強さの音が2つ重なると、上がるのはたった約3dBです。

同じレベルの音が2つ=約3dB増えるだけ、足し算ではないとセットで覚えると、選択肢3のような引っかけに強くなるでしょう。

一問一答

Q.

60dBの同じ音が2つ同時に鳴ると、音の強さのレベルはおよそ何dBになるか。

約63dBです。デシベルは対数なので、単純に120dBにはなりません。

Q.

周波数の低い音と高い音では、どちらが壁や塀の背後に回り込みやすいか。

低い音です。波長が長いため回折しやすいのです。

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出典

  • 一般財団法人 建設業振興基金「令和5年度(後期)2級建築施工管理技術検定 第一次検定 問題」
けんせつる

この記事を書いた人

ハナダユキヒロミツメラボ

設計事務所に7年勤務し、建築構造設計に従事。設計者として施工図確認・工程会議・検査立会いなど施工管理と協働してきた経験と、公共建築工事標準仕様書・JASS等の一次資料をもとに執筆しています。

「建築学生が学ぶ構造力学」(kentiku-kouzou.jp)を2010年より運営。著書「わかる構造力学」(工学社)。

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