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平成29年度(前期)2級建築施工管理技士 学科試験 No.8 を解説、構造材料の力学的性質

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平成29年度(前期)2級建築施工管理技士 学科試験 No.8は、構造材料の力学的性質に関する問題です。この問題では、4つの記述のうち、最も不適当なものを選びます。

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この問題のポイント

この問題は、構造材料の基本用語(クリープ・応力度とひずみ度の比・座屈・塑性)の意味を横断で問うものです。なかでも引っかけの核心は応力度とひずみ度の比はヤング係数であってポアソン比ではないという点で、2つの用語を混同していないかが分かれ目になります。

※ 問題文そのものは、建設業振興基金が公開している公式サイトで確認できます。

正解:選択肢2(最も不適当な記述)

各選択肢の正誤

選択肢 正誤 解説
1 ◯(正しい) 持続荷重でひずみが時間とともに増大する現象をクリープという
2 ×(誤り) 応力度σとひずみ度εの比(σ/ε)はヤング係数(弾性係数)であり、ポアソン比ではない。ポアソン比は横ひずみと縦ひずみの比
3 ◯(正しい) 圧縮力で材が急に横へ曲がり出す現象を座屈という
4 ◯(正しい) 外力を除いても変形が残る性質を塑性という

選択肢2はσ/εをポアソン比とした点が誤りで、正しくはヤング係数(弾性係数)です。

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選択肢2のポイント(ここが誤り)

応力度σは断面1mm²あたりに生じる力、ひずみ度εはもとの長さに対する伸び縮みの割合です。鋼材の引張試験でこの2つの関係をグラフにすると、変形が小さいうちは原点を通る直線になります。

この直線の傾き、つまりσをεで割った値(σ/ε)がヤング係数(弾性係数)です。傾きが急なほど、同じ力をかけても変形が小さい、つまり硬い材料ということになります。鋼のヤング係数が約205kN/mm²、コンクリートが約21〜35kN/mm²で、鋼がコンクリートよりはるかに変形しにくいのは、この値の差として説明できるわけです。

一方ポアソン比は、材料を縦に縮めたときに横へどれだけ膨らむかを表す値で、横ひずみ÷縦ひずみで求めます。鋼でおよそ0.3、コンクリートで0.2程度です。力と変形の比であるヤング係数とは、次元も意味もまったく違う量なんです。

覚え方

  • σ÷ε=応力度-ひずみ度グラフの傾き=硬さ=ヤング係数(弾性係数)
  • ポアソン比=横ひずみ÷縦ひずみ(縦に縮めると横に膨らむ割合)
  • 鋼のヤング係数は約205kN/mm²、ポアソン比は約0.3
  • クリープ=一定荷重で時間とともにひずみ増大/座屈=圧縮で急に横へ曲がる

理解度チェック

Q.

応力度σとひずみ度εの比(σ/ε)を何というか。

ヤング係数(弾性係数)です。応力度-ひずみ度グラフの直線部分の傾きにあたり、値が大きいほど変形しにくい硬い材料であることを表します。

Q.

ポアソン比は何と何の比か。

横ひずみと縦ひずみの比です。材料を縦に縮めたときに横へ膨らむ割合を表し、鋼でおよそ0.3です。力と変形の比であるヤング係数とは別の量です。

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出典

  • 一般財団法人 建設業振興基金「平成29年度(前期)2級建築施工管理技術検定(学科)試験 問題」

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けんせつる

この記事を書いた人

ハナダユキヒロミツメラボ

設計事務所に7年勤務し、建築構造設計に従事。設計者として施工図確認・工程会議・検査立会いなど施工管理と協働してきた経験と、公共建築工事標準仕様書・JASS等の一次資料をもとに執筆しています。

「建築学生が学ぶ構造力学」(kentiku-kouzou.jp)を2010年より運営。著書「わかる構造力学」(工学社)。

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