けんせつる
間仕切壁の過半を修繕したら、大規模の修繕になるんじゃないの?
この記事の要点
令和7年度 1級建築施工管理技士 第一次検定 No.61は、建築基準法上の用語の定義に関する問題です。正解は選択肢4。「大規模の修繕」は主要構造部の修繕を指すため、構造上重要でない間仕切壁の修繕がいくら広範囲であっても、大規模の修繕には該当しないわけです。
令和7年度 1級建築施工管理技士 第一次検定 No.61は、「建築基準法」上の用語の定義に関する問題です。
問題文は建設業振興基金が公開している公式PDFで確認できます。
この問題では、4つの記述のうち、誤っているものを1つ選びます。
| 選択肢 | 正誤 | 解説 |
|---|---|---|
| 1 | ○(正しい) | 建築物に附属する塀は、建築基準法第2条第1号の「建築物」に含まれる |
| 2 | ○(正しい) | 共同住宅は建築基準法別表第1に掲げる特殊建築物に該当する |
| 3 | ○(正しい) | 百貨店の売場は「居住、執務、作業、集会、娯楽その他これらに類する目的のために継続的に使用する室」にあたり、居室に該当する |
| 4 | ×(誤り) | 「構造上重要でない間仕切壁」は主要構造部ではないため、その過半の修繕は大規模の修繕に該当しない |
選択肢4の「構造上重要でない間仕切壁の過半の修繕が大規模の修繕にあたる」という記述が誤りです。大規模の修繕の対象は主要構造部に限られます。
この問題では、建築基準法上の「主要構造部」と「大規模の修繕」の定義を正確に理解しているかが問われています。
ここで整理しておきたいのが「主要構造部とは何か」ということです。
建築基準法第2条第5号では、主要構造部を「壁、柱、床、はり、屋根又は階段」と定めています。ただし「構造上重要でない間仕切壁、間柱、付け柱、揚げ床、最下階の床、廻り舞台の床、小ばり、ひさし、局部的な小階段、屋外階段その他これらに類する建築物の部分を除く」とされているわけです。
つまり間仕切壁の中でも「構造上重要でないもの」は主要構造部から除外されているということです。
建築物の定義については、建築基準法第2条第1号に規定があります。
同号では「土地に定着する工作物のうち、屋根及び柱若しくは壁を有するもの(これに類する構造のものを含む。)、これに附属する門若しくは塀、観覧のための工作物又は地下若しくは高架の工作物内に設ける事務所、店舗、興行場、倉庫その他これらに類する施設」を建築物と定義しています。
附属する塀は明文で建築物として列挙されているため、この記述は正しいということです。
特殊建築物の定義については、建築基準法第2条第2号に規定があります。
共同住宅は建築基準法別表第1(い)欄に掲げられており、特殊建築物に該当します。例えば、共同住宅を新築・増築する際は建築確認申請の要件が通常の住宅より厳しくなる部分があるわけです。
ここは混乱しやすいところですね。「住宅なのに特殊建築物?」と感じる方も多いですが、共同住宅は多数の居住者が利用するため、法律上は特殊建築物として扱われます。
居室の定義は建築基準法第2条第4号にあります。「居住、執務、作業、集会、娯楽その他これらに類する目的のために継続的に使用する室をいう」とされています。
百貨店の売場は顧客が継続的に利用し、従業員が就業する空間です。娯楽・集会目的の継続使用にあたるため、居室に該当するということです。
なお、廊下・便所・倉庫などは居室に含まれません。これも確認しておきましょう。
ここが誤りを含む選択肢です。「建築物の構造上重要でない間仕切壁の過半の修繕は、大規模の修繕である」という記述です。
建築基準法第2条第14号では「大規模の修繕」を「建築物の主要構造部の一種以上について過半の修繕をいう」と定義しています。
「構造上重要でない間仕切壁」は同法第2条第5号のただし書きによって主要構造部から除外されています。したがってその過半を修繕したとしても、大規模の修繕には該当しません。
ザックリ言えば、「構造上重要でない」と名前にわざわざ書いてある部分を修繕しても、法律上の「大規模の修繕」にはカウントされないということです。
「大規模の修繕」の定義を覚えるときは、条文の構造をそのまま頭に入れると確実です。
主要構造部は「壁・柱・床・はり・屋根・階段」の6種類です。そのうちの「一種以上」の「過半」を修繕すると大規模の修繕になります。
主要構造部(壁・柱・床・はり・屋根・階段)の1種以上かつ過半の修繕 → 大規模の修繕という流れで覚えると、どんな言い方をされても判断できるようになります。
建築基準法上の「大規模の修繕」とはどのように定義されているか。
建築物の主要構造部の一種以上について過半の修繕をいいます(建築基準法第2条第14号)。構造上重要でない間仕切壁は主要構造部から除外されるため、その過半の修繕は大規模の修繕に該当しません。
建築基準法上の「主要構造部」に含まれる6種類を挙げよ。
壁、柱、床、はり、屋根、階段の6種類です。ただし構造上重要でない間仕切壁、間柱、付け柱などは除かれます。
出典
※ この記事の確認日:2026年6月
正解:選択肢4
建築基準法第2条第14号では「大規模の修繕」を「主要構造部の一種以上について過半の修繕をいう」と定義しています。「構造上重要でない間仕切壁」は主要構造部に含まれないため、その過半を修繕しても大規模の修繕にはならないわけです。