けんせつる
ヒストグラムって2つの特性を打点するグラフじゃないの?
この記事の要点
令和7年度 1級建築施工管理技士 第一次検定 No.45は、品質管理に用いる図表に関する問題です。正解は選択肢3で、選択肢3の説明は「散布図(相関図)」のものであり、ヒストグラムは1つの変数のデータの分布を柱状グラフで示す図です。
令和7年度 1級建築施工管理技士 第一次検定 No.45は、品質管理に用いる図表に関する問題です。
問題文は建設業振興基金が公開している公式PDFで確認できます。
この問題では、4つの記述のうち、最も不適当なものを選びます。
| 選択肢 | 正誤 | 解説 |
|---|---|---|
| 1 | ○(正しい) | 特性要因図は結果と原因の系統的な関係を示し、対策の検討に用いる |
| 2 | ○(正しい) | 系統図は目的と手段の関係を系統的に展開した図である |
| 3 | ×(誤り) | これは散布図の説明。ヒストグラムは1変数の度数分布を示す柱状グラフ |
| 4 | ○(正しい) | パレート図は項目別に大きい順で並べ、累積和を示した図である |
選択肢3の「対応する2つの特性を横軸と縦軸にとり、主に2つの変数間の相関関係を調べる」という記述が誤りで、これは散布図(相関図)の説明です。
QC7つ道具は、それぞれ「何を見るための図か」を押さえることが重要です。
ここで混乱が起きやすいのは、ヒストグラムと散布図の区別です。どちらもグラフ上に点や棒を並べますが、扱う変数の数がまったく違うわけです。
ヒストグラムは1変数のデータを複数の階級に分けて、各階級の度数を棒の高さで表します。データのばらつきや分布の形を把握するために使います。
一方、散布図(相関図)は2変数を横軸・縦軸に対応させ、観測値を打点します。2つの特性の間に相関関係があるかどうかを視覚的に確認するための図です。
ザックリ言えば、ヒストグラムは「1つのデータのばらつきを見る図」、散布図は「2つのデータの関係を見る図」ということです。
特性要因図(フィッシュボーン図、魚の骨図)は、品質問題などある特定の結果(特性)に対して、どのような原因が影響しているかを系統的に整理した図です。
例えば、コンクリートの品質不良という問題に対して、材料・方法・機械・人など各方向に要因を書き出していきます。
重要と思われる原因を特定して対策を打つために活用されるもので、この記述は正しいです。
なかなかイメージしにくいのが系統図かもしれません。
系統図は、ある目的を達成するための手段を枝分かれ状に展開していく図です。目的→手段→さらに具体的な手段、という構造で、やるべきことを漏れなく洗い出せます。
「目的を設定し、それを達成するための手段を系統的に展開した図」という記述は正しいです。
これが誤りを含む選択肢です。「対応する2つの特性を横軸と縦軸にとり、観測値を打点して作るグラフ」という説明をよく読んでください。
横軸と縦軸に2つの特性、打点というキーワードが出てきたら、それは散布図(相関図)の説明です。
ヒストグラムを説明するなら「1つの特性のデータを区間に分け、度数を棒の高さで表した図」となるわけです。問題文の「2つの変数間の相関関係を調べる」という部分が完全に散布図の目的を示しています。
あまり迷わない選択肢だと思いますが、パレート図の仕組みを確認しておきましょう。
パレート図は、不具合の種類・発生件数などを項目別に層別して、出現度数の多い順(大きい順)に棒グラフで並べ、その累積比率を折れ線グラフで重ねた図です。
例えば、現場の不具合を種類別に集計してパレート図を作ると、全体の80%を占める上位の問題が一目でわかります。「重点指向」で対策を絞り込むのに役立つわけです。
QC7つ道具を覚えるときは、「何変数を扱うか」で仕分けするとすっきりします。
ヒストグラムは1変数のデータを扱い、散布図は2変数のデータを扱います。「2つを打点する=散布図」という対応を覚えておけば、今回のような誤り選択肢に引っかかりません。
散布図=2変数・打点・相関、ヒストグラム=1変数・柱状・分布というセットで記憶しておくと、混同しにくくなるわけです。
ヒストグラムは2つの変数間の相関関係を調べるために用いられる。正しいか誤りか。
誤りです。2つの変数間の相関関係を調べるのは散布図(相関図)です。ヒストグラムは1つの変数の度数分布(ばらつき)を柱状グラフで示したものです。
パレート図において、項目はどのような順に並べられるか。
出現度数の大きい順(多い順)に並べます。あわせて累積和(累積比率)を折れ線グラフで示し、どの項目に重点的に対策すべきかを判断するために使います。
出典
※ この記事の確認日:2026年6月
正解:選択肢3
選択肢3は「散布図(相関図)」の説明そのものです。ヒストグラムは1変数のデータを柱状グラフで示す度数分布図であり、2変数間の相関関係を調べるものではありません。ここを混同してしまう受験者がとても多いんです。