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令和7年度 1級建築施工管理技士 No.38を解説、硬質ウレタンフォームの多層吹きは各層25mm以下が基準

けんせつる

けんせつる

硬質ウレタンフォームを厚く吹き過ぎると、なぜ問題が起きるんでしょう。

この記事の要点

令和7年度 1級建築施工管理技士 第一次検定 No.38は、断熱工事に関する問題です。正解は選択肢3。

令和7年度 1級建築施工管理技士 第一次検定 No.38は、鉄筋コンクリート構造の内部断熱工事に関する問題です。

問題文は建設業振興基金が公開している公式PDFで確認できます。

この問題では、4つの記述のうち、最も不適当なものを選びます。

正解:選択肢3

JASS 19の規定では、硬質ウレタンフォーム吹付けの多層吹きにおける各層の吹付け厚さは25mm以下が標準です。「40mm以下とした」という記述は厚すぎて不適当なんです。1層が厚いと内部発熱が大きくなり、塗膜品質が低下します。

各選択肢の正誤

選択肢 正誤 解説
1 ○(正しい) 押出法ポリスチレンフォーム張付けでセメント系下地調整後に全面接着するのは正しい手順
2 ○(正しい) 熱橋防止のため吊りボルトのインサートを樹脂製にするのは適切な措置
3 ×(誤り) 多層吹きの各層の厚さは25mm以下が基準で、40mm以下とした記述は不適当
4 ○(正しい) 冷蔵倉庫で断熱層が特に厚い場合の1日最大吹付け厚さ80mmは適切な範囲

選択肢3の「多層吹きの各層の厚さを40mm以下とした」という記述が誤りで、正しくは25mm以下が基準です。

選択肢1

押出法ポリスチレンフォームをRC壁面に張り付ける場合、コンクリート打放し面はそのまま接着するには平坦度が不十分なことがあります。

セメント系下地調整塗材で隙間なく下地を整えてから断熱材を全面接着する手順は、JASS 19で定められている正しい施工方法です。

全面接着とすることで断熱材がしっかり固定され、浮きや剥落のリスクを低減できます。

選択肢2

内断熱工法では、断熱層の内側に天井が設けられ、吊りボルトでスラブから吊られます。

ここは混乱しやすいところですね。吊りボルトはスラブを貫通するインサートから引き出しますが、インサートが金属製であれば金属部分が断熱層を貫通して熱を逃がす熱橋(ヒートブリッジ)になります。

インサートを樹脂製にすることで熱の流れを断ち切り、熱橋を防止できます。これは内断熱工法において有効な対策なんです。

選択肢3

これが誤りを含む選択肢です。硬質ウレタンフォームは吹付け時に化学反応が起きて発泡・硬化します。

この反応は発熱反応なんです。1層あたりの厚さが大きいほど、反応熱が層内に蓄積されます。

内部温度が過度に上昇すると、フォームのセル(気泡)構造が乱れて均質性が低下します。また、収縮や亀裂の原因にもなります。

JASS 19(内装工事)では、多層吹きの各層厚さは25mm以下と規定しています。この数値は発熱量を抑えて品質を確保するための上限なわけです。「各層の厚さを40mm以下とした」という記述は誤りで、正しくは25mm以下が基準です。

ザックリ言えば、「薄く何回も重ねて吹く」ことが品質確保の基本です。40mmでは1回の熱量が大きすぎて適切でないということです。

けんせつるのひとこと

「厚く吹いた方が効率的」と思いがちですが、それが一番危ない考え方です。ウレタン吹付けは「薄く・均一に・重ねる」が品質管理の基本です。

選択肢4

硬質ウレタンフォームの1日あたりの最大吹付け厚さは、通常80mmとされています。

冷蔵倉庫のように特に厚い断熱層が必要な場合でも、1日の吹付け厚さの上限は80mmを超えないようにします。これは1日に蓄積される発熱量の累積を制限するための基準です。

1日最大80mmとした選択肢4の記述は適切な施工です。

覚え方

硬質ウレタンフォーム吹付けの数値は2つセットで覚えると整理しやすくなります。

多層吹きの各層 → 25mm以下、1日の最大吹付け → 80mmという組み合わせです。

「各層25mm」は発熱による品質劣化を防ぐための制限、「1日80mm」は1日トータルの熱蓄積を抑えるための制限です。目的が違うわけです。

一問一答

Q.

硬質ウレタンフォーム吹付け工法の多層吹きにおいて、各層の吹付け厚さの上限はいくらか。

25mm以下です。各層を薄くすることで、発熱反応による品質劣化を防ぎます。

Q.

内断熱工法で天井の吊りボルトのインサートを樹脂製にする目的は何か。

熱橋(ヒートブリッジ)を防止するためです。金属製インサートは断熱層を貫通して熱を逃がすため、樹脂製にして熱の流れを断ち切ります。

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出典

  • 一般財団法人 建設業振興基金「令和7年度 1級建築施工管理技術検定 第一次検定 問題」
けんせつる

この記事を書いた人

ハナダユキヒロミツメラボ

設計事務所に7年勤務し、建築構造設計に従事。設計者として施工図確認・工程会議・検査立会いなど施工管理と協働してきた経験と、公共建築工事標準仕様書・JASS等の一次資料をもとに執筆しています。

「建築学生が学ぶ構造力学」(kentiku-kouzou.jp)を2010年より運営。著書「わかる構造力学」(工学社)。

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