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令和7年度 1級建築施工管理技士 No.48を解説、つり足場の点検項目に脚部の沈下・滑動は含まれない

けんせつる

けんせつる

つり足場の点検項目に「脚部の沈下」って入るの?

この記事の要点

令和7年度 1級建築施工管理技士 第一次検定 No.48は、労働安全衛生規則における事業者の講ずべき措置に関する問題です。正解は選択肢3で、つり足場は地面から吊られる構造のため脚部が存在せず、「脚部の沈下及び滑動の状態」の点検は支柱式足場に適用されるものです。

令和7年度 1級建築施工管理技士 第一次検定 No.48は、労働安全衛生規則における事業者の講ずべき措置に関する問題です。

問題文は建設業振興基金が公開している公式PDFで確認できます。

この問題では、4つの記述のうち、誤っているものを選びます。

正解:選択肢3

つり足場は建物から吊り下げられた構造であり、地面に接する脚部がありません。「脚部の沈下及び滑動の状態」を点検するというのは構造上ありえない話です。これは枠組足場などの支柱式足場の点検項目を混ぜ込んだ誤り選択肢なんです。

各選択肢の正誤

選択肢 正誤 解説
1 ○(正しい) 3m以上の高所から物体を投下するときは投下設備の設置と監視人の配置が必要
2 ○(正しい) 高所作業車は作業開始前に制動装置・操作装置・作業装置の機能を点検する
3 ×(誤り) つり足場に脚部は存在しない。「脚部の沈下・滑動」は支柱式足場の点検項目
4 ○(正しい) 高さ・深さ1.5m超の箇所では原則として安全に昇降できる設備を設ける

選択肢3の「脚部の沈下及び滑動の状態」の点検という記述が誤りで、つり足場には脚部が存在しないため、この点検項目は適用されません。

この問題のポイント

ここで押さえてほしいのは、「足場の種類によって点検項目が異なる」という点です。

つり足場は建物の上部から吊り下げられているため、地面に接する脚部がありません。そのため点検すべき部位は、支柱式足場とはまったく異なります。

つり足場で点検すべきなのは吊り元の状態(接合部・取付部)ワイヤロープ・つりチェーンなどです。地面側の話ではなく、上部の吊り構造側を点検するというわけです。

ザックリ言えば、「つり足場は上を点検する、地面に足がないから脚部点検はしない」ということです。

選択肢1

高所からの物体投下に関する規定です。労働安全衛生規則では、高さ3m以上の高所から物体を投下するときは、次の措置を講じなければなりません。

適当な投下設備(シュートなど)を設け、監視人を置くなどして労働者の危険を防止することが義務付けられています。

「投下設備の設置と監視人の配置」はセットで覚えておきましょう。この記述は正しいです。

選択肢2

高所作業車を使用する作業についての規定です。

高所作業車による作業を行うときは、その日の作業を開始する前に、次の3つの機能について点検を行う必要があります。制動装置・操作装置・作業装置の機能確認です。

「その日の作業を開始する前」というタイミングも重要なポイントです。週1回ではなく毎日実施するということですね。この記述は正しいです。

選択肢3

これが誤りを含む選択肢です。問題文には「つり足場における作業を行うときは、その日の作業を開始する前に、脚部の沈下及び滑動の状態について点検を行わなければならない」と書かれています。

ここは混乱しやすいところですね。つり足場は建物から吊り下げられた構造であり、地面に接する脚部が存在しません。「脚部の沈下及び滑動」を点検するというのは、構造上ありえないことです。

「脚部の沈下及び滑動の状態」は、支柱式足場(枠組足場など)の作業開始前点検に規定されている項目です。つり足場に適用するのは誤りです。

つり足場の点検対象は、吊り元となるつり鎖・ワイヤロープ・つりわく・足場板の損傷・取付状態などです。

選択肢4

昇降設備の設置義務についての規定です。

高さ又は深さが1.5mを超える箇所で作業を行うときは、原則として、労働者が安全に昇降できる設備を設けなければなりません。

例えば、深さ1.5mを超える掘削作業の際には、昇降用のはしごや階段を設けることが必要になるわけです。この記述は正しいです。

覚え方

今回の問題は、「足場の種類と点検項目の対応」を理解しているかが問われています。

整理すると、「地面についている足場は脚部を見る」「吊り下がっている足場は吊り元を見る」という発想で考えると間違えにくくなります。

つり足場=脚部なし→脚部点検なし、吊り元・ワイヤ等を点検というセットで記憶しておきましょう。支柱式足場の点検項目を「つり足場にも適用できる」と思ってしまうのが一番危ない考え方です。

一問一答

Q.

つり足場の作業開始前点検において、「脚部の沈下及び滑動の状態」は点検項目に含まれるか。

含まれません。つり足場は建物から吊り下げられた構造のため脚部が存在しません。「脚部の沈下及び滑動の状態」は支柱式足場の点検項目です。つり足場では吊り元・ワイヤロープ・つり金具等の状態を点検します。

Q.

高さ何m以上の高所から物体を投下するときに、投下設備の設置と監視人の配置が必要か。

高さ3m以上の高所から物体を投下するときに必要です。この措置を講じずに物体を投下してはなりません。

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出典

  • 一般財団法人 建設業振興基金「令和7年度 1級建築施工管理技術検定 第一次検定 問題」
けんせつる

この記事を書いた人

ハナダユキヒロミツメラボ

設計事務所に7年勤務し、建築構造設計に従事。設計者として施工図確認・工程会議・検査立会いなど施工管理と協働してきた経験と、公共建築工事標準仕様書・JASS等の一次資料をもとに執筆しています。

「建築学生が学ぶ構造力学」(kentiku-kouzou.jp)を2010年より運営。著書「わかる構造力学」(工学社)。

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