けんせつる
移動式クレーンの合図方法は、誰が決めるの?合図者?それとも事業者?
この記事の要点
令和7年度 1級建築施工管理技士 第一次検定 No.49は、クレーンを用いて作業を行う場合の措置(クレーン等安全規則)に関する問題です。正解は選択肢4。
令和7年度 1級建築施工管理技士 第一次検定 No.49は、クレーン等安全規則に基づくクレーン作業時の措置に関する問題です。
問題文は建設業振興基金が公開している公式PDFで確認できます。
この問題では、4つの記述のうち、最も不適当なものを選びます。
| 選択肢 | 正誤 | 解説 |
|---|---|---|
| 1 | ○(正しい) | つり上げ荷重0.5t未満を含む全てのクレーンの玉掛用ワイヤロープは安全係数6以上が必要 |
| 2 | ○(正しい) | つり上げ荷重0.5t以上5t未満のクレーン運転は特別教育の修了が必要 |
| 3 | ○(正しい) | 強風時は作業中止してジブを固定する措置を講じるのは適切 |
| 4 | ×(誤り) | 合図方法は事業者が定めるもの。「合図者に定めさせた」では決定権が合図者に移っており誤り |
選択肢4の「事業者が指名した合図を行う者に定めさせた」という記述が誤りです。合図方法は事業者自身が定めるものです。
クレーン作業での合図は、玉掛者・合図者・オペレーター間の安全な連携に直結します。
合図方法がバラバラだと、同じ動作でも「巻き上げ」と取るか「停止」と取るかが人によって異なることになります。これが重大災害の原因になるわけです。
ザックリ言えば、「誰が何をやるかのルールは、現場の責任者が決める」ということです。合図者に任せてしまうと、作業ごと・日ごとにルールが変わるリスクがあります。
玉掛用ワイヤロープの安全係数は、クレーンのつり上げ荷重にかかわらず6以上が必要です。
安全係数6とは、ワイヤロープの破断荷重を、実際に掛ける荷重の最低6倍以上にすることを意味します。つり上げ荷重が0.5tと小さくても、この基準は変わりません。
クレーンの運転に必要な資格はつり上げ荷重によって異なります。
ここは混乱しやすいところですね。つり上げ荷重0.5t以上5t未満の移動式クレーンを運転する労働者には、特別教育の修了が必要です。つり上げ荷重5t以上になると移動式クレーン運転士免許が必要になります。
クレーン等安全規則では、強風によりクレーンが転倒するおそれがある場合は作業を中止することが求められています。
また、作業を中止した後はジブの位置を固定するなど、転倒防止の措置を講じることが必要です。例えば、ジブを最も低い位置に下げてロックする、アウトリガーを最大に張り出すなどの対応が該当します。
これが誤りを含む選択肢です。クレーン等安全規則第71条では、移動式クレーンを用いて作業を行う場合、事業者はあらかじめ一定の合図を定め、合図を行う者を指名して合図を行わせなければならないと規定されています。
「事業者が指名した合図を行う者に定めさせた」という記述は、合図方法の決定権が合図者に委ねられており誤りです。合図方法を決めるのは事業者の役割なわけです。
けんせつるの一言
「合図者に決めさせればいいじゃないか」と思いがちですが、法令は合図方法の決定を事業者の義務として明確に規定しています。「定めさせた」と「定めた」の違いが問われているわけです。主語と責任の所在をきちんと意識することが、この問題を解くポイントです。
クレーンの合図に関するルールは、「決める人」と「やる人」を分けて整理すると覚えやすくなります。
合図方法を「定める」のは事業者。合図を「行う」のは指名された合図者。この2つの役割を混同しないこと。
試験では「合図者に定めさせた」という誤った表現が頻出します。主語が「事業者」になっているかどうかを確認する癖をつけておくといいでしょう。
クレーン等安全規則において、移動式クレーンの合図方法はだれが定めるか。
事業者があらかじめ一定の合図を定め、合図を行う者を指名して行わせます。合図方法を決めるのは事業者であり、合図者ではありません。
つり上げ荷重0.5t以上5t未満の移動式クレーンを運転するために必要なものは何か。
特別教育(移動式クレーンの運転の業務に係る特別の教育)の修了が必要です。つり上げ荷重5t以上では移動式クレーン運転士免許が必要です。
出典
※ この記事の確認日:2026年6月
正解:選択肢4
クレーン等安全規則では、移動式クレーンの合図方法は事業者があらかじめ一定の合図を定め、合図を行う者を指名して行わせなければなりません。「事業者が指名した合図者に定めさせた」では、合図方法の決定権が合図者に委ねられており誤りです。合図方法を決めるのは事業者の役割なわけです。