ゼロから学ぶ建築施工管理

  1. HOME
  2. 過去問解説
  3. 2級建築施工管理技士
  4. 平成27年
  5. > No.53 張り石工事の乾式工法

平成27年度 2級建築施工管理技士 学科試験 No.53 を解説、張り石工事の乾式工法

平成27年度 2級建築施工管理技士 学科試験 No.53 は、外壁の張り石工事における乾式工法の特徴に関する問題です。

この問題では、湿式工法と比較した乾式工法の特徴として、最も不適当なものを選びます。

この問題で問われていること

  1. 凍結被害への強さ
  2. 白華現象の起こりにくさ
  3. 地震時の躯体挙動への追従性
  4. 石材の熱変形による影響

※ 問題文そのものは建設業振興基金が公開している公式PDFで確認できます。上記は、その記述で問われている論点を整理したものです。

正解:選択肢3(これが最も不適当な記述)

乾式と湿式の特徴をごちゃ混ぜにしてしまうのが一番危ない考え方なんです。

乾式工法は金物で石を固定するので、地震時の躯体の挙動に追従しやすいのが正解で、選択肢3の追従しにくいは湿式の話なんです。乾式=金物固定=挙動に追従しやすいとつなげて覚えましょうね。

各選択肢の正誤

選択肢 正誤 解説
1 ◯(正しい) モルタルがないので凍結による被害を受けにくい
2 ◯(正しい) モルタルを使わないので白華現象が起こりにくい
3 ×(誤り) 乾式は金物固定なので躯体の挙動に追従しやすい
4 ◯(正しい) 金物の遊びにより石材の熱変形の影響を受けにくい

選択肢3のポイント(ここが誤り)

選択肢3は、乾式工法は地震時の躯体の挙動に追従しにくい、としています。

ところが、これは湿式工法の弱点を乾式に当てはめた誤りです。

乾式工法は、石材をファスナーなどの金物で躯体に固定する工法です。

なぜかというと、金物には遊びがあり、地震で躯体が変形しても石材がその動きに追従できる仕組みになっているからです。

例えば、湿式工法はモルタルで石を一体に固めてしまうので、躯体が動くとひび割れや剥落が起きやすいからです。乾式はそこを金物で逃がしています。

ザックリ言えば、乾式は金物で動きを逃がせるから躯体の挙動に追従しやすい、ということです。

覚え方

  • 乾式工法=金物固定=躯体の挙動に追従しやすい
  • 追従しにくいのは湿式(モルタル一体)
  • 乾式はモルタルがないので凍害・白華に強い

一問一答

Q.

外壁張り石の乾式工法は、地震時の躯体の挙動に対してどうか。

金物で固定し遊びがあるため、躯体の挙動に追従しやすいです。追従しにくいのはモルタルで固める湿式工法で、乾式に当てはめた記述は誤りです。

平成27年 2級建築施工管理技士 学科試験 過去問解説 一覧へ

出典

  • 一般財団法人 建設業振興基金「平成27年度 2級建築施工管理技術検定(学科)試験 問題」
けんせつる

この記事を書いた人

ハナダユキヒロミツメラボ

設計事務所に7年勤務し、建築構造設計に従事。設計者として施工図確認・工程会議・検査立会いなど施工管理と協働してきた経験と、公共建築工事標準仕様書・JASS等の一次資料をもとに執筆しています。

「建築学生が学ぶ構造力学」(kentiku-kouzou.jp)を2010年より運営。著書「わかる構造力学」(工学社)。

Topへ >>