けんせつる
業務上のケガで休業中の労働者は「絶対に解雇できない」と思っていませんか? 実は例外があるんです。
この記事の要点
令和7年度 1級建築施工管理技士 第一次検定 No.67は、労働契約(労働基準法)に関する問題です。正解は選択肢2。
令和7年度 1級建築施工管理技士 第一次検定 No.67は、労働契約に関する問題です。
問題文は建設業振興基金が公開している公式PDFで確認できます。
この問題では、4つの記述のうち、最も不適当なものを選びます。
| 選択肢 | 正誤 | 解説 |
|---|---|---|
| 1 | ○(正しい) | 原則として契約期間は3年を超えてはならない(労働基準法第14条) |
| 2 | ×(誤り) | やむを得ない事由で事業継続が不可能となった場合は例外として解雇できる(労働基準法第19条) |
| 3 | ○(正しい) | 使用者は、労働契約に附随して労働者に貯蓄の契約をさせてはならない(労働基準法第18条) |
| 4 | ○(正しい) | 解雇理由の証明書には、労働者が請求しない事項を記入してはならない(労働基準法第22条) |
選択肢2の「やむを得ない事由のために事業の継続が不可能となった場合においても解雇してはならない」という部分が誤りで、正しくはそのような場合には例外として解雇が認められます。
この問題では、労働基準法の解雇禁止規定と、その例外を正しく把握しているかが問われています。
ここは混乱しやすいところですね。「業務上負傷で休業中は解雇できない」という原則はよく知られていますが、「やむを得ない事由による例外」まで覚えている人は少ないんです。
ザックリ言えば、「労働者を守る規定」には必ずといっていいほど「使用者側のやむを得ない例外」がセットになっているということです。原則だけで覚えると試験で引っかかります。
労働基準法第14条では、労働契約の期間について定めています。
原則として、3年を超える契約期間は締結してはならないとされています。ただし、一定の事業の完了に必要な期間を定めるものはこの限りではありません。
また、高度専門職(弁護士・公認会計士など)や満60歳以上の労働者との契約では、5年まで認められるという例外もあります。この「3年と5年の使い分け」も試験で狙われる部分なんです。
これが誤りを含む選択肢です。労働基準法第19条では、解雇の禁止についてこう定めています。
使用者は、労働者が業務上負傷または疾病にかかり療養のために休業する期間と、その後の30日間は解雇してはならないということです。
ここまでは選択肢の記述と一致しています。問題は続きです。
同条のただし書きでは、「やむを得ない事由のために事業の継続が不可能となった場合」には例外として解雇が認められると規定しています。
選択肢2の記述では「そのような事由があっても解雇してはならない」という読み方ができる構造になっており、これが誤りの核心です。
労働基準法第18条では、強制貯金の禁止について定めています。
使用者は、労働契約に附随して貯蓄の契約をさせてはならないし、貯蓄金を管理する契約をしてもいけません。
なぜかというと、強制貯金は実質的な労働者への束縛につながるからです。例えば「辞めたら預けた金は返さない」といった形で退職を引き留める手段として使われる恐れがあります。こうした実態を防ぐための規定なんです。
労働基準法第22条では、解雇予告された労働者が求める解雇理由の証明書について定めています。
証明書には、労働者が請求しない事項を記入してはならないという制限があります。
例えば、労働者が「解雇理由」だけの証明を求めているのに、使用者が勝手に「勤務成績が悪かった」「遅刻が多かった」などを追記することは禁じられています。あくまで労働者が求めた内容の範囲内で証明するわけです。
業務上負傷による解雇禁止の例外は、「事業自体が続けられなくなったとき」というイメージで覚えると整理しやすくなります。
休業期間中+30日間は解雇禁止 → ただし事業継続が不可能なやむを得ない事由があれば例外という流れでセットにしておきましょう。
「原則は禁止、例外はある」という構造は労働基準法の多くの条文に共通する形です。試験では「例外なし」に見える選択肢が誤りとして出題されやすいので注意しましょうね。
業務上負傷により療養のために休業する期間中に、使用者がやむを得ない事由で事業継続が不可能となった場合、解雇することは認められるか。
認められます。労働基準法第19条では休業期間中の解雇を原則禁止していますが、やむを得ない事由のために事業の継続が不可能となった場合は例外として解雇が認められます。
労働基準法における原則的な労働契約の期間の上限は何年か。
3年です。ただし高度専門職や満60歳以上の労働者との契約では5年まで認められます。
出典
※ この記事の確認日:2026年6月
正解:選択肢2
労働基準法第19条では、業務上負傷による休業期間中とその後30日間の解雇は原則として禁止されています。ただし、やむを得ない事由のために事業の継続が不可能となった場合は例外として解雇できます。選択肢2の記述は「そのような事由があっても解雇してはならない」という読み方になるため、誤りなんです。「例外なし」と捉えられる書き方が落とし穴です。