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令和7年度 1級建築施工管理技士 No.58を解説、全体工期に制約がある場合は積上方式ではなく割付方式を使う

けんせつる

けんせつる

工期が決まっているときって、積上方式と割付方式のどっちを使えばいいの?

この記事の要点

令和7年度 1級建築施工管理技士 第一次検定 No.58は、工程計画に関する応用能力問題(5択)です。正解は選択肢3。全体工期に制約がある場合は順行型(積上方式)ではなく割付方式(逆算型)を用いて工程表を作成するのが正しい手法です。

令和7年度 1級建築施工管理技士 第一次検定 No.58は、工程計画に関する問題です。

問題文は建設業振興基金が公開している公式PDFで確認できます。

この問題は5択の応用能力問題です。5つの記述のうち、最も不適当なものを選びます。

正解:選択肢3

積上方式(順行型)は各作業の工期を積み上げて全体工期を求める手法です。全体工期に制約がある場合は、完成日から逆算して各作業の日程を割り付ける割付方式(逆算型)を使うのが適切なんです。順行型と逆算型の使い分けは、工程管理の基本中の基本として現場でも試験でもよく問われる部分ですね。

各選択肢の正誤

選択肢 正誤 解説
1 ○(正しい) 工程計画は手順計画を先に立て、次に日程計画を決定する順序が基本
2 ○(正しい) 工事用機械が連続作業できるよう作業手順を定め、不稼働をできるだけ少なくする
3 ×(誤り) 全体工期に制約がある場合は割付方式(逆算型)を用いる(積上方式は誤り)
4 ○(正しい) 算出工期が指定工期を超えた場合は、クリティカルパス上の作業に対して増員を検討する
5 ○(正しい) 工区分割による工期短縮は、各工区の作業数量がほぼ均等になるよう計画する

選択肢3の「順行型とも呼ばれる積上方式を用いて」という記述が誤りで、全体工期に制約がある場合は割付方式(逆算型)を用います。

この問題のポイント

この問題では、積上方式と割付方式それぞれの特徴と、どんな状況で使い分けるかを理解しているかが問われています。

積上方式(順行型)は、工事の始まりから各作業の工期を順番に積み上げて全体工期を算出する手法です。工期が制約なく自由に設定できる場合に使います。

割付方式(逆算型)は、完成日(指定工期)から逆算して各作業に工期を割り付けていく手法です。竣工日が決まっている場合に使うわけです。

ザックリ言えば、「工期を求める手法」が積上方式、「決まった工期に収める手法」が割付方式ということです。

選択肢1

工程計画の進め方として、まず手順計画(何をどの順番で行うか)を決め、次に日程計画(いつ行うか)を決める順序は基本中の基本です。

手順が決まらないうちに日程だけ先に決めても、後で矛盾が生じるリスクがあります。手順を先に固めることで、各作業の前後関係や並行作業の可能性を踏まえた実現性の高い日程が組めるんです。

この記述は正しい内容です。

選択肢2

工事用機械は稼働させるほどコストパフォーマンスが上がります。待機時間(不稼働)が多いほど、レンタルコストや人件費が無駄になるわけです。

機械が連続して作業できるように作業手順を組み立て、不稼働時間をできるだけ減らすのは工程・コスト両面で重要な考え方なんです。

この記述は正しい施工管理の考え方です。

選択肢3

これが誤りを含む選択肢です。全体工期に制約がある場合、どの方式を使うべきでしょうか。

積上方式(順行型)は各作業の工期を積み上げて全体工期を算出するものです。つまり「工期がいくらになるかを計算する」手法なんです。

全体工期が決まっている(制約がある)場合は、完成日から逆算して各作業に日数を割り付ける割付方式(逆算型)を用いるのが適切です。

積上方式を用いて工程表を作成した」という記述は、工期に制約がある状況には不適当です。

選択肢4

算出した工期が指定工期を超えてしまった場合の対処についての記述です。

クリティカルパスとは、工程ネットワークの中で最も長い経路であり、全体工期を直接左右する作業の連鎖です。

クリティカルパス上にない作業の工期を短縮しても全体工期は変わりません。工期を短縮するには、クリティカルパス上の作業に作業員を増員するなどの対策が必要なわけです。この記述は正しい内容です。

選択肢5

工期短縮のために工区を分割して並行作業を行う手法は、現場でもよく使われます。

このとき、各工区の作業数量がほぼ均等になるように分割するのが重要です。数量に偏りがあると、一方の工区が早く終わって手待ちが発生したり、逆に遅れが生じる工区のしわ寄せで全体が遅れたりするリスクがあります。

均等に分割することで各工区のリズムをそろえ、効率よく工期を短縮できるということです。この記述は正しい内容なんです。

覚え方

積上方式と割付方式は、「工期を決める」か「工期に合わせる」かで使い分けると整理しやすくなります。

積上方式は各作業を順番に積み上げて最後に工期が出てくる。割付方式は完成日が先に決まっていて、そこに向けて逆算して各作業を割り付ける。

工期が制約あり → 完成日から逆算 → 割付方式(逆算型)という順でつなぐと、試験本番で積上方式と混同しにくくなるわけです。

一問一答

Q.

全体工期に制約がある場合、工程表の作成に用いる方式はどれか。積上方式か割付方式か。

割付方式(逆算型)を用います。完成日から逆算して各作業に工期を割り付けていく手法です。積上方式(順行型)は工期が自由な場合に用います。

Q.

算出した工期が指定工期を超えた場合、工期を短縮するにはどの作業に手を入れるべきか。

クリティカルパス上に位置する作業に手を入れます。クリティカルパス以外の作業を短縮しても全体工期は変わりません。

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出典

  • 一般財団法人 建設業振興基金「令和7年度 1級建築施工管理技術検定 第一次検定 問題」
けんせつる

この記事を書いた人

ハナダユキヒロミツメラボ

設計事務所に7年勤務し、建築構造設計に従事。設計者として施工図確認・工程会議・検査立会いなど施工管理と協働してきた経験と、公共建築工事標準仕様書・JASS等の一次資料をもとに執筆しています。

「建築学生が学ぶ構造力学」(kentiku-kouzou.jp)を2010年より運営。著書「わかる構造力学」(工学社)。

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