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令和7年度 1級建築施工管理技士 No.44を解説、トルシア形高力ボルトの締付け作業能率は1人1日200本ではなく100本

けんせつる

けんせつる

トルシア形高力ボルトって、1人で1日に何本締められるんだろう?

この記事の要点

令和7年度 1級建築施工管理技士 第一次検定 No.44は、工程の実施計画に関する問題です。正解は選択肢2。トルシア形高力ボルトの締付け作業能率は、1人1日当たり100本が一般的な目安で、200本は過大な計画値になります。

令和7年度 1級建築施工管理技士 第一次検定 No.44は、工程の実施計画に関する問題です。

問題文は建設業振興基金が公開している公式PDFで確認できます。

この問題では、4つの記述のうち、最も不適当なものを選びます。

正解:選択肢2

トルシア形高力ボルトの締付け作業能率は、1人1日当たり100本程度が一般的な目安です。200本という計画値は実態を大きく上回る数字で、工程計画として不適当なんです。現場では締付け確認や記録の手間も含めると、1日100本でも十分な作業量になります。

各選択肢の正誤

選択肢 正誤 解説
1 ○(正しい) CO₂自動溶接の作業能率は1人1日6mm換算溶接長さで200mが目安
2 ×(誤り) トルシア形高力ボルトの締付け能率は1人1日当たり100本が目安(200本は過大)
3 ○(正しい) 地上階床の鉄筋組立て能率は1人1日当たり0.6tが目安
4 ○(正しい) コンクリートポンプによる場内運搬の能率はポンプ車1台1時間当たり30m³が目安

選択肢2の「1人1日当たり200本」という記述が誤りで、正しくは100本が一般的な目安です。

この問題のポイント

工程の実施計画では、各作業の標準的な作業能率を把握しておくことが重要です。

この問題では、複数の作業種別にわたる能率値が問われています。数値を丸暗記するのではなく、「なぜその数値か」という背景とセットで理解しておくと混同しにくくなりますね。

特にトルシア形高力ボルトの締付け能率は頻出の数値です。専用電動レンチを使う作業ですが、移動・位置決め・締付け確認・記録を含めると1日100本というのが現実的な計画値になるわけです。

ザックリ言えば、100本を200本に書き換えた選択肢が「現場ではあり得ない過大計画」として誤りを含む典型パターンです。

選択肢1

鉄骨のCO₂自動溶接による現場溶接の作業能率は、1人1日当たり6mm換算溶接長さで200mが目安です。

6mm換算溶接長さとは、実際に施工した溶接を断面積ベースで6mm脚長の溶接に換算したものです。自動溶接機を使った場合のスピードとして200mという数値は適切な計画値といえます。

例えば、手動溶接では同じ基準で100m程度になるため、自動溶接との差がそのまま工程計画に現れてくるわけです。

選択肢2

ここが誤りを含む選択肢です。トルシア形高力ボルトの締付け作業能率を確認しましょう。

トルシア形高力ボルトは、専用のシャーレンチと呼ばれる電動工具を使って締め付けます。ピンテールが破断した時点で所定のトルクに達したと判定できる仕組みです。

締付け自体は比較的短時間ですが、ボルトの取り付け位置への移動、仮締め、本締め、締付け確認の記録といった一連の作業が伴います。これらを含めて1人1日当たり100本が現実的な計画値です。

「1人1日当たり200本」は実態を2倍に見積もった過大な数値で、工程計画として不適当なんです。

選択肢3

地上階床の鉄筋組立ての作業能率は、1人1日当たり0.6tが目安とされています。

鉄筋の組立て作業は、鉄筋の搬送・配筋・結束という流れです。床スラブの鉄筋は比較的単純な格子状配筋ですが、鉄筋の重量・数量が多く、体力的に負荷の高い作業でもあります。

0.6tという数値は、主筋・配力筋・スペーサーなどの設置も含めた実績値として適切な計画値といえるわけです。

選択肢4

フレッシュコンクリートのコンクリートポンプによる場内運搬の作業能率は、ポンプ車1台1時間当たり30m³が目安です。

コンクリートポンプの実圧送能力はポンプの種類によって異なりますが、準備時間・洗浄時間・待ち時間などのロスを含めた実績値として30m³/時が一般的な計画値として使われます。

打込み速度は配筋密度や打込み箇所の状況にも左右されますが、この数値は計画段階の標準値として覚えておくと工程計画に役立ちますね。

覚え方

工程計画の作業能率は数値ごとにバラバラに覚えようとすると混乱しやすいので、作業種別ごとにセットで整理しましょう。

鉄骨関係でいうと、「ボルト100本・溶接200m」という対比で覚えると混同しにくくなります。ボルトは1日100本、溶接(CO₂自動)は1日200mというわけです。

ボルト:100本、溶接:200m → ボルトは溶接の半分の数字と覚えると、「200本」という誤りの選択肢に引っかかりにくくなります。

一問一答

Q.

トルシア形高力ボルトの締付け作業能率は、1人1日当たり何本が一般的な目安か。

1人1日当たり100本が一般的な目安です。200本は過大な計画値になります。

Q.

鉄骨のCO₂自動溶接による現場溶接の作業能率は、1人1日当たり6mm換算溶接長さで何mか。

1人1日当たり6mm換算溶接長さで200mが目安です。

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出典

  • 一般財団法人 建設業振興基金「令和7年度 1級建築施工管理技術検定 第一次検定 問題」
けんせつる

この記事を書いた人

ハナダユキヒロミツメラボ

設計事務所に7年勤務し、建築構造設計に従事。設計者として施工図確認・工程会議・検査立会いなど施工管理と協働してきた経験と、公共建築工事標準仕様書・JASS等の一次資料をもとに執筆しています。

「建築学生が学ぶ構造力学」(kentiku-kouzou.jp)を2010年より運営。著書「わかる構造力学」(工学社)。

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