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令和7年度 1級建築施工管理技士 No.68を解説、関係請負人が選任すべきは安全衛生推進者ではなく安全衛生責任者

けんせつる

けんせつる

「安全衛生責任者」と「安全衛生推進者」、似ているけど全然別の役職です。どちらが下請業者の選任義務か分かりますか?

この記事の要点

令和7年度 1級建築施工管理技士 第一次検定 No.68は、建設業の安全衛生管理体制(労働安全衛生法)に関する問題です。正解は選択肢2。

令和7年度 1級建築施工管理技士 第一次検定 No.68は、建設業の安全衛生管理体制に関する問題です。

問題文は建設業振興基金が公開している公式PDFで確認できます。

この問題では、4つの記述のうち、最も不適当なものを選びます。

正解:選択肢2

統括安全衛生責任者を選任すべき事業者以外の関係請負人が選任しなければならないのは、安全衛生責任者(労働安全衛生法第16条)です。「安全衛生推進者」は小規模事業場(常時10人以上50人未満)で選任が必要な役職であり、建設現場の関係請負人とは別の文脈で登場するんです。この2つの混同は現場でも試験でもよくある間違いです。

各選択肢の正誤

選択肢 正誤 解説
1 ○(正しい) 総括安全衛生管理者は事業の実施を統括管理する者を充てる(労働安全衛生法第10条)
2 ×(誤り) 関係請負人が選任するのは安全衛生責任者であり、「安全衛生推進者」は誤り(労働安全衛生法第16条)
3 ○(正しい) 常時50人以上の事業場では安全委員会・衛生委員会または安全衛生委員会の設置義務がある(労働安全衛生法第17〜19条)
4 ○(正しい) 常時100人以上の事業場(建設業)では総括安全衛生管理者の選任義務がある(労働安全衛生法施行令第2条)

選択肢2の「安全衛生推進者を選任しなければならない」という記述が誤りで、正しくは安全衛生責任者を選任しなければなりません。

この問題のポイント

この問題では、建設現場の安全衛生管理体制における各役職の選任義務と条件を正しく把握しているかが問われています。

特に「安全衛生責任者」と「安全衛生推進者」の混同が論点です。名前が似ているため、どちらがどの場面で選任されるかをしっかり区別しておく必要があります。

ザックリ言えば、「安全衛生責任者」は建設現場で下請が元請に向けて選任する役職、「安全衛生推進者」は小規模な事業場内の安全衛生活動を担う役職ということです。

選択肢1

労働安全衛生法第10条では、総括安全衛生管理者について定めています。

総括安全衛生管理者は、当該事業場においてその事業の実施を統括管理するものをもって充てなければなりません。

なぜかというと、総括安全衛生管理者は安全管理者・衛生管理者の指揮や、事業場全体の安全衛生に関する業務を統括するポジションだからです。実際の権限を持つ人物でなければ機能しないわけです。

選択肢2

これが誤りを含む選択肢です。労働安全衛生法第16条では、関係請負人の安全衛生管理について定めています。

統括安全衛生責任者を選任すべき事業者以外の請負人で、当該仕事を自ら行う関係請負人は、安全衛生責任者を選任しなければなりません。

安全衛生推進者」という名称が誤りの核心です。安全衛生推進者は労働安全衛生法第12条の2に基づく役職で、常時10人以上50人未満の事業場で選任が必要なものです。建設現場の下請会社に課せられる義務ではありません。

現場ではこの2つを混同して覚えているケースをよく聞きますが、試験では必ず区別が問われますよ。

選択肢3

労働安全衛生法では、委員会の設置義務について事業場の規模に応じた基準を定めています。

常時50人以上の労働者を使用する事業場では、安全委員会および衛生委員会、またはこれらを統合した安全衛生委員会を設けなければなりません。

なぜかというと、50人という規模になると労働者の多様な働き方・危険作業・健康リスクが増え、組織的な議論が必要になるからです。50人というラインは、安全衛生委員会の設置だけでなく、衛生管理者の選任義務(50人以上)とも一致しています。

選択肢4

労働安全衛生法施行令第2条では、業種別に総括安全衛生管理者を選任すべき事業場の規模を定めています。

建設業においては、常時100人以上の労働者を使用する事業場で総括安全衛生管理者の選任が義務付けられています。

ここは混乱しやすいところですね。業種によって異なる数字が設定されています。製造業では300人以上、小売業・旅館・ゴルフ場等では100人以上、建設業・林業・鉱業等では100人以上です。建設業は100人が基準と押さえておきましょう。

覚え方

安全衛生責任者と安全衛生推進者の違いは、「場面」で区別するのが一番です。

安全衛生責任者 → 建設現場の関係請負人(下請)が元請との連絡窓口として選任する役職。安全衛生推進者 → 小規模事業場(10人以上50人未満)で選任する事業場内の役職という形で整理しておきましょう。

試験では「関係請負人が選任するのは安全衛生推進者」という誤りの選択肢が出やすいので、「下請が選任するのは責任者、小規模事業場が選任するのは推進者」という対比で記憶すると間違えにくくなります。

一問一答

Q.

統括安全衛生責任者を選任すべき事業者以外の関係請負人が、仕事を自ら行う場合に選任しなければならないのはどの役職か。

安全衛生責任者です(労働安全衛生法第16条)。安全衛生推進者ではありません。

Q.

建設業において、総括安全衛生管理者の選任が義務付けられるのは常時何人以上の労働者を使用する事業場か。

常時100人以上です。労働安全衛生法施行令第2条で業種別に定められており、建設業は100人が基準です。

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出典

  • 一般財団法人 建設業振興基金「令和7年度 1級建築施工管理技術検定 第一次検定 問題」
けんせつる

この記事を書いた人

ハナダユキヒロミツメラボ

設計事務所に7年勤務し、建築構造設計に従事。設計者として施工図確認・工程会議・検査立会いなど施工管理と協働してきた経験と、公共建築工事標準仕様書・JASS等の一次資料をもとに執筆しています。

「建築学生が学ぶ構造力学」(kentiku-kouzou.jp)を2010年より運営。著書「わかる構造力学」(工学社)。

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